「高温対応機器エリア」でサーバの冷却電力を極小化、NECが名古屋に都市型データセンターを開設

2017年09月07日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

「高温対応機器エリア」でサーバの冷却電力を極小化、NECが名古屋に都市型データセンターを開設の写真

9月5日、NECは愛知県名古屋市内に「NEC名古屋データセンター」を新設し、2019年4月よりサービス提供を開始すると発表しました。データセンターに「高温対応機器エリア」が設置されることで、高いエネルギー効率が実現します。

「高温対応機器エリア」設置でデータセンターを省エネ化

インターネットやスマートフォンの普及、そしてサーバの低価格化により、ICTと呼ばれる情報通信技術の市場が拡大しています。社会全体で取り扱うデータ量が飛躍的に増加することで、データセンター需要が高まり、成長分野として期待されています。

一方、データセンターは日本全体の消費電力量の1%を超える規模に達しており、データセンターの増加による電力需給への負荷が危惧されています。加えて、電力価格の高騰などが運用コストを引き上げることで、日本のデータセンターの国際競争力の低下が懸念されています。

こうした中、NECは環境への配慮とコスト低減を実現する「NEC名古屋データセンター」を新設し、2019年4月よりサービス提供を開始すると発表しました(図1)。「高温対応機器エリア」が設置されることで、データセンター全体では高いエネルギー効率が実現します。

NEC名古屋データセンター外観

図1 NEC名古屋データセンター外観 出典:NEC

高いエネルギー効率(pPUE1.1台)を実現

データセンタのエネルギー消費効率を表わす指標として、PowerUsage Effectiveness (PUE) が広く認知されています。PUEは、「データセンター全体消費電力÷データセンター内IT機器消費電力」で求められ、1に近いほど効率が良くなります。

冷房などに電力を全く割かず、消費電力が全てIT機器に使われる場合、PUEは1となります。なお、2015年7月に経済産業省が公開した「中小企業等省エネルギー型クラウド利用実証支援事業」のレポートによると、その事業で登録されたPUEの平均値は実測値が1.91であったとしています。

今回のデータセンターでは、40℃の高温環境下でも安定稼働するNEC製サーバ機器を採用するとともに、サーバ冷却電力を極小化した「高温対応機器エリア」が設置されています。「高温対応機器エリア」においては、データセンターの部分的な電力効率を示すpPUEが1.1台となり、高いエネルギー効率を実現しました。

データセンター全体としては、外気エネルギーを積極的に活用した省エネ効果の高い空調方式を採用することで、PUE1.3台を実現しています。NECによると、データセンターにおける運用コストの約50%は電力が占めているとしており、省電力化がコスト削減にも大きく寄与することが期待されます。

可用性99.999%の無停電電源と72時間無給油連続運転が可能な自家用発電機

電源設備としては、可用性99.999%の高信頼な無停電電源(UPS)と、72時間無給油連続運転が可能な自家用発電機が冗長構成で配置されます。なお、自家用発電機の性能は名古屋市地域強靭化計画の目標値を満たすものとなります。

建物には積層ゴムを用いた免震構造が採用されています。地震、停電、ネットワーク障害などへの優れた耐災害性と安定稼働を実現し、事業継続性の向上に貢献します。

セキュリティ対策では、ICカード認証や、顔認証技術が採用され、サーバラックを開錠するまでに多段階のセキュリティチェックが実施されます。また、建物周囲に設置された監視カメラ映像は、NECの行動検知技術を用いて24時間365日リアルタイムで解析されます。

名古屋駅から15分以内でアクセス可能

今回のデータセンターは、名古屋駅から15分以内でアクセス可能な都市型データセンターとなります。NECのシステム開発や保守の拠点からも20分圏内のため、緊急時の作業にも迅速に対応することができます。また、NECのクラウドやハウジング、他データセンターのハウジングと連携することで、ハイブリッド環境や災害復旧環境を容易に構築できます(図2)。

NEC名古屋データセンターを活用したハイブリッド環境

図2 NEC名古屋データセンターを活用したハイブリッド環境 出典:NEC

これらの特長により、新たなシステム構築や災害復旧環境の構築、さらに既存システムの最適化など、デジタルテクノロジによりビジネスモデルを変え、新たな収益や価値を生み出すことが可能となります。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

東芝、深層学習とAIを利用した電力需要予測システムを開発、多地点の気象予測値を活用の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年11月09日

新電力ネット運営事務局

東芝、深層学習とAIを利用した電力需要予測システムを開発、多地点の気象予測値を活用

11月8日、東芝はAIを活用した高精度な電力需要予測システムを開発したと発表しました。深層学習を用いた需要予測を実施し、これらの予測結果値を、AIを利用して最適に組み合わせることで、高精度な需要予測を実現しています。

ハウステンボス、仮想通貨「テンボスコイン」の実証実験を開始、電力小売が参画できる技術検証も予定の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年11月07日

新電力ネット運営事務局

ハウステンボス、仮想通貨「テンボスコイン」の実証実験を開始、電力小売が参画できる技術検証も予定

ハウステンボスは、独自の電子通貨「テンボスコイン」を使った決済システムの実証実験を開始すると発表しました。電力小売り事業を展開する「HTBエナジー」をはじめ、グループ会社のほか、周辺地域の事業者が「テンボスコイン」に参画できるよう、ブロックチェーンプラットフォーム技術の検証も予定されています。

Looop、仮想通貨を採掘する事業者向けのプランを発表、請求回収の効率化を目指すの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年10月02日

新電力ネット運営事務局

Looop、仮想通貨を採掘する事業者向けのプランを発表、請求回収の効率化を目指す

9月27日、Looopは「Looopでんき」の新たなメニューとして、販売メニューに新たに2つのプランを追加すると発表しました。業務用エアコンやエレベーター等で利用されている低圧動力向けの「動力プラン」と、仮想通貨マイニング事業者向けの「マイニングフラット」がリリースされます。

関西電力、AIやIoTによる「早期異常検知システム」を開発、火力発電所の運用・保守を向上の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月20日

新電力ネット運営事務局

関西電力、AIやIoTによる「早期異常検知システム」を開発、火力発電所の運用・保守を向上

9月19日、関西電力は豪州ブルーウォーターズ発電所の運用・保守の向上を目的に、「遠隔監視サービス」を開始したと発表しました。AI技術やIoTによるビックデータ分析から、設備不具合の予兆を検知できる「早期異常検知システム」を開発、遠隔監視センターは関西電力本店内に開設しています。

「高温対応機器エリア」でサーバの冷却電力を極小化、NECが名古屋に都市型データセンターを開設の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年09月07日

新電力ネット運営事務局

「高温対応機器エリア」でサーバの冷却電力を極小化、NECが名古屋に都市型データセンターを開設

9月5日、NECは愛知県名古屋市内に「NEC名古屋データセンター」を新設し、2019年4月よりサービス提供を開始すると発表しました。データセンターに「高温対応機器エリア」が設置されることで、高いエネルギー効率が実現します。