アグリゲーター(特定卸供給事業者)(Aggregator)
アグリゲーターとは
アグリゲーターとは、需要家の需要量を制御して電力の需要と供給のバランスを保つ、ディマンドレスポンス(DR)において、電力会社と需要者の間に立ってうまくバランスをコントロールする事業者のことです。
A marketer, broker, local government, or non-profit organization that collects electricity from distributed sources and other sources and supplies it to consumers. Using centralized electricity management systems, an aggregator provides energy management support services, trades electricity and brokers transmission services.
背景
元来、電力の需要と供給の関係は、需要量に応じて、発電機などの整備を行って供給量を確保してきました。しかし、経済発展やそれに伴うエネルギーの枯渇が問題になるにつれ、電力など、都市の生活を支える設備やエネルギーをすべてITの活用によって統合し、高効率化を図る、スマートシティという考えが広がり始めました。
そのスマートシティによって電力の管理方法も、元来の、総需要に対して膨大な供給量で対応する管理方法から、HEMSやBEMSなど各需要家による分散型エネルギー管理システムに変化しました。それに伴って、各需要家の電力供給状況によって需要を変化させて需要と供給のバランスをとるDRが普及し、アグリゲーターという事業の重要性が増してきました。
DRとアグリケーター
先に述べたように、DRとは需要家の需要量を制御して電力の需要と供給のバランスを保ちます。DRには、上げDR、上げ下げDR、下げDRの3種類があります。
上げDR
DRの際に電力の需要量を増やします。例えば、余った電力を蓄電池に吸収させたりします。このとき、契約において上げDRをすることをポジワット取引と言います。
上げ下げDR
DRの際に送電線の電力を微調整して需要量を細かく上げたり下げたりして、電気の質を安定に保ちます。
下げDR
DRの際に電力の需要量を減らします。例えば、電力が不足した際に節電を要請します。このとき、契約において下げDRをすることをネガワット取引と言います。
上記のいずれも、需要家たちが電力会社の指令を遂行しなければなりません。そのために電力会社と需要家たちの仲介をしてDRを成功させる役割を持つのがアグリゲーターです。
アグリゲーターは、電力会社から節電や出力制御などの指令があった際、それを各需要家に、ワット数、時間、方法などを具体的に示し、指令を遂行させます。また、IoTを活用してアグリゲーター自身が需要家側のエネルギー管理システムを統合・制御する、仮想発電所(VPP)を構築するという方法で指令を遂行するアグリゲーターもいます。
「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[上級編]」より