関西電力、AIやIoTによる「早期異常検知システム」を開発、火力発電所の運用・保守を向上

2017年09月20日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

関西電力、AIやIoTによる「早期異常検知システム」を開発、火力発電所の運用・保守を向上の写真

9月19日、関西電力は豪州ブルーウォーターズ発電所の運用・保守の向上を目的に、「遠隔監視サービス」を開始したと発表しました。AI技術やIoTによるビックデータ分析から、設備不具合の予兆を検知できる「早期異常検知システム」を開発、遠隔監視センターは関西電力本店内に開設しています。

AI技術やIoTによるビックデータ分析から、設備不具合の予兆を検知

関西電力は、平成25年2月より、ブルーウォーターズ発電所から技術支援業務を受託しています。一部権益を、関西電力100%子会社であるケーピック・ネザーランド社を通じて取得し、発電事業経営に参画しました。特にトラブル時には、日々の運転データを基に、運用・保守に係る助言等を行うことで、同発電所の安全・安定運転に貢献してきました。

ブルーウォーターズ発電所は、西豪州パースの南約180kmに位置しており、平成21年に営業運転を開始しています。合計出力41.6万kWであり、平成25年2月時点においては同州における発電電力量の15%程度を供給している重要な基幹発電所となります。

そのブルーウォーターズ発電所において、関西電力は運用・保守の向上を目的に、「遠隔監視サービス」を開始したと発表しました。AI技術やIoTによるビックデータ分析から、設備不具合の予兆を検知できる「早期異常検知システム」を開発、そして関西電力本店内に遠隔監視センターを開設しています。

年間で数億円程度の収益向上を図れる見込み

今回、新たに開発された「早期異常検知システム」は、関西電力の火力発電所やブルーウォーターズ発電所における過去のトラブル事象に対して、AI技術やIoTを活用したビックデータ分析を行い、設備不具合の予兆を検知できるものです。「早期異常検知システム」は10パターン以上あり、不具合が顕在化する前に、事故の予兆や対応策を助言することで、計画外停止率低減等の収益向上に貢献します。

今回のサービスは、O&Mサービス(プラントの運転監視、早期異常検知、性能・稼働率管理、自己分析、設備寿命・保守管理等)を、関西電力の遠隔監視センターにおいて包括的に支援するものです(図1)。

遠隔監視センターは、新たに関西電力の本店内に設置されます。ブルーウォーターズ発電所の運転データをリアルタイムで監視するとともに、設備異常の早期発見を行うことで、トラブル事象の未然防止が図られます。

関西電力によると、構築された早期異常検知システムにより、全ての不具合を未然防止できた場合、ブルーウォーターズ発電所では、年間で数億円程度の収益向上を図れる見込みとしています。

遠隔監視サービスの概要

図1 遠隔監視サービスの概要 出典:関西電力

エンジニアリングサービス「K-VaCS」とは

関西電力は、今後、遠隔監視サービスを含めたエンジニアリングサービスを「K-VaCS」と総称するとしています。「K-VaCS」は、「Kansai-Value Creation Service」の略です。火力発電所に係る新設プロジェクトの基本計画から、運転開始後の設備運用保守管理に至る全てのステップにおいて、顧客の価値を創造するソリューションサービスの総称となります。

関西電力は、中期経営計画で掲げているように、これまで培った技術力やノウハウを活用した事業領域の拡大による収益拡大に積極的に取り組んでいます。「K-VaCS」により、国内外における火力発電所の計画・設計・建設・運営に関して価値提供していくと期待されます。

「K-VaCS」は、関西電力がこれまで長年にわたって蓄積してきた発電事業者としての経験・実績に基づき、火力発電所の計画・設計・建設・運用における全ての段階において、顧客個別のニーズに合わせたサービスを提供するものです(図2)。

具体的には、発電所基本計画策定、設備仕様策定、建設段階のプロジェクト管理、運転開始前の準備、あるいは運転開始以降の設備運転・保守パフォーマンス向上アドバイザーといったサービスを、あらゆるフェーズで顧客の要望に応じて提供する内容です。

販売対象、提供エリアは、国内外における火力発電事業の計画・設計・建設・運用に関係する、全ての事業者が対象となります。なお、関西電力は、これまでに培った技術力やノウハウを活用し、事業領域の拡大を図ることで、収益拡大に取り組むとしています。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

広範な分野において影響を与えるエネルギーデジタル化の将来予測、IEA発表(2)の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年12月06日

新電力ネット運営事務局

広範な分野において影響を与えるエネルギーデジタル化の将来予測、IEA発表(2)

11月6日、国際エネルギー機関(IEA)は、デジタル化とエネルギーの相互作用に関する包括的なレポートを発表しました。このレポートは、IEAが、デジタル化がどのようにエネルギーシステムを変革していくかを分析したものです。

2040年には10億以上の家庭が相互接続された電力システムに参加するとの予測、IEA発表(1)の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年11月28日

新電力ネット運営事務局

2040年には10億以上の家庭が相互接続された電力システムに参加するとの予測、IEA発表(1)

11月6日、国際エネルギー機関(IEA)は、デジタル化とエネルギーの相互作用に関する包括的なレポートを発表しました。このレポートは、IEAが、デジタル化がどのようにエネルギーシステムを変革していくかを分析したものです。

エリーパワーとNTTドコモが協業検討、蓄電とIoT技術の融合、ブロックチェーン活用も検討の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年11月16日

新電力ネット運営事務局

エリーパワーとNTTドコモが協業検討、蓄電とIoT技術の融合、ブロックチェーン活用も検討

11月9日、エリーパワーとNTTドコモは、エリーパワーの蓄電システムとNTTドコモのIoT技術を融合させ、各種サービス提供をめざした協業の検討を開始すると発表しました。住環境制御やエネルギー管理などへの展開が期待されるもので、サービスの提供開始目標は2018年4月に設定されています。

東芝、深層学習とAIを利用した電力需要予測システムを開発、多地点の気象予測値を活用の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年11月09日

新電力ネット運営事務局

東芝、深層学習とAIを利用した電力需要予測システムを開発、多地点の気象予測値を活用

11月8日、東芝はAIを活用した高精度な電力需要予測システムを開発したと発表しました。深層学習を用いた需要予測を実施し、これらの予測結果値を、AIを利用して最適に組み合わせることで、高精度な需要予測を実現しています。

ハウステンボス、仮想通貨「テンボスコイン」の実証実験を開始、電力小売が参画できる技術検証も予定の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年11月07日

新電力ネット運営事務局

ハウステンボス、仮想通貨「テンボスコイン」の実証実験を開始、電力小売が参画できる技術検証も予定

ハウステンボスは、独自の電子通貨「テンボスコイン」を使った決済システムの実証実験を開始すると発表しました。電力小売り事業を展開する「HTBエナジー」をはじめ、グループ会社のほか、周辺地域の事業者が「テンボスコイン」に参画できるよう、ブロックチェーンプラットフォーム技術の検証も予定されています。