7電力による再エネの出力制御率、北海道では2011年の0.1%から2016年は13.1%に

2017年10月25日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

7電力による再エネの出力制御率、北海道では2011年の0.1%から2016年は13.1%にの写真

10月17日、系統ワーキンググループが開催され、各社の30日等出力制御枠および出力制御の見通し等が議題に上がりました。ワーキンググループによると、2017年度において、太陽光や風力の30日等出力制御枠は据え置きとなりました。2016年の出力制御率については、北海道が最も高く13.1%になりました。

2017年度において、太陽光や風力の30日等出力制御枠は据え置き

固定価格買取制度において、再生可能エネルギーを最大限導入するため、より効率的かつきめ細かな出力制御を可能とするよう平成27年1月に省令が改正されています。具体的には、出力制御の対象を500kW未満の小規模設備まで拡大し、出力制御の上限が日単位(30日/年)から、時間単位(太陽光360時間/年、風力720時間/年)となりました。

ただし、出力変動の激しい太陽光や風力の導入が進むと、この出力制御の上限を超えて出力制御を行わなければ、追加的な再エネを受入が難しくなります。そのため、太陽光や風力の導入量が30日等出力制御枠に到達した電力会社においては、出力制御の上限値を超えることが可能となります[関連記事]。

今回、10月17日に開催された系統ワーキンググループでは、各社の30日等出力制御枠および出力制御の見通し等が議題に上がりました。ワーキンググループによると、2017年度において、太陽光や風力の30日等出力制御枠は据え置きとなりました(図1)。

太陽光、風力の30日等出力制御枠(2017年度)

図1 太陽光、風力の30日等出力制御枠(2017年度) 出典:経済産業省

前年度の年度算定値をもとに見直される30日等出力制御枠

30日等出力制御枠は、毎年、前年度の電力需給実績等を踏まえて算定した「接続可能量(年度算定値)」をもとに見直しが行われます。各年度の算定値が、電源構成の大きな変化により増減し、接続申込量が「30日等出力制御枠」に未達の場合、見直しが行われます(図2)。

この算定値は、風力の場合、連系量を増加させていき、1事業者あたりの制御時間が720時間となる連系量です。太陽光の場合は、制御日数が30日となる連系量となります。

この際、30日等出力制御枠の中で、太陽光もしくは風力による発電を実施することが考慮されます。例えば風力の場合、30日等出力制御枠の中で太陽光による発電が実施され、そこから追加的に風力を受け入れ可能となる連系量となります。

2017年度の算定値ですが、北海道以外では、概ね30日等出力制御枠に近い数値となっています。北海道については太陽光と風力の双方とも0万kWとなっており、現状では追加的に再エネを受け入れる余地が非常に少ないことが見て取れます(図1)。

30日等出力制御枠の見直しの考え方

図2 30日等出力制御枠の見直しの考え方 出典:経済産業省

出力制御時間の見通し

今回のワーキンググループにおいて、各電力会社は、至近3カ年の需要実績と出力実績を踏まえ、30日等出力制御枠を越えて、追加で接続された場合の出力制御時間の見通しを報告しています。

例えば、北海道電力の場合、30日等出力制御枠は、昨年度と同じ太陽光発電が117万kW、風力が36万kWです。この30日等出力制御枠を越えて、追加で接続された場合の出力制御時間の見通しについては、太陽光発電は20万kWの追加で出力制御時間は1180時間(出力制御率35.8%)と算定されています(図3)。

太陽光発電の出力制御の見通し

太陽光発電の出力制御の見通し

図3 太陽光発電の出力制御の見通し 出典:経済産業省

北海道電力の場合、風力発電については、40万kWの追加で出力制御時間は2020時間(出力制御率19.6%)との想定です(図4)。

風力発電の出力制御の見通し

風力発電の出力制御の見通し

図4 風力発電の出力制御の見通し 出典:経済産業省

徐々に増加する出力制御、北海道では2011年の0.1%から2016年は13.1%に

近年、太陽光や風力発電の導入が進んだことにより、各電力会社における出力制御が増加傾向にあります。太陽光および風力の30日等出力制御枠を前提とした、8760時間(1年)断面における需要実績に基づいた分析(試算値)において、2016年度では北海道が最も制御率が高く、太陽光発電で11.4%、風力発電で16.2%、再エネ全体では13.1%となっています。

この試算値では、北海道において再エネ出力制御率は2011年度では0.1%であり、2016年には13.1%であるため、130倍以上に増加しています。一方、東北地方においては変動が少なく、2011年度の6.0%から2016年度の6.1%となっています(表1)。

北海道
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 173
(0.1%)
1072
(0.6%)
4943
(2.9%)
19,738
(8.3%)
33,927
(13.7%)
31,135
(13.1%)
太陽光の出力制御量 11,132
(7.0%)
21,324
(13.2%)
17,477
(11.4%)
風力の出力制御量 8,607
(11.1%)
12,603
(14.7%)
13,658
(16.2%)
東北
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 69,207
(6.0%)
42,556
(3.6%)
52,102
(4.6%)
77,100
(6.2%)
81,648
(7.1%)
71,108
(6.1%)
太陽光の出力制御量 52,000
(7.5%)
59,037
(10.3%)
50,592
(8.5%)
風力の出力制御量 25,100
(4.5%)
22,612
(4.0%)
20,515
(3.6%)
北陸
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 5,800
(4.4%)
5,400
(4.2%)
4,400
(3.3%)
6,348
(3.6%)
14,683
(7.7%)
17,605
(7.3%)
太陽光の出力制御量 3,693
(3.6%)
8,836
(10.2%)
9,395
(10.1%)
風力の出力制御量 2,655
(3.5%)
5,847
(5.6%)
8,210
(7.5%)
中国
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 5156
(0.7%)
7755
(0.9%)
11,236
(1.3%)
58,132
(6.3%)
60,606
(6.0%)
55,965
(5.4%)
太陽光の出力制御量 53,267
(6.7%)
55,609
(6.3%)
50,840
(5.6%)
風力の出力制御量 4,865
(3.5%)
4,997
(3.8%)
5,124
(3.6%)
四国
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 10,600
(3.0%)
8,900
(2.5%)
16,400
(4.5%)
28,054
(6.7%)
26,326
(5.7%)
31,117
(6.2%)
太陽光の出力制御量 22,851
(8.4%)
23,508
(7.4%)
26,488
(7.7%)
風力の出力制御量 5,204
(3.5%)
2,818
(1.9%)
4,629
(2.9%)
九州
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 25,631
(2.5%)
28,771
(2.7%)
46,446
(4.2%)
48,100
(4.1%)
50,644
(4.3%)
85,978
(6.8%)
太陽光の出力制御量 43,400
(4.7%)
45,834
(5.0%)
75,702
(7.6%)
風力の出力制御量 4,700
(1.9%)
4,810
(1.7%)
10,276
(3.7%)
沖縄
(万kWh/年)
(抑制率 (%))
2011 2012 2013 2014 2015 2016
再エネ出力制御量 12.1
(0.03%)
3,871.6
(4.1%)
3,048.8
(3.2%)
2,692.8
(2.7%)
太陽光の出力制御量 2,142.0
(3.8%)
2,272.3
(3.7%)
1,696.2
(2.8%)
風力の出力制御量 1,729.6
(4.5%)
776.5
(2.2%)
996.6
(2.6%)

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