電力の見える化

電力の見える化とは

「電力の見える化のシステム」導入以前は、電力会社が1ヶ月に1回の電気メーターの検針を行うことで、1ヶ月間の使用量が確認できます。しかし、それでは前月と比べての使用量の差が分かるだけで、どの機器の消費電力が高いのかなどの詳しい情報は分かりません。

そこで、家庭や企業における電力使用量を、機器ごとや時間ごとに数値化・グラフ化することで、省エネの対策を明確にする取り組みのことを「電力の見える化」といいます。

電力見える化の導入の背景

1979年に制定された省エネ法は石油危機を契機として制定され、日本の省エネ政策の根幹となおり、省エネの技術が発展しました。しかし、2011年に起きた東日本大震災により、日本は電力需給の逼迫に直面しました。

計画停電が行われ、個人の生活から企業活動に渡って電力の使用量を制限されました。この経験から、電力は需要量に応じて供給されるため、下図のような電力需給バランスを意識したエネルギー管理の対策が必要になりました(図1)。

改正省エネ法の省エネ対策

図1 改正省エネ法の省エネ対策 出典:資源エネルギー庁

そして、2013年に省エネ法が改正され、「電気の需要の平準化」という、電力使用量が全国でピークの時間帯(夏季7~9月、冬期12~3月の8時から22時)に使用量を制限する対策が行われました。

その対策を明確にかつ持続的に行えるよう、時間帯によっての電力消費量の現状を把握し、計画的に対策を立て、目標に対する実績を明確にするために、電力の見える化の導入が進められています。

電力見える化を行うためには

電力の見える化を可能にするには、スマートメーターBEMSHEMS、などを使用することで消費電力や排出CO2を数値化、グラフ化することができます。

スマートメーターとは

電気やガスなどの計量器に、遠隔検針(インターバル検針)、遠隔開閉、計測データの収集発信機能を有する計測器のことです。電気メーターに代わってスマートメーターを導入そることによって、従来の電気メーターでは一ヶ月単位の電力使用量がわからなかったものが、ウェブサイトなどを通じた電力等の使用状況や料金などを30分単位で知ることができます。

電力会社等にとっては、毎月の検針の作業を削減することで、作業の効率化や人件費の削減が期待されています。電力会社により、高圧部門(工場など)は2016年度までに、低圧部門(家庭等)については、日本全体で2024年度末までに導入の完了を予定しています(2017年度)

BEMSとは

Building Energy Management System の略称で、一般的に家庭や企業を使用した各機器運転状態、電気・ガス消費量、水温等の多様な計測計量データを、長期的に収集・保存するとともに、エネルギー解析用の各種グラフを作成することができる装置のことを言います。グラフを作成することで視覚的に電力の消費量を把握することができます。

HEMSとは

Home Energy Management Systemの略称で、企業や家庭の機器をネットワーク化し、機器ごとの消費電力をパソコン、テレビ、携帯電話の画面などに表示することができ、また、遠隔地からの機器のオンオフ制御や、温度や時間などによって自動で消費電力を制御できるシステムのことを言います。

FEMSとは

Factory Energy Management Systemの略称で、従来行われてきた受配電設備のエネルギー管理に加えて、工場における生産設備のエネルギー使用状況・稼働状況を把握し、エネルギー使用の合理化及び工場設備・機器のトータルライフサイクル管理の最適化を図るためのシステムです。

CEMSとは

Community Energy Management Systemの略称で、地域のBEMS,HEMS,FEMSを含めた地域全体のエネルギー管理を行うシステムであり、点在する地域の発電設備からの電力供給量と、電力需要の管理を行います。

電力の見える化を省エネにつなげるには

電力の見える化を導入しただけでは、省エネにはつながりません。企業や国からの詳しい電力の削減方法が提示され、それによって電力の見える化システムの利用者が、省エネ行動を自発的・継続的に行われることが重要です。パソコンなどで日々の消費電力を詳しく知り、適切な機器の使用時間の制御を行うことで電力の見える化を省エネに結びつけることができます。