日産自動車、車載用蓄電池事業を中国の民営投資会社「GSRキャピタル」に譲渡

2017年08月10日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

日産自動車、車載用蓄電池事業を中国の民営投資会社「GSRキャピタル」に譲渡の写真

8月8日、日産自動車は保有するバッテリー事業およびバッテリー生産工場を、民営投資会社GSRキャピタルに譲渡する株式譲渡契約を締結したと発表しました。新会社の本社および開発拠点については、引き続き日本となる予定です。

日産自動車、GSRキャピタルにバッテリー事業を譲渡

日産自動車は8日、日産自動車が保有するバッテリー事業およびバッテリー生産工場を、中国の民営投資会社GSRキャピタルに譲渡する株式譲渡契約を締結したと発表しました。

今回の契約対象となるバッテリー事業には、日産自動車の連結子会社であるオートモーティブエナジーサプライ株式会社(以下AESC)、スマーナ(米国)のバッテリー生産事業、サンダーランド(英国)のバッテリー生産事業、及び追浜、厚木、座間の開発・生産技術部門の一部が含まれます。

日産自動車は、第一段階としてAESCの株式のうち、NECおよびNECエナジーデバイス株式会社が保有する49%を取得することで、AESCの全株式を取得します。

対象株式の内訳は、AESC株式が45,962株、NEC保有分が39,396株(保有割合:42%)、NECエナジーデバイス保有分が6,566株(保有割合:7%)となります。

この取引は、今後、労働組合との協議や規制当局の承認を経て、2017年12月末までに完了する見込みです。ただし、GSRキャピタルによるNECエナジーデバイス株式の全株式の取得等を条件としています。

日産自動車の社長の西川廣人氏は、「本日の発表は、日産とAESC双方にとってウィンウィンとなるものです。AESCは、GSRの幅広いネットワークや積極的な投資を活用し、新たな顧客の獲得により、その競争力の向上が可能となります。また、これは日産にとってはEVの競争力の更なる強化にもつながります。AESCは引き続き当社の重要なパートナーでありつづけ、日産は市場をリードするEVの開発及び生産に専念することができます。」と述べました。

AESCを共同出資で設立したNECの動き

今回の契約対象となるAESCは、資本準備金2億4500万円で日産自動車、NEC、NECトーキンの合弁により、神奈川県相模原市に設立されました。AESCは自動車用高性能リチウムイオン電池の開発などを事業内容としてしており(図1)、2010年9月からはHEV用バッテリーの本格的な量産を開始、同年11月からはEV用バッテリーの本格的な量産を開始しています。

図1 AESCのプロダクトについて 出典:AESC

例えば、日産自動車のEV「リーフ」や、HEVのフーガ・ハイブリッドに使う高性能リチウムイオン電池の開発はAESCが手がけています。また、2011年には「車両搭載用リチウムイオン電池の開発に対する貢献」により、国際電池材料協会より「IBA TechnologyAward」を受賞しました。

AESCのリチウムイオン電池は、NECエナジーデバイスが製造する電極を採用しています。NECエナジーデバイスは、リチウムイオン電池とその電極の開発、製造、販売、保守を行うことを目的とし、NECにより2010年4月に設立されています。

このように、AESCとの関連があり、設立の際には共同出資をしているNECは、日産自動車の発表と同日の8日、NECの保有するAESC株を日産自動車に譲渡する旨を発表しました。それとともに、NECエナジーデバイスをGSRキャピタルに譲渡する交渉を行っているとしています。

上述のように、日産自動車は保有するバッテリー事業およびバッテリー生産工場を、GSRキャピタルに譲渡する株式譲渡契約を締結しています。NECおよびNECエナジーデバイスは日産自動車にAESC株式を譲渡し、日産自動車はそれを自社が保有するAESC株式とともにGSRキャピタルに譲渡する予定です。

NECは、今回の株式譲渡を実施した場合、2018年3月期の連結決算において約100億円を営業外の利益として計上する見込み、としています。

新会社の本社および開発拠点は引き続き日本となる予定

GSRキャピタルへ経営権移転後も、座間、サンダーランド、スマーナのバッテリー生産工場を含む、各施設に勤務する現在の全従業員は引き続き雇用されます。新会社の本社および開発拠点については、引き続き日本となる予定です。

GSRキャピタルの会長のソニーウー氏は、「AESCの取得は、新エネルギー自動車産業に関わる当社にとって重要な一歩となります。私たちは、R&Dへのさらなる投資を行い、米国、英国および日本で既存生産能力を拡大していきます。また、中国および欧州に新たな工場を建設し、世界中にお客さまへより良い製品を提供していきます。AESCが持つ優れた労働力、高い技術力、実績ある高い製品品質に加えて、これらの計画を実施することで、私たちは成長に向けた体制を整えていきます。」と語りました。

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

デマンドレスポンスで世界最大手のEnerNOC、Enel Groupによる2.5億ドルの買収に合意の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年07月04日

新電力ネット運営事務局

デマンドレスポンスで世界最大手のEnerNOC、Enel Groupによる2.5億ドルの買収に合意

6月22日、デマンドレスポンスで世界最大手のEnerNOCは、イタリアの大手電力・エネルギー会社であるEnel Groupによる2.5億ドルの買収に合意したと発表しました。この買収により、Enel Groupは8000人以上の顧客、合計6GWの需要応答能力を取り入れる見込みです。

日本初、東急不動産が分譲マンション単独でCO2排出削減効果をJ-クレジット化の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年06月20日

新電力ネット運営事務局

日本初、東急不動産が分譲マンション単独でCO2排出削減効果をJ-クレジット化

6月19日、東急不動産および東急不動産R&Dセンターは、東急不動産が分譲した集合住宅「ブランズシティ品川勝島」の専有部におけるCO2排出削減効果について、J-クレジット認証を受けたと発表しました。分譲マンション単独としては、国内で初めての事例となります。

二国間クレジット(JCM)に18件目の登録、モンゴルにおける太陽光発電事業の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年06月14日

新電力ネット運営事務局

二国間クレジット(JCM)に18件目の登録、モンゴルにおける太陽光発電事業

5月29日、環境省は日本とモンゴルの間で実施される二国間クレジット制度(JCM)の下で、5月26日付で2件のプロジェクトが登録されたと発表しました。JCM全体としては17、18件目の登録プロジェクトとなります。

日本初の「日照不足」に対応した太陽光発電の保険、HDIが販売開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年06月06日

新電力ネット運営事務局

日本初の「日照不足」に対応した太陽光発電の保険、HDIが販売開始

5月30日、ヨーロッパ大手の法人向け保険会社HDI Global保険会社は、「太陽光発電収益補償保険」の販売を開始すると発表しました。HDIによると、日本では初となる、日照不足等を要因とした売電収益の減少を補償する保険となります。

GEの再エネ投資額が累計で150億ドル突破、風力発電が約7割の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2017年05月31日

新電力ネット運営事務局

GEの再エネ投資額が累計で150億ドル突破、風力発電が約7割

5月23日、GEのエネルギー部門を担うGE Energy Financial Servicesが、再生可能エネルギー分野への投資総額が150億ドルを上回ったと発表しました。内訳としては、風力発電が75%、太陽光が18%、その他の再エネ発電が7%となっています。