地元の「風資源」を活用して地域経済の活性化、秋田銀行がシンジケートローンを組成

2017年10月11日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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9月29日、秋田銀行は地元企業が主体となって出資する「A-WIND ENERGY社」が秋田県潟上市で実施する風力発電事業に対して、プロジェクトファイナンスによるシンジケートローンを組成したと発表しました。

秋田県の再エネ供給量、風力は全国3位、地熱は2位

秋田県では、低炭素社会構築への貢献を通じた産業振興及び雇用創出を目指すことを目的に、2011年に「秋田県新エネルギー産業戦略」を策定しています。これまで、再生可能エネルギーの導入拡大及び関連産業の振興等に向けた取組が実施されてきました。

その後、2015年に策定された「あきた未来総合戦略」において、新エネルギー関連産業を、地域産業の競争力を強化するための5つの成長分野の1つに位置付けています。このような状況もあり、2016年には第2期秋田県新エネルギー産業戦略が策定されました。これにより、再生可能エネルギーの導入促進と関連産業の振興及び雇用創出につなげるための取組が強化されることとなりました。

風力発電と地熱発電が多いことが、秋田県の再エネ導入の特徴として挙げられます。「永続地帯2016年度版報告書」によると、2015年度における秋田県の風力発電供給量は全国3位、地熱発電に関しては全国2位の規模となっています。

また、太陽光発電に関しては、2011年の「秋田県新エネルギー導入ビジョン」にて掲げられた2020年度導入目標を、既に達成しています。近年ではFITの後押しもあり、特に風力と太陽光発電の導入が伸びており、風力は2009年度の124494kWから2015年度には281133kWと2倍以上に、太陽光発電は同期間において、5663kWから116422kWと20倍以上になっています(図1)。

秋田県内における再生可能エネルギー(電力利用)の導入実績

図1 秋田県内における再生可能エネルギー(電力利用)の導入実績 出典:秋田県

このように再エネ導入を進める秋田県において、秋田銀行は地元企業が主体となって出資する「A-WIND ENERGY社」が実施する風力発電事業に対して、プロジェクトファイナンスによるシンジケートローンを組成したと発表しました。

人口減少率が2013年から4年連続で全国トップの秋田県、再エネで地域活性化

秋田県は、日本創生会議が2014年にまとめた報告の中で、大潟村を除く全ての自治体が「消滅可能性都市」であると指摘されています。また、2017年4月に秋田県が発表した内容によると、4月1日時点の県内人口が99万9636人となり、100万人を割り込んだとしています。人口減少率は2013年から4年連続で全国トップであり、2040年には約70万人にまで減少すると推計されています(図2)。

こうした状況に対して、秋田県では、2017年4月、人口減少対策に特化した「あきた未来創造部」を発足させています。また、2015年度から2019年度の5年間で約12000人の雇用を創出する目標を立ており、その中の重点プロジェクトとして「新エネルギー産業の大規模展開」を掲げています。

新エネルギー関連産業の基礎となる再生可能エネルギー発電事業は、豊富な自然エネルギーを活用した、秋田県の強みを活かした産業です。地域活性化に繋がると期待され、例えば建設工事は、県内経済を活性化する大きな設備投資であるとともに、運転開始後は、長期間にわたり安定した地場産業となり得ます。

秋田県人口推移

図2 秋田県人口推移 出典:秋田県

ファイナンスで地域活性化、再エネ普及などの取組みを支援

今回、秋田銀行が風力発電事業に対して組成したプロジェクトファイナンスは、秋田銀行がアレンジャー兼エージェント、三井住友信託銀行が共同アレンジャーを務めています。参加者は、秋田銀行、三井住友信託銀行、青森銀行、岩手銀行、七十七銀行、東邦銀行、山形銀行、秋田信用金庫、羽後信用金庫および秋田県信用組合となります。事業主体は、地元企業が主体となって出資する「A-WIND ENERGY社」となります(図3)。

今回の事業は、秋田県が再生可能エネルギーの導入拡大および県内産業の振興をはかるため、風力発電事業者を選定する公募を実施し、採択を受けたものです。秋田県潟上市の県有保安林に、2350kWの風車が17基設置されます。

発電所は「A-WINDかたがみ風力発電所」と命名され、総事業費は約156億円となり、発電開始は2019年12月の予定です。

今回の発表において、秋田銀行は、今後も秋田県の再生可能エネルギー普及や活用に向けた取組みを積極的に支援し、地域経済の活性化に貢献するとしています。

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