リチウムイオン電池の5倍以上を蓄電できる亜鉛空気電池、鉄など低コストの金属で触媒生成に成功
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8月15日、シドニー大学は、亜鉛空気二次電池の普及を妨げる最大の障害の1つを解決する方法を発見したと発表しました。これまで、亜鉛空気電池の触媒は白金などの高価な貴金属が用いられてきましたが、今回の発見により、鉄など安価かつ大量に存在する金属で触媒の代用が可能となります。
亜鉛空気二次電池、充放電劣化を抑える低コストの触媒生成に成功
金属/空気電池は、一般的に正極活物質として空気中の酸素、負極活物質として金属を用いる電池のことです。この空気電池の最大の特徴は、セル外の空気中から酸素を内部に取り込んで使用するため、正極活物質をセル内に準備する必要がない点にあります。そのため、軽量化が可能となり、体積、重量の両面で有利な特徴を持ちます。
空気電池において、負極に用いることが可能な金属には、亜鉛・アルミニウム・マグネシウム・リチウムなど様々あります。この中で、亜鉛空気電池は歴史が古く、1907年にフランスのフェリーによって考案されました。日本では、1935年に古河電池が販売してから、松下電池工業が1985年、東芝電池が1987年から生産を始めました。
亜鉛空気電池は、亜鉛が世界的に豊富に存在していることから、リチウムイオン電池よりも安価に製造でき、理論的にはリチウムイオン電池の5倍以上の電池を蓄えることが可能です。つまり、軽量かつ安価、そして高エネルギー密度という特徴を持ち、一次電池として、補聴器や一部のフィルムカメラ、鉄道の信号機器などに用いられています。
一方で、空気亜鉛電池は充放電を繰り返すと亜鉛電極に樹枝状晶を析出してしまうため、充電が難しいです。また、充放電劣化を抑える触媒は白金などの貴金属のため高価であり、二次電池としての利用には適さない特徴があります。
こうした中、シドニー大学は、亜鉛空気二次電池の普及を妨げる最大の障害の1つを解決する方法を発見したと発表しました。これまで、亜鉛空気電池の触媒は白金などの高価な貴金属が用いられてきましたが、Yuan Chen教授の研究チームによる今回の発見により、鉄など安価かつ大量に存在する金属で触媒の代用が可能となります(図1)。
新しい触媒は、鉄、コバルトおよびニッケルといった素材の、①組成、②サイズ、および③結晶化度といったパラーメータを制御することにより、生成されます。研究チームによると、120時間の充放電を60回繰り返した後でも、バッテリー容量の低下は10%以下に抑えられるとしています。
Yuan Chen教授は「我々は、より持続可能な金属空気電池を実現するための基本的な技術課題を解決した」としています。
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