ガス自由化によるサービス向上に向けた新たな取組、スイッチングは近畿が全体の約55%
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一般社団法人エネルギー情報センター

10月24日、電力・ガス基本政策小委員会は、ガスの小売全面自由化の進捗状況について纏めた資料を配布しました。ガス自由化によって料金・サービスメニューの多様化が進んでおり、スイッチングは近畿が約55%と半分以上となりました。
家庭向けのガス小売販売、14社が新規予定
2017年4月から始まったガス小売の全面自由化ですが、小売の事前登録申請は2016年8月1日から開始しており、2017年10月23日時点までに50社が登録しています。このうち、ガス小売の全面自由化を機に、新たに一般家庭への供給を予定しているのは14社となります。この14社は、既存ガス事業者による越境販売を含めた数値となります(図1)。
このように、ガス自由化が始まってから半年ほどで、14社が新たな家庭向けガス供給を予定していますが、一方で電力おいては、全面自由化から半年ほどで約260社の新電力が電力販売しています。ガス自由化は現状のところ、電力自由化と比較すると新規参入が少ないといえます。

図1 自由化後の小売事業者の登録状況 出典:経済産業省
スイッチング件数、近畿が約24万件で全体の約55%
2017年3月1日~9月30日分の契約先の切り替え(スイッチング)の申込件数は、全国で約43万件となっています。地域別で見ると、近畿が約24万件で、全体の約55%を占めています。
次点が関東の約8.6万件(約20%)、中部・北陸の約6.9万件(約16%)、九州・沖縄の約4万件(9%)と続きます。北海道、東北、中国・四国については、新規参入スイッチング件数が0件となっています(図2)。

図2 スイッチングの申込状況 出典:経済産業省
販売量の約1割を新規参入者が占める
北海道、東北、中国・四国といったスイッチング申込が発生していない地域においても、2017年4月以前より既に自由化されていた旧大口分野では、新規参入者が販売を行っています。
2017年6月分のデータを見ると、新規参入者の販売量割合は、約1割を新規参入者が占めています。東北が最も割合が高く12.5%であり、北海道の11.3%、関東の8.2%と続きます。一方で、最も割合の少ないのが中部・北陸の4.8%となります(図3)。

図3 新規参入者の販売量割合(地域別) 出典:経済産業省
新たなガス小売メニュー
ガス小売全面自由化に伴った新たな料金・サービスメニューでは、「新たな料金メニュー」、「見守りサービス」、「ポイントサービス」、「駆けつけサービス」、「セット割引」、「見える化サービス」といった類型が見られます。
例えば、幸手都市ガスは「高齢者応援割引」を実施しており、ガス暖房契約を契約、かつ満70歳以上の方が住んでいる家庭を対象に、ガス暖房契約料金から3%割引しています。また、仙台市ガス局は「安心・安全見守り活動」として、検針時、ガス使用量が極端に少ない、郵便物が溜まっている等の異変があった場合、関係機関に連絡しています。
ポイントサービスとしては、四国ガスが「ガポタ」を提供、ガス料金100円につき1ポイントが付与され、電子マネー等と交換可能です。鳥取ガスは「水まわり安心サービス」として、トイレなどの水まわりのつまり・水漏れの修理などのトラブルに、専門スタッフが駆けつけて処置を行うサービスを提供しています。
鹿児島の日本ガスは、日本ガスグループのガス・電気・インターネットの3つの契約により、インターネットの利用料金が割引される「日本ガスグループトリプル割」というセット割引を提供しています。北海道ガスは見える化として、電気・ガスの使用量・料金の照会や省エネに役立つ情報が掲載されている会員制Webサイト「TagTag」を運営しています(図4)。

図4 サービス向上に向けた新たな取組み概要 出典:経済産業省
小売全面自由化を契機に、全国各地において、新たな料金メニュー・サービスメニューの提供や、既存料金メニューの引き下げなどが行われています。ガス事業者の創意工夫により、料金・サービスの多様化が進んでいます(図5)。

図5 ガス事業者のサービス向上に向けた新たな取組み一覧 出典:経済産業省
電力最大手の東京電力とガス自由化
電力で最大手の東京電力エナジーパートナーは、5月10日より家庭向け都市ガスの料金プラン「とくとくガスプラン」の電話受付を開始しています。11月1日にはスタンダードプランを値下げし、「電気+ガス」がよりお得になりました。
また、10月5日に東京電力フュエル&パワー、JXTGエネルギー、大阪ガスは、川崎市扇島地区に、都市ガス製造・供給の「扇島都市ガス供給株式会社」を設立しています。製造されたガスは、新会社の新設ガス導管、東京ガスの受入ステーション、東京ガスの既存ガス導管を経由して、主に品川火力発電所へ届けられます。
そのほか、8月21日には東京電力エナジーパートナーと日本瓦斯が共同出資し、都市ガスの調達や販売に必要な機能・ノウハウなどの事業運営基盤を提供する「東京エナジーアライアンス株式会社」を設立しています。
LNG基地の第三者利用制度、利用実績なし
改正後のガス事業法においては、LNG基地を維持・運用する者が「ガス製造事業者」として位置付けられています。このガス製造事業者が第三者に対して請求するLNG基地の利用に係る料金については、「同一条件同一料金」とすることが求められています。
これは、LNG基地の利用期間や利用方法が同等であれば、誰に対しても同等の料金が課金されるというものです。平等なLNG基地の利用が可能となり、ガスの小売事業などの競争の活性化に寄与すると期待される制度となります(図6)。
ただ、2017年6月末時点において、この第三者利用制度の利用実績はなしといった状況になっています。第三者利用制度の利用状況については、ガス製造事業者が、電力・ガス取引監視等委員会に対し、利用状況を報告しています。

図6 ガス製造事業者が第三者にLNG基地を利用させる場合における料金の考え方 出典:経済産業省
経過措置料金、3社が指定解除の可能性
ガス小売の全面自由化となりましたが、旧一般ガス事業者については、12社に経過措置料金規制が課されています。これは、他のガス小売事業者や、LPガス、オール電化などとの適正な競争が行われない場合、経過的に小売料金規制(大臣の認可制)を課すというものです。
経過措置料金規制が課された事業者は、3ヶ月ごとに報告を提出する必要があります。8月の報告内容によると、3社(仙南ガス、浜田ガス、エコア(100MJ地区))については、解除基準が満たされているため、指定を解除する方針でパブリックコメントや、意見聴取等に基づく検討が行われます。スケジュール通りに工程が進めば、2018年3月1日に解除が実施される予定です(図7)。
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