電力データでビジネス支援、「グリッドデータバンク・ラボ」設立、9電力が参与

2019年03月14日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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東京電力パワーグリッドは3月5日、様々なデータを活用し、社会課題の解決や新たな価値の創出を目的とした「グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合」をNTTデータと協力して設立したと発表しました。

電力データを出店計画や防災計画に活用

AI・IoTなどデジタル技術の飛躍的な進展の中、各業種の垣根を越えたデータを用いることで、地球温暖化・自然災害や労働力不足などの社会課題の解決や、さらには新たなビジネス価値を生み出すことが期待されています。

実際に諸外国においては、データを活用したビジネスの高度化に向けた取り組みが進展しつつあります。一方で、日本ではデータの活用が企業内又はグループ内にとどまるなど、データを活用したビジネス展開が十分進んでいるとは言い難い状況です。

こうした中、東京電力パワーグリッドは3月5日、様々なデータを活用し、社会課題の解決や新たな価値の創出を目的とした「グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合」をNTTデータと協力して設立したと発表しました。

なお、東京電力パワーグリッド、中部電力、関西電力が出資しているほか、九州電力、四国電力、中国電力、東北電力、北陸電力、北海道電力が会員として参画しております。このため、沖縄電力を除く旧一般電気事業者が参与していることとなります。

事業組合名 グリッドデータバンク・ラボ有限責任事業組合
資本金 6億円
出資比率 東京電力パワーグリッド株式会社 25%
株式会社NTTデータ 25%
中部電力株式会社 25%
関西電力株式会社 25%
設立日 2018年11月15日
オフィス兼ラボ開設日 2019年3月5日

同ラボは、個人情報保護に留意し、電力データと異業種データを掛け合わせ分析することで、さまざまなユースケースを検討し、有用性を検証します。

例えば、スマートメーターデータと地図データを組み合わせることで、住民の転居、新築の増加、暮らし方の変化など「街の変化」をタイムリーに把握することができます。なお、類似するデータとして「国勢調査」がありますが、調査実施が5年に一度ということもあり、電力データの方が統計の精度が高いとされています(図1)。

電力データ統計の特徴

図1 電力データ統計の特徴 出典:東京電力パワーグリッド

この電力情報をベースとしたタイムリーなデータにより、店舗周辺の生活動向を把握した売上予測の精度向上や、出店計画への活用が期待できます。また、ダイナミックプライシング等の、需給状況に応じた価格変動化に対してデータが活用できる可能性もあります。

そのほか、都市計画・防災計画にもデータは活用できます。例えば、住民の生活実態とその変化を踏まえた市街地活性化計画の立案や、空き家の把握による詐欺への対策等が考えられます(図2)。

電力データの活用イメージ

図2 電力データの活用イメージ出典:九州電力

ラボを東京都千代田区に開設、セキュリティにも十分に配慮

グリッドデータバンク・ラボは、電力データ活用の実現に向けた取り組みを加速させるべく、イノベーション環境を備えたラボを東京都千代田区に開設しました(図3)。

電力データの特性上、セキュリティにも十分に配慮する必要がありますが、ラボ内で扱う電力データは、送配電事業者により個人情報がわからない状態まで統計処理されています。なお、電力データは特定のメンバーのみ入退室可能な施錠管理された部屋で取り扱われます。

グリッドデータバンク・ラボは、幅広い業種の参画者(データ保有者、エンドユーザー、スタートアップ企業やサービス提供者等)を募り、アイデア誕生のきっかけづくりから実証の企画、推進までをトータルでサポートするとしています。

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