日本の自治体として初の「東京グリーンボンド」、充当予定事業が決定、再エネやZEBなど

2017年10月18日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

日本の自治体として初の「東京グリーンボンド」、充当予定事業が決定、再エネやZEBなどの写真

10月11日、東京都は平成29年度に発行する「東京グリーンボンド」について、資金使途の対象となる予定の事業が決まったと発表しました。日本の自治体として初となるグリーンボンドであり、発行規模は200億円程度、発行時期は10月~12月が予定されています。

日本の自治体として初の「東京グリーンボンド」

2015年9月、これまでのミレニアム開発目標(MDGs)で扱われていた貧困撲滅等に加え、経済、社会、環境などを含む2030年に向けた「持続可能な開発目標(SDGs)」が国連サミットで採択されました。

また、2015年12月に開催されたCOP21では、2020年以降の気候変動対策の新たな枠組みである「パリ協定」採択され、2016年11月に発効しました。こうした中、東京都は環境面において、2016年3月に東京都環境基本計画を策定し、2030年までに温室効果ガス排出量を2000年比で30%削減する目標などを掲げました。

国外においても、グリーンボンドの発行が増加しており、グリーン投資への需要が高まってきています。グリーンボンドとは、企業や地方自治体等が、再生可能エネルギー事業など、地球温暖化をはじめとした環境問題の解決に資する事業に要する資金を調達するために発行する債券です。

このグリーンボンドを、東京都は平成29年度から発行します。日本の自治体として初となるグリーンボンドであり、「東京グリーンボンド」と名付けられています。発行規模は200億円程度、発行時期は10月~12月が予定されています。

発行通貨は、機関投資家向け都債は円建、個人向け都債は市況等に応じて判断されます。円貨を選択することで、国内の資金が、国内の環境対策に向かって活用される流れが推進されます。個人向け都債については、購入対象者が都民等に限定されているので、円貨・外貨の何れであっても、国内の資金が国内の環境事業に活用されることから、市況等に応じて判断されます。

グリーンボンド原則に対応

「東京グリーンボンド」は、グリーンボンド原則に定められている4項目全てに対応しています。グリーンボンド原則とは、国際的な金融機関による業界の自主的なガイドラインで、国際資本市場協会(ICMA)が公表したものです。

グリーンボンド原則に定められている4項目
  1. 資金使途
  2. プロジェクトの評価及び選定プロセス
  3. 調達資金の管理
  4. 投資家への報告

また、グリーンボンド原則では、上記4項目についての適切な対応が求められているほか、第三者機関による認証等の取得が推奨されています。そのため、「東京グリーンボンド」でも、グリーンボンドとしての適格性と透明性の確保及び投資家への訴求力を向上させるため、第三者機関による認証等が取得されます。

東京グリーンボンド、再エネやZEBなどが対象

東京都は10月11日、平成29年度に発行する「東京グリーンボンド」について、資金使途の対象となる予定の事業が決まったと発表しました。

対象予定事業は、①オリンピック競技施設の環境対策、②ヒートアイランド現象に伴う暑熱対応、③都有施設の改築・改修、④都有施設・道路の照明のLED化、⑤都有施設のZEB化推進、⑥上下水道施設の省エネ化、⑦環境にやさしい都営バスの導入、⑧公園の整備、⑨合流式下水道の改善、⑩水再生センターでの高度処理、⑪中小河川の整備⑫高潮防御施設の整備、⑬東京港・島しょ海岸保全施設整備事業です。

①オリンピック競技施設の環境対策では、想定される環境効果として、再生可能エネルギー使用量が年間合計で29,200kWhとなることが示されています。その他に、地中熱利用システム(550kW、600kW)、太陽熱利用システム(100kW×2)、コジェネレーションシステム電力(210kW、350kW)・排熱(310kw、500kW)、LED 照明(600kW、500kW)が導入されます。

③都有施設の改築・改修では、再生可能エネルギー使用量が年間合計で193,853kWh、④都有施設・道路の照明のLED化ではエネルギー削減量が6,206,063kWh、⑤都有施設のZEB化推進ではエネルギー削減量 が718,000kWh、⑥上下水道施設の省エネ化では発電量(売電含む)が217,000kWh、エネルギー削減量が10,550,000kWhと想定されています(表1)。

