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中小企業が入れるRE100/CDP/SBTの互換ともいえるエコアクション21、GHGプロトコルに準じた「アドバンスト」を策定

一般社団法人エネルギー情報センター

主任研究員 森正旭

中小企業が入れるRE100/CDP/SBTの互換ともいえるエコアクション21、GHGプロトコルに準じた「アドバンスト」を策定の写真

GHGプロトコルに準じた「エコアクション21アドバンスト」が2026年度から開始される見込みです。アドバンストを利用する企業は電力会社の排出係数も加味して環境経営を推進しやすくなるほか、各電力会社側にとっても、環境配慮の経営やプランのマーケティングの幅が広がることが期待されます。

エコアクション21は、環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム(EMS)で、中小企業などが環境への取り組みを計画・実行・評価・改善(PDCA)で継続することを支援する制度です。

国際規格ISO14001よりも取り組みやすい制度を目指し、1996年の原型事業を経て2004年に本格スタートしました。2004年にガイドラインが策定され、認証・登録制度が開始されました。

ISO14001よりも手続きが簡便で、導入・運用コストが低く、中小規模事業者でも実践しやすい点が特徴です。環境方針の策定、環境負荷の把握、改善計画、実施、環境活動レポートの公表を通じて、継続的な環境改善と経営効率化を促します。

制度の柱は「環境経営システム」「環境パフォーマンス評価」「環境報告」の3点です。PDCAサイクルに基づき環境経営の仕組みを構築・運用し、CO2排出量、廃棄物排出量、水使用量などの必須項目について数値目標を立てて削減(パフォーマンス評価)に取り組みます。

認証は審査を経て交付され、2年ごとに更新します。近年は脱炭素・SDGs・ESG経営と連携を強化し、GX(グリーントランスフォーメーション)推進の実践的ツールとして注目を集めています(図1)。

図1 「エコアクション21」の効果 出典:環境省

「エコアクション21アドバンスト」、GHGプロトコルに準じ電力会社の排出係数も評価されやすくなる可能性

エコアクション21アドバンスト(EA21アドバンスト)は、エコアクション21(EA21)の制度を拡張したもので、環境省が2025年10月17日に「ガイドライン追補版~エコアクション21アドバンスト~」として公表しました。

本制度の目的は、中小事業者を中心に現行のEMS(環境マネジメントシステム)を活用しつつ、国際的な温室効果ガス(GHG)排出量の算定・開示に対応できる仕組みを提供することです。つまり、最大の特徴は、GHG(温室効果ガス)排出量の算定・開示において、国際基準である「GHGプロトコル」に準拠することを求めている点です(図2)。

また電力業界における大きな変更点として、各電力会社のCO2排出係数が考慮される点が挙げられます。これまでのEA21では、CO2排出量の少ない環境負荷の小さな電力の利用であっても、電源平均の排出量が適用され、その努力があまり評価されない内容でした。そのため、CO2排出量の大きい電力会社が相対的に有利になっていました。

ただし、EA21アドバンストではGHGプロトコルに準じることとしており、各電力会社の調整後排出係数を加味したメニュー別の数値が適用される見込みです。これによって、EA21アドバンストを利用する企業は電力会社の排出係数も加味して環境経営を推進しやすくなるほか、各電力会社側にとっても、環境配慮の経営やプランのマーケティングの幅が広がる可能性があります。

図2 エコアクション21アドバンストについて 出典:環境省

近年、大企業がサプライチェーン全体の排出量(Scope3)を把握するため、取引先である中小企業に対しても、GHGプロトコルに基づいたデータ開示を求める動きが強まっています(図3)。EA21アドバンストは、中小企業がこうした要請に対応しやすくするとともに、そのノウハウは中小企業版のSBTやCDPなどの国際的なイニシアチブへの申請利用も一部可能です。

図3 中小事業者に求められるGHGプロトコルへの準拠 出典:環境省

EA21では環境マネジメントシステムとして14の取組項目(要求事項)から構成されるPDCAが規定されます。このうち、エコアクション21アドバンストにおいてGHGプロトコル準拠として追加的対応が必要となる要求事項は4項目です。中小企業にとっては該当しない項目や、理由を明示したうえで除外できる場合もあるため、中小企業にとっては大きな手間なくエコアクション21アドバンストの受審が可能となります。

既存のEA21の「中小事業者向けに取り組みやすいPDCAサイクル」「環境経営レポートの作成・公表」「継続的改善の支援」という3つの特徴を維持しながら、そのうえで「GHGプロトコルに準拠した温室効果ガス(Scope 1・Scope 2)の算定・開示」「バリューチェーン(取引先・顧客・地域)を含めた連携促進」「国際イニシアティブへの申請対応強化」など追加的要求を設けています(図4)。

図4 エコアクション21アドバンストの該当項目 出典:環境省

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