Apple、2015年の再エネ利用率が93%に、2012年から約30%増加
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2016年05月02日
一般社団法人エネルギー情報センター
アースデイである4月22日、Appleは自社における再生可能エネルギーの利用率が93%に達したことを発表しました。Appleは100%を再生可能エネルギーでまかなう目標を掲げており、太陽光発電など再エネの導入を積極的に進めています。
Apple、アースデイに再生可能エネルギー93%を達成したと発表
アースデイとは、地球環境について考える日として提案された記念日のことです。4月22日がアースデイとして広く普及しています。
アースデイの概念は、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)が1969年に提起しました。1970年アメリカのG・ネルソン上院議員が、4月22日を”地球の日”であると宣言、環境問題についての討論集会を開催することを呼びかけたのがアースデイの始まりです。この呼びかけに呼応した人間の数は2000万人以上であったとも言われています。
このアースデイに、Appleが利用する電力の93%が再生可能エネルギーであると発表がありました。同社が対象としているのは自社オフィス、Apple Store、データセンターを含む自社施設全ての電力です。米国、英国、中国、オーストラリアを含む23ヶ国では既に再生可能エネルギー100%を実現しています。
2012年では6割が再生可能エネルギー、3年間で約3割の増加
Appleにおける再生可能エネルギーの利用率は年々と増えており、2012年は60%であったものが、2015年には93%と3年間で約3割伸びています。
再生可能エネルギーの利用割合増加に伴い、発電量や削減CO2も増えています。発電量に関しては2012年の約3億kWhから、2015年には約9億kWhと3年間で約3倍に伸びています。削減CO2に関しても、2012年の約12万トンから2015年には約36万トンと、こちらも約3倍伸びています。
再生可能エネルギー | KPI | Unit | 2012年 | 2013年 | 2014年 | 2015年 |
---|---|---|---|---|---|---|
割合 | % | 60 | 73 | 87 | 93 | |
発電量 | million kWh | 294 | 522 | 703 | 916 | |
削減CO2 | metric tons CO2e | 118,090 | 213,770 | 282,990 | 362,410 |
出典:Apple資料より作成
iMessageのやり取りでは再生可能エネルギーを100%利用
iMessageを利用したメッセージは、毎日世界中で何百億という単位で世界中で行きかっています。その処理に使われている同社のデータセンターのエネルギーの100%が、再生可能エネルギーで稼働しています。
アースデイにあわせて公開された動画は、普段何気なく利用しているサービスの環境負荷に光を当てる内容となっています。
都市圏でも屋根利用で太陽光発電を拡大
Appleは再生可能エネルギーの利用率を高めるため積極的な投資を進めています。例えば、シンガポールにおいては人口密度が高いので、大規模な太陽光発電を建設するスペースの確保が難しいです。そこで、再生可能エネルギーのプロバイダーであるSunseapと協業、800以上の建造物の屋上に32MWのソーラーパネルを設置しました。この太陽光発電プロジェクトにより、シンガポールにあるアップルの全てのオフィスとデータセンターの電力が賄われています。
出典:Apple
サプライチェーンのCO2削減、2020年には4GWもの再エネ導入計画
Appleは自社施設だけでなく、サプライチェーン全体のCO2排出量削減にも積極的に取り組んでいます。同社は生産を外部に委託する、自社で工場を持たないビジネスモデルを中心としていますが、中国では、製造工程におけるCO2排出量を相殺するため、200MWの太陽光発電施設を中国において建設中です。
同社は、2020年までに4GWもの再生可能エネルギーによる発電所を導入する予定であり、そのうち2GWを中国において実施する予定です。実現すれば、3千万トン以上のCO2を削減可能であり、これは600万台の自動車が1年間走らないことと同等の効果をもたらします。
今後2年間の間で、電子機器受託生産の最大手であるフォックスコンと協力、400MWの太陽光発電を導入し、鄭州にあるiPhoneの最終製造施設での電力利用をまかなう予定です。
出典:Apple
Apple製品、2008年と比較し消費電力を平均64%削減
Appleでは製品の省エネにも取り組んでいます。例えば、MacOSにおいてはスリープ機能などの強化により、省エネが進んでいます。製品に関しては、MacBook Airの消費電力は、初代モデルと比べて52%低減、Apple TVにおいては初代モデルから90%低減しています。
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執筆者情報
一般社団法人エネルギー情報センター
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