再エネの電気から食料をつくる、農業に適さない砂漠などでも生産可能
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7月にフィンランドのラッペーンランタ大学が、食品を電気から生産する研究成果について発表しました。太陽光パネルなどがあれば、砂漠など農業に適さない地域でも生産可能としており、世界の食糧問題を軽減させる可能性を示す内容となります。
食品を電気から生産、原材料は空気から入手可能
国際的な食糧問題に関して、国際連合食糧農業機関(FAO)によると、栄養不足蔓延率(PoU)は1990~1992年の18.6%から2014~2016年の10.9%に低下しています。このように、世界人口に占める栄養不足人口は減少しており、改善傾向にあるものの、一方でいまだに多くの人々が食料に窮している状況にあります。世界中でおよそ7億9500万人(2014~2016年データ)の人々が栄養不足に苦しんでおり、これは9人に1人の割合となります(図1)。

図1 世界の栄養不足の状況 出典:Food and Agriculture Organization of the United Nations
こうした中、フィンランドのLappeenranta University of Technology(LUT)が、食品を電気から生産する研究成果について発表しました(図2)。太陽光パネルなどがあれば、砂漠など農業に適さない地域でも生産可能としており、世界の食糧問題を軽減させる可能性を示す内容となります。原材料は空気から入手可能であり、再生可能エネルギーにより食品を生産することが可能となります。

図2 電気からつくられた食品 出典:Lappeenranta University of Technology
LUTの教授であるJero Ahola氏は、従来の農業では必要であった適切な温度、湿度、土壌といった条件を必要とせず、さらに害虫駆除の必要もないとしています。また、閉じたプロセスで必要な量の栄養素が利用されるため、水システムや温室効果ガスなど、地球環境への影響を抑える可能性があります。動物の飼料代替物としての利用する食品も開発されており、幅広い活用が期待されます。
高い栄養価、半分以上がタンパク質により構成
VTT Technical Research Centre of Finlandの主任研究者であるPitkänen氏によると、電気で作られた食品はタンパク質が50%以上、炭水化物が25%以上と非常に栄養価が高く、残りは脂肪と核酸である、としています。
光合成の10倍のエネルギー効率
研究チームの推定によると、電気から食料を作り出すプロセスは、大豆および他の製品の栽培に用いられる一般的な光合成と比較してエネルギー効率が約10倍近くになる可能性があるとしています。プロセスとしては、コーヒーカップ程度のバイオリアクター(生物反応器)を使用し、電気を使って水と二酸化炭素、微生物を反応させます(図3)。この場合、現状のところ1グラムのタンパク質の生産には約2週間かかります。
今回の食品が競争力を持つためには、生産プロセスがより効率的になる必要があります。研究における次のステップは、パイロット生産を開始することであり、技術がより一般的になることで価格が下がる大量生産品へのコンセプトが開発されます。

図3 電気から食品を作るプロセス 出典:Lappeenranta University of Technology
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