トヨタ、北米の新本社屋では使用電力の全てを再生可能エネルギーで賄う予定

2017年07月14日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

トヨタ、北米の新本社屋では使用電力の全てを再生可能エネルギーで賄う予定の写真

7月6日、トヨタ自動車の北米事業体であるToyota Motor North Americaは、新本社屋のオープニング式典を実施し、使用電力の全てを再生可能エネルギーで賄う予定であると発表しました。2万枚以上のソーラーパネルを設置することで使用電力の30%以上を賄うほか、足りない電力については州内の風力発電による電力を調達します。

太陽光と風力発電で全ての電力をまかなう新本社屋、「LEEDプラチナ認証」取得を目指す

トヨタ自動車は、環境問題を経営における最重要課題の一つと捉えており、1998年より環境報告書を発行しています。2015年10月には「トヨタ環境チャレンジ2050」を策定・公表しており、それが高く評価され、日経BP環境経営フォーラムの環境ブランド調査2016で1位を獲得しています。その他にも、低炭素杯2016のベスト長期目標賞・企業部門で大賞となるほか、CDPウォーターで最高ランクA評価を獲得するなど、環境への取り組みで高い実績を残しています。

こうした中、トヨタ自動車の北米事業体であるToyota Motor North Americaは、新本社屋のオープニング式典を実施し、使用電力の全てを再生可能エネルギーで賄う予定であると発表しました。2万枚以上のソーラーパネルを設置することで使用電力の30%以上を賄うほか、足りない電力については州内の風力発電による電力を調達します。

再生可能エネルギーの他にも、テキサス北部の自然環境に近い敷地造成を通じた生物多様性確保、干ばつに強い地元原産の樹木、最大40万ガロンの雨水を貯蔵できる灌漑設備などを保有します。それらを通じて、トヨタは新社屋で米国グリーンビルディング協会の「LEEDプラチナ認証」取得を目指しています。

トヨタの米国での活動は長きにわたり、1957年10月31日に米国カリフォルニア州法人の米国トヨタ販売会社が資本金100万ドルで設立されたことが始まりです。今年はちょうど米国事業60周年を迎えることになり、これまで米国社会・経済・文化に深く根ざした事業活動を展開してきました。

これまでの米国における直接投資額は約234億ドルに上り、米国内には10ヶ所の工場、1500ヶ所近くの販売店があります。その結果、約13万6000名もの雇用を創出しています。また、今年1月には、今回の新本社屋建設や既存工場の競争力強化に向け、5年間で米国に約100億ドルを投資予定と公表しています。

今回オープニング式典を実施したToyota Motor North Americaは、2014年4月に「北米ワントヨタ」活動を公表しています。「北米ワントヨタ」活動は、北米の製造、販売、金融などの本社機能の拠点一元化などを通じて各機能間の一層の連携を推し進めるものです。「北米ワントヨタ」活動を公表以降、約10億ドルを投じ、今回の新本社屋を建設してきました。

新本社屋では「北米ワントヨタ」実現に向け、従業員が日々連携を深め、高め合いたいと思うような場を提供すべく、カフェテリアやジム、会議室を備えています。また、中央の広大な中庭スペースを囲むように7棟のビルが配置されています(図1)。

北米トヨタ新本社屋

図1 北米トヨタ新本社屋 出典:トヨタ自動車

この新社屋の建設により、カリフォルニア州やケンタッキー州などから、数千名の従業員やその家族が、テキサス州北部への転居を進めています。建設がほぼ完了した今年の晩春に従業員の異動が開始、以降も週に約200名のペースで、年内にかけて段階的に異動を進めていく予定です。

テキサス州のGreg Abbott知事は「優れた労働力こそテキサス州が誇る最大の資産であり、トヨタのようなグローバル企業を日々惹きつけている。この素晴らしい新本社屋や、4000名もの社員が新たにテキサス州で働くという事実が、同州の経済が目覚しい勢いで成長を続けていることを示している。トヨタのテキサス州への移転を誇りに思うと同時に、地域社会で重要な役割を担おうとしてくれていることに感謝したい」と述べています。

