法人向け 家庭向け

スマホでサンマが焼ける日ーコラムー第12回 ワイヤレス給電で、ドローンが「空飛ぶワイヤレス給電装置」になる

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

スマホでサンマが焼ける日ーコラムー第12回 ワイヤレス給電で、ドローンが「空飛ぶワイヤレス給電装置」になるの写真

ドローンへのワイヤレス給電技術が発達すれば、ドローン同士が空中でお互いに電気の融通をしたり、母船のようなドローンから各ドローンに電気を飛ばして充電したりといったこともできるようになるでしょう。

執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
    理事 江田健二

富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任。

記事出典:書籍『スマホでサンマが焼ける日 電気とエネルギーをシェアする未来の「新発想論」』(2017年)

「空飛ぶWi-Fi基地」になるドローン

現代のタケコプターとも言えるのが、今世界中で注目されている無人小型航空機「ドローン」です。私は、ドローンはEVと並んで近い将来、ワイヤレス給電のニーズが急激に高まるマシンのひとつだと考えています。

ところでそもそもドローンは、そんなに私たちの生活に必要なものなのか?どんな需要があるのか?と疑問を抱いている方が多いと思います。そこで、まずは近い将来実現すると考えられるドローンの活用例を具体的にご紹介しておきましょう。

1 物流・配送

ドローンは、まずモノを運ぶ物流・配送の分野で大きな貢献を果たすことになるでしょう。つまり、今宅配便などで人間が商品を運んでいる作業を、ドローンが代わりにやってくれるのです。実際、すでにアマゾンはドローンを使った次世代の物流・配送システムを開発、実用化を進めています。ワンクリック注文からわずか30分、1時間以内で商品が自宅に届くという未来はすぐそこまで来ています。

2 災害救助

山や海などで人が遭難したとき、救助隊がなかなか遭難現場を見つけられない、または遭難の場所が分かっていても、危険がともない人間が近づけない、というケースがよくあります。そんなとき、やはりドローンが役立ちます。また地震や台風などの天災や災害発生時、ドローンはどんな過酷な状況下でも飛行でき、搭載されたカメラやセンサーで状況調査や人命救助の手助けができます。

3 監視・点検

高い建物や巨大な屋外設備(たとえば巨大アンテナやタワー)など、今人間が事故のリスクを負いながら、または長時間かけて行っている監視・点検作業を、これからはドローンが行ってくれるようになり、そうした作業の効率化に貢献します。また人間では入り込めない狭い場所にも入れるので、そうした作業の領域が広がり安全性が高まります。

4 自然環境のリサーチ

ドローンは、今まで人間が行けなかった場所、見ることができなかった場所へも行けるので、地球の上空や森林地帯など、様々な場所の観測や環境調査などを行うことができるようになります。気象観測の精度も向上するでしょうし、北極や南極エリアの自然環境、状況を今まで以上に細かく調査しデータを集めることができるでしょう。実際にNASAはドローンでオゾン層の観測などを実験的に行っているといいます。

5 映像撮影

ドローンは、その飛行方法、操作性の高さから、今まで人間が撮影できなかったような映像を撮影することができます。今後さらにドキュメンタリーや映画、CMなどの商業用映像などに活用されるでしょうし、報道映像などジャーナリズムの分野でも活躍するでしょう。これまで戦場カメラマンが命がけで撮影していた映像以上の衝撃的な映像を見せてくれるでしょう。

6 農業ビジネス

今、最先端テクノロジーを活用した「IT農業」(スマートアグリ)が注目されていますが、ドローンは農業の分野でも期待されています。たとえば広大な農場を監視して作物の生育状況や問題をチェックしたり、肥料や農薬を散布したり、農業ビジネスの効率化に貢献するでしょう。

7 電波や電力の発信装置

ワイヤレス給電技術を利用して、ドローン自体が電気を各家庭などに飛ばす「空飛ぶワイヤレス給電装置」になる可能性もあります。そうなると、今、送電インフラがなく電気を使えない地域にでも電気を使うことができるようになります。また、まだまだ地球上にはインターネット接続できない地域がたくさんあります。そうした地域に飛んでいって「空飛ぶWi-Fi基地」となり、世界中の人がインターネットにアクセスできるようになるかもしれません。

