太陽光発電アドバイザーについて

太陽光発電アドバイザーについて

太陽光発電アドバイザー試験は、太陽光発電システムの導入に関して生じうる諸問題について、消費者の相談に応えることのできる専門的知識を有していることが客観的に認定される制度です。

環境問題やエネルギーの自給率向上・地産地消の解決策として再生可能エネルギーが注目されるなか、太陽光発電は高い注目を浴び、急速に普及しつつあります。しかし、その一方で、知識不足による様々なトラブルも確実に増加しており、各消費者団体に寄せられる相談の中でも太陽光発電システムに関するものが増えてきています。

太陽光発電アドバイザーは、そうした課題に対応するため、2012年10月にスタートした資格です。「特定非営利活動法人 日本住宅性能協会」が認定する民間資格となります。また、資格を取得すると、内閣府のキャリア段位制度における「エネルギー・環境マネージャー」のレベル2認定を得ることができます。

資格取得のメリットについて

太陽光発電アドバイザーを取得した際のメリットについて、下記にて見ていきたいと思います。

業務範囲が拡大する可能性

太陽光発電システムの導入には、施工等の技術的な問題にとどまらず、法律的な問題、技術的な問題、経済的な問題、行政上の問題などの諸問題が関わります。販売業者や施工業者はもちろん、不動産や建築、法律、金融に関する関連の資格をお持ちの方にも、これまでの業務範囲を拡大させる切り口として有用です。

専門性をアピールできる

太陽光発電アドバイザーの有資格者がいる販売業者・施工業者については、消費者サイドに立った専門的な助言をすることができるアドバイザーが存在することを消費者にアピールし、他業者との差別化を図ることができます。

信頼の証として使える

現代の企業活動では、コンプライアンスが重視されており、企業の不正や不祥事の発生は、刑事責任、民事責任はもちろん、信頼の失墜という社会からの厳しいペナルティーにさらされます。正しい知識を持つことは、こういったリスクを回避することを可能とし、また資格を取得することは取得者自身の行動規範を高めます。加えて、企業内に資格保有者がいることは、企業のコンプライアンスについての意識の高さを対外的にアピールすることを可能とします。

「太陽光発電アドバイザーのいるお店」として宣伝してもらえる

太陽光発電アドバイザーが在籍する企業については、太陽光発電アドバイザーのHPにて公開・宣伝してもらうことができます。このお店情報の公開については、希望者のみの任意となります。

調停員候補者の基礎資格になる

太陽光発電アドバイザーは、専⾨分野でのADRにおける調停⼈候補者の基礎資格として認定されています。本来、弁護⼠でない者は、報酬を得て法的なトラブルに介⼊することは認められないことになっています。ただ、法務⼤⾂認証ADRの調停⼈候補者となることで、その認められた専⾨分野の範囲においては、認証ADRの⼿続きにおいて、最終的な和解のあっせんまでを正当な業務として実⾏可能となります。

様々な団体からの支援

正会員に優先的に加入、スキルアップセミナーなどに優遇価格で参加など、様々な団体からの優遇を受けることができます。資格を活用した業務の広がりなどについては、太陽光発電アドバイザーのHPにて一覧が掲載されています。

他の資格との親和性

仕事の際に、太陽光発電システムを取り扱う可能性のある資格においては、太陽光発電アドバイザーの取得が効果的となる場合があります。事例について、下記にて紹介致します。

宅地建物取引主任者

新築・既築住宅共に今後は、太陽光発電システムが設置された物件が市場で流通することが多くなることが予想されます。顧客のニーズに応え、適切な情報を顧客に提供する上で、太陽光発電システムに関する知識は不可欠と言えます。

建築士

太陽光発電システムの導入には、設置場所・方位・構造・デザイン等、住宅の建築・改築上検討すべきたくさんの問題があります。消費者視点に立って正しい知識で適切なアドバイスをできることは、建築士に望まれると期待されます。

ファイナンシャルプランナー

太陽光発電システムは、高価な買い物のため、失敗しないためには、ローンを組む等の資金計画が重要です。また、売電による財テクは、生活スタイルを大きく変えることにもなります。さらに、一定期間ごとのメンテナンス費用もかかります。このように太陽光発電システムは、ライフスタイルを一変する特徴を有していますが、これを成功させるためには、適切なマネープランが重要なポイントとなってきます。

資格試験について

出題形式は、概ねの場合マークシートによる4肢択一方式/50問であり、時間は120分です。以下の点に関して、専門的知識を有するかどうかの判定を基準として試験が実施されます。事前に、改訂版 太陽光発電アドバイザー試験公式テキストや、改訂版 太陽光発電アドバイザー試験対策問題集といったテキストで勉強しておくことが重要です。

専門的知識を有するかどうかの判定基準
  1. 太陽光発電の社会環境に関すること
  2. 太陽光発電システムの概要、原理・技術に関すること
  3. 太陽光発電システムの導入に関する法令に関すること
  4. 太陽光発電システム導入の支援施策、資金調達に関すること
  5. 太陽光発電システムの設置基準に関すること
  6. 太陽光発電システム導入に関しての屋根、建築構造、設備に関すること
  7. 現場調査・安全管理に関すること
  8. その他太陽光発電システムの導入における実務に関すること

太陽光発電アドバイザー試験の合格者で、太陽光発電アドバイザーとしての行動準則を承認された方は、日本住宅性能検査協会に太陽光発電アドバイザーとして正式に登録することが可能です。(登録手数料として、13,000円がかかります。)

登録の有効期間は5年間であり、5年毎に更新が必要となります。更新時には所定の講習をWeb又はDVDで受講した上で、改めて太陽光発電アドバイザーの行動準則を承認する必要があります。

受験資格について

受験資格はありません。年齢や性別、学歴に関係なく受験できます。