再生可能エネルギーへの取り組み、世界初のソーラー充電システムを備えた自動車

トヨタはこれまでも再生可能エネルギー拡大への取り組みを実施しており、例えば2016年には世界初となるソーラー充電システムを備えたプリウスを発表しています(関連記事)。このプリウスは、車両のルーフに搭載した大型ソーラーパネルにより発電し、その電力を駆動用バッテリーおよび12Vバッテリー系統へ供給できます。

「プリウス」という車両については、2代目より豊田市にある堤工場で製造されています。この工場は自然を利用し、自然と調和する工場づくりを目指した「サステイナブル・プラント」のモデル工場です。ここでは、2008年3月には定格出力2000kW(戸建住宅 500軒分相当)の太陽光発電システムを導入し、2015年度は1737MWhの電力を発電しました。

そのほかにも、使用済みバッテリーは2020年代には数万個の発生が見込まれていますが、そのバッテリーを太陽光発電用の定置式蓄電池へ再利用することにも取り組んでいます(図2)。こうした活動を通じて、「トヨタ環境チャレンジ2050」が推進されていくことが期待されます。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

東京都、再エネ電力の購入を促す国内初のモデル事業を開始、共同事業者を公募の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年07月01日

新電力ネット運営事務局

東京都、再エネ電力の購入を促す国内初のモデル事業を開始、共同事業者を公募

東京都は6月、再エネ電力の購入希望者を募り、再エネ電力の購入を促す国内初のモデル事業を開始すると発表しました。7月5日から、都と共同で本事業の運営を実施する事業者を公募開始します。

出力46,199kWの地熱発電が稼働開始、10,000kWを超える大規模地熱は国内23年ぶりの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年05月22日

新電力ネット運営事務局

出力46,199kWの地熱発電が稼働開始、10,000kWを超える大規模地熱は国内23年ぶり

山葵沢地域においては、湯沢地熱社(電源開発と三菱マテリアル及び三菱ガス化学が共同出資により2010年4月に設立)が、2015年5月から山葵沢地熱発電所の建設を進めてきました。その後、2019年5月20日、電源開発などは同発電所の営業運転を開始したと発表しました。出力10,000kWを超える大規模地熱発電所の稼働は、国内では23年ぶりとなります。

日本における太陽光発電O&Mサービスの各社実績、Solarplazaがヒアリング結果公開の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年04月26日

新電力ネット運営事務局

日本における太陽光発電O&Mサービスの各社実績、Solarplazaがヒアリング結果公開

太陽光発電資産は年を重ねるにつれて、何らかの問題が発生するリスクが高くなっていきますが、O&M等によりそのリスクを最小限に抑えられます。こうした中、Solarplazaは、O&Mサービスを展開する企業にヒアリングを実施し、「日本におけるPVオペレーション&メンテナンス(O&M)」市場に関する各社の実績を発表しました。

環境省が温泉熱利用のガイドライン作成、バイナリー発電では6年未満で投資回収できるケースもの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年03月26日

新電力ネット運営事務局

環境省が温泉熱利用のガイドライン作成、バイナリー発電では6年未満で投資回収できるケースも

環境省は3月、温泉熱の有効活用を促進するための技術や検討手法などをまとめたガイドライン等を取りまとめました。本記事では、ガイドラインを参考に、温泉熱利用におけるバイナリー発電の採算性等について見ていきます。

微細藻類から燃料を作る、世界初の事業確立を目指した挑戦、ユーグレナとデンソーが包括的提携の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年02月22日

新電力ネット運営事務局

微細藻類から燃料を作る、世界初の事業確立を目指した挑戦、ユーグレナとデンソーが包括的提携

ユーグレナと、自動車部品サプライヤー最大手のデンソーは、双方の微細藻類に関する知見を持ち寄り、さまざまな事業の実用化に向けた包括的な提携をすることで基本合意したと発表しました。