エネルギーデジタル化の最前線 第3回
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2022年01月25日
一般社団法人エネルギー情報センター

あらゆるところに埋め込まれたセンサーによって情報のデジタル化がこれまで以上に進む社会は、もう1つの現実世界を創りだそうとしている。
執筆者:一般社団法人エネルギー情報センター
理事 江田健二
富山県砺波市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア株式会社)に入社。エネルギー/化学産業本部に所属し、電力会社・大手化学メーカ等のプロジェクトに参画。その後、RAUL株式会社を起業。主に環境・エネルギー分野のビジネス推進や企業の社会貢献活動支援を実施。一般社団法人エネルギー情報センター理事、一般社団法人CSRコミュニケーション協会理事、環境省 地域再省蓄エネサービスイノベーション委員会委員等を歴任。
記事出典:書籍『IoT・AI・データを活用した先進事例8社のビジネスモデルを公開 エネルギーデジタル化の最前線2020』(2019年)
Googleを成功へと導いたビジネスモデル
今となっては信じられない話だが、Googleは創業当初の1998年から2000年ごろまで、収益源が少なく赤字続きだった。
検索エンジンの技術力は非常に高く評価されていたが、会社を運営する資金が尽きて、そのうち潰れてしまうと噂されていたほどだ。
事実、同じようなインターネット検索サービス事業者は収益化に苦戦し、市場から次々と退場していった。しかし、Googleは「検索エンジン広告」という新しいビジネスモデルを採用し、急成長を遂げる。
キーマンとなったのは、さきほど紹介した「情報経済の鉄則」の執私の一人であるハル・ヴァリアン氏だ。氏はGoogleの収益源となる広告モデルの導入に大きく貢献した。現在もGoogleの300人以上の経済学の専門家を牽引し、年1万件以上の実証実験を先導している。
Googleのこの20年間の大成功は必然だったといえる。なぜなら「情報の経済特性」をしっかりと理解し、ビジネスでの活用方法を熟知しているハル・ヴァリアン氏を仲間に加えていたからだ。
Googleの成功と他の検索エンジン会社の衰退から学べることは、「情報」を使ってビジネスを進めていくには、「情報を扱う技術力を磨くこと(検索エンジンの精度を向上させること)」だけでは片手落ちであり、「特性を理解したビジネスモデルを設計すること(検索エンジン広告ビジネスを展開すること)」が大切ということだ。
GAFAの次なる野望、各国の動き
最近、新聞やビジネス誌で見かける「GAFA(ガーファ)」という用語。「Google」「Apple」「Facebook」「Amazon」の4社がビジネスをどんどん拡大していることへの称賛と、予想を超えた力がこの4社に集約されることへの困惑から生まれた造語だ。
インターネット上の情報収集に飽き足らず、GAFAは、「現実世界」からの情報収集に着手し始めている。その先導にたっているもののひとつが、AIスピーカーだ。AIスピーカーはすでに世界中で5000万台が稼働している。
我が家にもGoogle製とAmazon製の2種類のAIスピーカーがあるが、非常に便利だ。一度使いだすと手放せない。なぜなら、話しかけるだけで、お気に入りの音楽を流してくれたり、アラームで時間を教えてくれたり、照明をつけてくれたりと生活が快適になるからだ。私がAIスピーカーに話しかけるたびに私の好みや行動情報が収集されている。
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執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
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