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スマホでサンマが焼ける日ーコラムー第11回 ワイヤレス給電ならタケコプターだってずっと飛び続けられる

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充電、送電のワイヤレス化が一般的になれば、私たちの生活は大きく変わるでしょう。Wi-Fiによってインターネットの使い方、仕事・ライフスタイルの可能性が大きく広がったように。

執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
    理事 江田健二

富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任。

記事出典:書籍『スマホでサンマが焼ける日 電気とエネルギーをシェアする未来の「新発想論」』(2017年)

ワイヤレス給電が必要とされる本当の理由

ワイヤレス給電に対するニーズが高まっている要因は、前回のコラムで話したような家の中での家電利用の不便さの解消ということ以上に、もっと重要な点にあります。それは、家の中よりも「家の外」で電気を使うこと、屋外での電気利用ニーズが急速に高まっていくということです。

つまり、スマートフォン、パソコンに加え、ドローン、電気自動車、ウェアラブル端末、サービスロボットなど外で使用する電子機器に加え、IoTの普及で爆発的に電気を必要とするモノが増えるからです。そんな状況下で電力供給システムが有線であることは、どう考えても不便。いや、不便をとおり越して社会自体が成り立たないはずです。みなさんも、外にいるときスマートフォンやパソコン、タブレット端末のバッテリーが切れそうになってイライラした経験は、1度や2度はあると思います。

世界的にヒットしたスマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」がリリースされた当初、スマートフォンの充電器が爆発的に売れたそうですが、今後またポケモンGOのようなゲームや大人気のアプリが出て同じような状況になったら「もういちいち充電するなんて面倒だし、充電器にお金がかかりすぎて非効率だ!」ということになり、いつでもどこにいてもスマートフォンに充電できるワイヤレス給電のサービスが一気に拡大するでしょう。

また、今ノートパソコンを持ってカフェやコワーキングスペースで仕事をする、いわゆるノマドワーカーが増えていますが、そうした遊牧民的ワーカーの増加に対し、彼らがパソコンの電源を繋ぎながら仕事ができる場所の数が追いついていないのが現状です。もし、いつでもどこでもパソコンに給電できる「ワイヤレス給電ステーション」のようなものが増えれば、リモートワークやノマドワークなど、会社の外で仕事をする機会がさらに拡大するのではないでしょうか。外にいるとき、いちいち充電、給電できるコンセントのある場所を探す必要もなくなり、重たいアダプタ付きの電源コードを持ち歩く必要もなくなるのです。

ちなみに現在、研究開発が進んでいるワイヤレス給電システムには「非放射型」(電磁誘導、磁界共鳴、電磁結合など)や「放射型」(電波式、レーザー式、太陽発電など)などいろいろな方式がありますが、いずれの方式にせよ、コンセントに代わって電気を家電などに飛ばす機械、ちょうど今のWi-Fiルーターのような機器が必要です。また、飛んできた電気を受け取るデバイス側も、ワイヤレス給電に対応したシステムを搭載している必要があります。そろそろiPhoneあたりもワイヤレス給電対応の新機種を出してくるのではないでしょうか。そうなればワイヤレス給電は一気に普及するでしょう。

充電、送電のワイヤレス化。これが一般的になれば、Wi-Fiによってインターネットの使い方、仕事・ライフスタイルの可能性が大きく広がったように、私たちの生活は大きく変わるでしょう。これからロボットが医療サービスをするようになると、当然介護ロボット自体も普及してくるでしょうし、そうするとワイヤレス給電のニーズがにわかに高まる可能性はあります。

実際にワイヤレス給電の市場規模が大きく伸びるという統計も出ています。米国のリサーチ会社であるIHS Technology が2014年に発表したデータによると、ワイヤレス給電市場は2018年には85億米ドル、約1兆円規模になると予想されています。また国内でも成長戦略の一つとしてワイヤレス給電がテーマに上がり、標準化に向けて総務省も動いています。ワイヤレス給電は、国を挙げたプロジェクトとして様々なメーカーや大学などで研究が進められている世界的にも注目の技術なのです。

タケコプターはどうやって充電しているのか?

ワイヤレス給電は、今後増えていくであろうソフトバンクの「ペッパー(Pepper)」のようなサービスロボットにとって必須の技術になっていくでしょう。ちなみにペッパーは今どうやって充電しているのかというと、床に置かれた「充電ベース」と呼ばれる機械の上に自分で歩いていって、「いまから充電しまーす」と言って自分で充電するシステムを備えています。でもこの「充電ベース」はそこそこ大きいので、やはり部屋の中では邪魔な存在になります。ペッパーもいずれワイヤレス給電できるようになれば、もっと私たちの生活に密着した存在になっていくでしょう。

ところで、漫画やアニメの中に出てくるロボットたちは、何を動力源にしているのか? 動力源が電気であれば、いつどうやって充電しているのか? などと妄想を膨らませてしまうのは私だけでしょうか。調べてみたところ、『鉄腕アトム』のアトムは「原子力」、マジンガーZは架空の「光子力」というエネルギー、新しい鉄人28号は「太陽光」、ガンダムは「ミノフスキー・イヨネスコ型熱核反応炉」というシステム、エヴァンゲリオン初号機は「電力」(長いケーブルを背中に繋いで充電する)で動いている、という設定だそうです。その他、漫画やアニメに出てくるロボットたちは、「乾電池」や「ガソリン」など、その動力源は様々なようです。

では、世界的にも人気のアニメ「ドラえもん」の動力源はいったい何なのでしょう? 一説によると最初の設定では「ドラえもんの体内には「原子ろ(原子炉ではない)」という物があり、この中で食べた物を原子分解してエネルギーに変換する」ということらしいのですが……、要は食べるもの、特にドラ焼きがエネルギー源ということなのかもしれません。

ドラえもんの動力源も気になりますが、ここで問題にしたいのは、タケコプターの動力源です。タケコプターは電池式なのか、充電式なのか、はたまたもっと別の未来の技術を使った動力で動いているのか?諸説ありますが、のび太がよく「タケコプターの電池が切れちゃったんだ」などと言っているので、基本的には電気で動いていると見てよさそうです。

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