30分ごとの日射量予測データを配信、太陽光発電の供給力推定を支援
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2016年04月22日
一般社団法人エネルギー情報センター
4月21日、一般財団法人日本気象協会は、高精度・高解像度のエリア日射量予測サービス「SYNFOS-solar 1kmメッシュ」の提供を開始すると発表しました。電力会社や小売事業者の需給運用として活用できるサービス内容となっています。
最大72時間先まで30分ごとにエリア日射量予測データを配信
日本気象協会が提供するサービス「SYNFOS-solar 1kmメッシュ」では、最大72時間先まで30分ごとの日射量を全国1kmメッシュ(1km四方単位)で予測することが可能となります。「SYNFOS」の名前の由来は、ギリシャ語で雲を意味する「synnefo」と、数値予報システム「Numerical ForecastingSystem」の頭文字を組み合わせたものとなっています。
太陽光発電の出力は天候に左右されやすいですが、「SYNFOS-solar 1kmメッシュ」を利用することにより、太陽光発電の供給力を適切に考慮した需給計画を作成することができます(図1)。
全国10電力エリアにおいて、安定した電力需給運用のために活用することができます。また、既に大手電力会社の電力需給運用に活用できる情報としても採用されています。
図1 予測と実測の比較画像 出典:一般財団法人日本気象協会
提供内容
「SYNFOS-solar 1kmメッシュ」は、最大72時間先までの30分ごとの全天日射量予測データを、1kmメッシュの水平解像度をもつ電力エリア単位にて、オンライン配信します。
今回のサービスによる高精度・高解像度のエリア日射量予測データは、太陽光発電システムの大量導入時に、安定的な電力需給制御を実現するための支援として活用することができます。
そのほか、一般家庭に設置された太陽光パネルなど、特定エリア内に広く配置された分散型電源の出力予測に利用することで、スマートグリッドの監視制御システムなどへの活用も期待されます。
サービス概要
全天日射量[W/m2]の予測値として、水平解像度では1km、予測時間は最大72時間先まで(30分ごと)となります。発表回数は1日4回の更新で、オンライン配信されます。
サービスの特徴
- 最大72時間先までの30分ごとのエリア日射量を予測
- 過去の日射量データを用いた面的な統計補正により、エリア日射量予測の高精度化を実現
- 電力エリアにおける日射量分布予測を、1kmメッシュの高解像度データにて配信
経産省の実証事業で日射量予測の開発
日本気象協会は、平成23年度~平成25年度の3年間で実施された「太陽光発電出力予測技術開発実証事業」で、日射量の予測について担当していました。「太陽光発電出力予測技術開発実証事業」は、太陽光発電大量導入時に必須となる、太陽光発電の出力状況把握や出力予測のための技術開発を行うことを目的としたものです。今回のサービスも、こういった実証事業で蓄積したノウハウを活用したサービスとなります。
日射量観測データや気象衛星データからの日射量推定
日本気象協会は、日射量観測データや気象衛星データからの日射量推定技術を用いて、実況日射量分布推定モデルを開発していました。
成果として、気象衛星画像から日射量を推定する手法を需給運用上のニーズに合うよう改良し、全国規模の実況日射量分布推定モデルを開発しました(図2)。衛星推定日射量に日射計観測値を用いた誤差補正を行うことで精度向上を図っています。
図2 気象衛星画像データによる日射把握手法の概要 出典:日本気象協会
時間スケールに応じた日射量予測
日本気象協会保有の数値予報モデル(SYNFOSシンフォス-3D)や統合日射量データベースなどを用いて日射量予測手法を開発していました。
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執筆者情報
一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
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