ドローンは、ただリモコン飛行機のように飛ばしているだけでは意味がありません。スマートフォンやインターネットと連動することにより、その利用価値・用途が無限に広がっていくのです。ドローンのもたらす経済効果は2025年までにアメリカ国内だけで8兆円を超えると試算されていますが、現在、ドローンの技術開発における大きな課題の一つがバッテリー問題です。バッテリーの性能・容量が飛行時間に大きく関わってくるからです。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

統計情報

統計情報(Excel含)

エネルギー関連の統計情報をExcel等にてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 〒160-0022
東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年01月12日

新電力ネット運営事務局

【第1回】AIデータセンター時代のシステム設計:ワット・ビット連携、GX戦略地域、PPA・電源ポートフォリオの実務論点

データセンターは、地域の電力インフラ設計を左右する存在へと変わりつつあります。背景には、需要施設の増加や、高負荷率・増設前提という運用特性に加え、脱炭素の要件も加わり、結果として、電力の「量」だけでなく「確実性」と「環境価値」が事業の成否を分ける事が挙げられます。

こうした状況の中で、日本でも制度設計が大きく動いています。具体的には、系統用蓄電池における系統容量の「空押さえ」問題に対して規律強化が議論される一方、国としてはワット(電力)とビット(通信)を一体で整備する「ワット・ビット連携」を掲げ、自治体誘致やインフラ整備を含めた「GX戦略地域」等の枠組みで、望ましい立地へ需要を誘導しようとしています。さらに、需要家側では、脱炭素要請の高まりを受けて、PPAなどを通じた環境価値の調達や、電源ポートフォリオ(再エネ+調整力+バックアップ等)をどう設計するかが、契約論を超えて運用設計のテーマになっています。

本シリーズでは「AIデータセンター時代のシステム設計」を、①ワット・ビット連携、②GX戦略地域、③PPA・電源ポートフォリオの実務論点――という3つの観点から、全3回で整理します。日本の最新の制度設計と接続して、実装するなら何が論点になるかに焦点を当てるのが狙いです。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年04月30日

新電力ネット運営事務局

分散型エネルギーとV2G(Vehicle to Grid)の可能性|Nuvve社 CEO来日特別対談 レポート

世界最先端のV2G(Vehicle to Grid)技術を有するNuvve社のCEO、Gregory Poilasne氏が来日し、東京で特別セッションが開催されました。本セッションでは、一般社団法人エネルギー情報センター理事であるRAUL株式会社の江田とGregory氏が対談を行い、日本のエネルギーシステムの未来とNUVVE JAPANの戦略について語られました。本記事では、当日のイベントの様子を時系列に沿ってご紹介します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年03月26日

新電力ネット運営事務局

系統用蓄電池のアグリゲーションについて|系統用蓄電池ビジネス参入セミナーアーカイブ

2025年2月26日開催のオンラインセミナー「系統用蓄電池ビジネス参入セミナー」にて、デジタルグリッド株式会社の豊田祐介氏が講演した「系統用蓄電池のアグリゲーション」について、その要約をご紹介します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年03月18日

新電力ネット運営事務局

系統用蓄電池での安全面や各種補助金について|系統用蓄電池ビジネス参入セミナーアーカイブ

2025年2月26日開催のオンラインセミナー「系統用蓄電池ビジネス参入セミナー」にて、電気予報士の伊藤 菜々 氏が講演した「系統用蓄電池での安全面や各種補助金」について、その要約をご紹介します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年03月18日

新電力ネット運営事務局

系統用蓄電池の導入事例について|系統用蓄電池ビジネス参入セミナーアーカイブ

2025年2月26日開催のオンラインセミナー「系統用蓄電池ビジネス参入セミナー」にて、株式会社パワーエックスの小嶋 祐輔 氏が講演した「系統用蓄電池の導入事例」について、その要約をご紹介します。