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車載用リチウムイオン電池の市場、2025年に254.9GWhへ拡大、矢野経済が予測

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10月20日、矢野経済研究所は車載用リチウムイオン電池世界市場の調査を実施したと発表しました。2016年の車載用LiB世界市場は46.6GWhですが、各国が内燃機関車の新車販売を禁止する動きなどにより、2025年には254.9GWhに拡大すると予測されています。

EV普及に伴い車載用リチウムイオン電池の市場も拡大する予測

ドイツが2030年から、イギリスとフランスは2040年から内燃機関車の新車販売を禁止すると発表するなど、各国の環境規制が更に厳しさを増しています。各国政府はxEVを推進するため、補助金や優遇策を実施しており、そうしたEV普及の後押しは2020年まで継続される予定です。

また、米国のカリフォルニア州のようにxEVの販売義務比率を徐々に高める政策などが実施され、市場は成長を続ける見通しです。そのため、自動車メーカー各社のxEV新車投入の動きも早まっています。

xEVの市場拡大に伴い、車載用リチウムイオン電池の需要も連動して高まっていきます。その車載用リチウムイオン電池について、矢野経済研究所は、世界市場の調査を実施したと発表しました。2016年の車載用リチウムイオン二次電池の世界市場は46.6GWhですが、各国が内燃機関車の新車販売を禁止する動きなどにより、2025年には254.9GWhに拡大すると予測されています。

調査期間は2017年4月~9月、調査対象は自動車メーカー(日本、欧州、米国、韓国、中国)、車載用リチウムイオン電池メーカー(日本、韓国、中国)です。今回の調査において、車載用リチウムイオン電池とは、xEV(12V・48V マイルドHEV、ストロングHEV、PHEV、EV)に搭載されるリチウムイオン電池となります。また、乗用車及び商用車に搭載されるリチウムイオン電池が対象となります。

9割近くがEV向け、PHEVは1割程度

2016年の車載用リチウムイオン電池の世界市場規模は、前年比152.6%の46.6GWhとなりました。各国政府のEV普及政策、そして中国を中心にPHEVとEVの販売が急拡大したことが、車載用リチウムイオン電池の世界市場の成長を牽引しました。

2016年の市場をxEVタイプ別でみると、EV向けが40.7GWh(構成比87.3%)、PHEV向けが5.3GWh(同11.4%)、HEV向けが621MWh(同1.3%)とEV向けが中心です。前年比で見ると、EV向け156.6%、PHEV向けが133.4%、HEV向けが105.8%となり、EV向けの成長率が最も高いです。

各国政府の積極的なEV普及政策、そして中国においては100~300kWhの大容量LiBパックを用いる電気バス(EV)の販売が拡大したことで、EV向けが高い構成比・成長率となりました。

また、PHEV向けも中国における販売が好調だったことに加え、欧州市場での販売が好調に推移したことで、PHEV向け市場も高い成長率で推移しました。

一方、2017年からは中国政府が新エネルギー車に支給する補助金を20%削減し、かつEVバス向けに対する補助金の支給基準が厳しく変更されています。また近年、xEVの成長に期待して関連する部材、材料の投機的な買い占めなども起きています。

そのため、車載用リチウムイオン電池価格の中心を占める部材価格が下がらず、セルの低コスト化の実現が難しくなっています。そのため、今回の調査によると、2017年における世界市場は引き続き拡大を続けるものの、その成長率はやや鈍化して前年比123.3%の57.5GWhになると想定されています。

また、2025年までの長期的な市場予測においても、車載用リチウムイオン電池の市場は成長を続ける見通しです。しかし、xEVへの補助金が徐々に削減されることや、原材料の価格高騰等、xEVを取り巻く多くの課題が完全には解決されないと想定されています。そのため、2020年における世界市場規模は119.7GWh、2025年には254.9GWhと緩やかな成長に留まると予測されています(図1)。

車載用リチウムイオン電池の世界市場推移と予測

図1 車載用リチウムイオン電池の世界市場推移と予測 出典:矢野経済研究所

今後の動向①、環境規制の強化や政府の普及政策により拡大が続くxEV市場

エンジン効率の改善や車両軽量化だけでは、環境規制の対応に対し限界があるため、自動車メーカー各社はxEVの開発・普及という解決策を模索しています。

一方で、2017年からはxEVに対する政府の普及支援策は徐々に縮小されていくと想定されています。政府の普及政策が完全になくなるまでは、それに依存する形でxEV 市場は拡大していくと予測されています。

今後の動向②、リチウムイオン電池セルの高容量化、低コスト化への要求が顕著に

xEV市場は拡大が続くものの、依然として高い車両価格や充電インフラの未整備等が本格普及拡大の足かせとなります。そのため、航続距離の延長に向けたリチウムイオン電池セルの高容量化や、電池価格のコストダウンへの要求が強く求められています。

高容量化対応は、車載用リチウムイオン電池セルメーカーにとって、最重点課題の一つです。各社ではハイニッケルNCMやNCA正極材、Si系負極材などの材料の改良を引き続き検討する動きが見られます。また、リチウムイオン電池のコストは、依然として車体価格において大きな比率を占めています。

現状、そのコストは概ね200ドル/kWh前後とされていますが、2020年までに100ドル/kWh 前半までのコストダウンを目指して、様々な取り組みが続けられています。しかし近年、リチウムやコバルトなどの原材料価格が高騰したことや、高性能な電池の開発により高機能・高性能素材が使用されたことなどから、更なるコストダウンへの取り組みは厳しい状況にあると考えられています。

今後の動向③、高まる中国の存在感

中国では大気汚染の深刻化等を背景に、2025年までに年間700 万台の新エネルギー車の販売を目標に掲げています。実現のための施策として、充電設備の拡充やPHEV・EV 購入時の補助金支給、ナンバープレート優遇策など、多様な支援策を設けています。

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