No 事業名 環境事業区分 想定される環境効果 充当予定額(百万円)
1 競技施設の環境対策 1.スマートエネルギ ー都市づくり ■ 再生可能エネルギー使用量 (年計)229,200kWh
※ その他に、以下を導入 地中熱利用システム(550kW、 600kW)、太陽熱利用システム (100kW×2)、コジェネレーショ ンシステム電力(210kW、 350kW)・排熱(310kw、500kW)、 LED 照明(600kW、500kW)
1,000
2.持続可能な資源利 用・廃棄物管理 ■ 環境資源利用量(木材) 780 ㎥以上
3.自然環境の保全 ■ 緑化面積 5,000 ㎡以上
4.生活環境の向上 ■ 遮熱性舗装の整備面積 30,000 ㎡以上
2 ヒートアイランド現象に伴う暑 熱対応(遮熱性・保水性の向上) 4.生活環境の向上 ■ 遮熱性・保水性舗装の整備延長 16.27km 1,000
3 都有施設の改築・改修 1.スマートエネルギ ー都市づくり ■ 再生可能エネルギー使用量 (年計)193,853kWh 3,600
3.自然環境の保全 ■ 緑化面積の拡大 1,153 ㎡
4 都有施設・道路の照明のLED化 1.スマートエネルギ ー都市づくり ■ エネルギー削減量 (年計)6,206,063kWh 1,900
5 都有施設のZEB化推進 1.スマートエネルギ ー都市づくり ■ エネルギー削減量 (年計)718,000kWh (このうち再生可能エネルギー使 用量は 283,000kWh) 800
6 上下水道施設の省エネ化 1.スマートエネルギ ー都市づくり ■ 発電量(売電含む) (年計)217,000kWh
■ エネルギー削減量 (年計)10,550,000kWh
■ 温室効果ガス削減量(能力値) 1.9 万 t-CO2/年(H32 年度末まで)
2,100
7 環境にやさしい都営バスの導入 4.生活環境の向上 ■ 排出ガス規制物質削減率 NOx(窒素酸化物)91%、PM(粒 子状物質)96% 1,400
8 公園の整備 3.自然環境の保全 ■ 整備面積 40,000 ㎡ 500
9 合流式下水道の改善 4.生活環境の向上 ■ 貯留施設等の貯留量 150 万㎥(H32 年度末まで) 900
10 水再生センターでの高度処理 4.生活環境の向上 ■ 施設能力 315 万㎥/日(H32 年度末まで) 100
11 中小河川の整備 5.気候変動への適応 ■ 河川の整備率 67.2%
■ 調節池の貯留量 1,036,300 ㎥(H37 年度末まで)
2,900
12 高潮防御施設の整備 5.気候変動への適応 ■ 防潮堤 0.15 km
■ 護岸 0.06 km
600
13 東京港・島しょ海岸保全施設整備 事業 5.気候変動への適応 ■ 東京港の防潮堤 59.2 km
■ 東京港の水門 19 施設 (いずれも H31 年度末まで)
■ 東京港の内部護岸 45.8 km
■ 東京港の排水機場 4 施設 (いずれも H33 年度末まで)
■ 神津島港海岸の離岸堤(潜堤) 0.3 km(H31 年度末まで)
■ 大久保港海岸の消波堤 0.5 km
3,200

表1 東京グリーンボンドの充当予定事業 出典:東京都資料より作成

トライアル版は平成28年に発行

今回の東京グリーンボンドはトライアル版があり、平成28年度に「東京環境サポーター債」として発行されています。このトライアルでは「第三者機関による認証等は取得しない」、「個人向け都債で発行」などの点が、今回の東京グリーンボンドと異なります(図1)。

「東京環境サポーター債」の販売は順調に進み、売出し初日で完売に至りました。また、購入者に対して行われたアンケートの結果では、7割以上が発行意義に共感する結果となりました。

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