資本提携によりアジア圏でIoTを提供、スマートメーター等でエネルギー効率の改善を目指す
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2017年10月06日
一般社団法人エネルギー情報センター
10月3日、オリオン電機は、日本を含むアジア圏においてワンストップのIoTソリューションを提供するため、インターポレーションと資本・業務提携をしたと発表しました。エネルギー効率の改善を図るべく、BEMS領域、各スマートメーター(特にLPガス)等においてソリューションを提供するとしています。
オリオン電機とインターポレーションが資本・業務提携
電力・ガス事業を取り巻く状況として、中長期的には人口減少により、国内の電力・ガス需要が伸び悩む一方、IoTやAIといった技術革新を活用した新サービスが、大きな市場を生み出すと期待されています。
IoT関連技術の成熟度も向上してきており、米CISCOによると、世界のセンサーネットワークは、2003年の5億台から、2015年には250億台となり、2020年は500億台に達すると予測されています。そうした技術基盤が整備されていくことも後押しし、IoTの市場は2014年の約1兆ドルから、2020年には約3兆ドルに推移していくとの予測もあります(図1)。
日本国内においても、太陽光とIoTでゴミの収集作業を効率化する試みや[関連記事]、AIやIoTで火力発電を「早期異常検知」するシステムが開発されています。[関連記事]。その他にも、送配電においては東芝が、ドローンを使った送配電や鉄塔の巡視・点検を提供するほか、東京ガスがスマートフォン等を使用し、開栓作業結果を報告するシステムを開始するなど、様々なIoTを利用した活動が展開されています。
図1 IoTの市場規模推移 出典:総務省
こうした中、オリオン電機は、日本を含むアジア圏においてワンストップのIoTソリューションを提供するため、インターポレーションと資本・業務提携をしたと発表しました。エネルギー効率の改善を図るべく、BEMS領域、各スマートメーター(特にLPガス)等においてソリューションを提供するとしています。
IoTのノウハウと開発力、相互の強みを活かす資本提携
今回の資本・業務提携は、IoT先進国である欧州での長年の実績とノウハウを持つインターポレーションと、開発力のあるオリオン電機が提携するものです。インターポレーションは、エネルギー効率の改善策の導入を行うほか、IIoT通信網の運用に不可欠な通信管理ツールなどのコア要素を一部無償提供しています。
そのほか、2016年11月には仏NEMEUS社とIoT通信モジュール領域での設計・開発分野において業務提携するほか、2016年12月より、フランス中小企業と共同で先端IoTの実証実験に参加しているなど、海外での活動も展開しています。
オリオン電機は、IoT関連ハードウエアなどの企画・開発・設計・製造を軸に事業展開をしています。近年はアジア各国にも販路を広げており、タイにも生産拠点を配することで、日本品質のものづくりを基盤に事業拡大を進めています。
BEMS、スマートメーター等において活動を展開
両社によると、今回の提携によって、LPWA(省電力広域)通信網を活用することで、需要に合致した基地局・センサーの運用・展開を加速していくとしています。
また、企業や自治体の事業効率及びエネルギー効率の改善を図っていくとしています。それは、BEMS領域、物流資産管理領域、各スマートメーター等において、一元的にサービス提供することで実現します。
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一般社団法人エネルギー情報センター
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