帝人、創立100周年記念、ソーラーカーによる南極点到達プロジェクトを支援

2018年06月15日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

帝人、創立100周年記念、ソーラーカーによる南極点到達プロジェクトを支援の写真

帝人は6月、欧州においてソーラーカーにより南極点到達を目指すプロジェクト「Clean 2 Antarctica」(C2A)を支援すると発表しました。本年6月に迎える創立100周年記念プロジェクトの一環であり、5種類の素材・製品を提供しました。

使用済みペットボトルが利用されているソーラーカー

「Clean 2 Antarctica」(C2A)は、オランダの冒険家であるEdwin ter Velde氏と、学生や若き専門家たちにより展開されるプロジェクトです。「変革に向けた冒険」をテーマに、環境配慮型のソーラーカーにより、南極点への到達に挑戦するというものです。ソーラーカーには、使用済みペットボトルやプラスチックごみなどのリサイクル素材が使用されています。

帝人は2018年6月に創立100周年を迎えますが、その記念プロジェクトの一環として、「C2A」を支援すると発表しました。帝人はC2Aの趣旨に賛同し、ソーラーカーの車体や構造材向けの軽量・高強度素材の提供や、タイヤの設計解析サポートなどを通じて、全面的に支援するとしています。

帝人がが提供した素材・製品
パラ系アラミド繊維「トワロン」 鉄の6倍の強度と1/5の軽さという特性を有する「トワロン」を車体の床下に使用し、南極大陸の鋭利な氷面から受ける衝撃への耐久性向上と、車体の軽量化に貢献します。
 パラ系アラミド繊維「テクノーラ」 鉄の8倍の強度を持ち、耐衝撃性、耐疲労性、耐薬品性に優れる「テクノーラ」を、車体の補強用、およびソーラーパネルの角度などを調整するロープ用として使用しています。
 高機能ポリエチレンテープ「Endumax」 剛性、寸法安定性、耐久性に優れ、鉄の11倍の強度を持つ「Endumax」使用のロープをタイヤの周囲に巻きつけ、寸法安定性や転がり抵抗、牽引力の向上を実現しています。
 炭素繊維「テナックス」 3Dプリントによって成形されたPET製の車体を高強度、高弾性の「テナックス」でラミネートすることにより、車体の強度向上や軽量化を実現しています。
 ポリカーボネート樹脂「パンライト」 軽量で寸法安定性に優れ、ガラスの200倍の耐衝撃性を持つ「パンライト」に、太陽光線を遮蔽するための加工を施した樹脂グレージングを、ソーラーカーの窓に使用しています。

12月に南極点に到達予定、2300kmを走破

C2Aのメンバーは、8月27日に大型帆船でアムステルダム港から出航します。最初の寄港地であるカナリア諸島のテネリフェ島に到着するのは9月17日となります。その間に、課題として「将来、帝人が循環型社会を実現するリーダー企業となるための計画」を策定・提出することになっています。

その後は、アルゼンチン南部のパタゴニアに向けて航海を続けます。12月にはソーラーカーで南極大陸西部のユニオン・グレーシャー・キャンプを出発し、南極点に到達する予定です。これによりC2Aは、往復で2300kmの距離を走破することになります(図1)。

Clean 2 Antarcticaのソーラーカー

図1 Clean 2 Antarcticaのソーラーカー 出典:帝人

太陽光、運転手の生活のためにも利用

2300kmの長旅になるため、ソーラーパネルはエンジン駆動のためだけではなく、運転手の生活にも利用されます。南極では、体調管理のために、1日当たり5リットルの水が必要ですが、それを太陽熱により生成します。

南極の気温は低いため、空気中の水が凍り小さな雪粒となります。そのため、暑い砂漠のように、空気は非常に乾燥しており、大量の水を必要とします。

C2Aによると、雪から5リットルの水を作るためには、25kgの余分なソーラーパネルが必要としています。ソーラーカーの屋根には、4つの太陽光集積器が配置され、運転席の加熱や太陽熱温水器に利用されます。

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