ドローンによる新たな電力設備の点検手法、「自動的」に飛行ルートを計画、2019年度の導入見込み

2018年09月12日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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岡山理科大学と電源開発は9月、電力設備を自動的に撮影できるドローンを用いた「電力設備自動撮影技術」を共同で確立し、特許を出願したと発表しました。飛行制御・回避制御及び高速な画像処理を同時に行うことによって、ドローンの高精度な飛行を実現します。点検業務の安全性向上とともに点検の質向上が大きく期待でき、危険な高所作業が軽減される技術となります。

「電力設備自動撮影技術」、岡山理科大学と電源開発が確立、特許出願

現在、送電鉄塔・送電線など高所の電力設備点検では、作業員による昇塔点検やヘリコプターからの目視点検が一般的です。そのほか、東京電力は2014年10月から「ドローン」を操縦者が操作し飛行させ、設備状況を確認する方法を採用しています。

ドローンを用いれば、人が容易に到達できない場所の観察、計測が可能となります。例えば、風力発電設備では、ドローンにカメラを搭載することで、地上からは発見困難な落雷等による羽根の損傷などを発見することが可能となります。また、メガソーラーの設備点検においては、ドローンにサーモカメラを搭載し、上空から広くパネルの熱画像を撮影することで、容易にホットスポットを発見することが可能となります。

このように、現在もドローンの活用は進んできております。しかし、高所作業の安全性向上や後継人材不足への対応、さらには一層のコスト削減に取り組むためには、より高度なドローン点検の技術確立が必要です。

こうした中、岡山理科大学と電源開発(以下Jパワー)は共同で、電力設備を自動的に撮影できるドローンを用いた「電力設備自動撮影技術」を確立し、特許を出願したと発表しました。飛行制御・回避制御及び高速な画像処理を同時に行うことによって、ドローンの高精度な飛行を実現します。点検業務の安全性向上とともに点検の質向上が大きく期待でき、危険な高所作業が軽減される技術となります。

複数の技術を並列に処理して合成することにより実現

Jパワーと岡山理科大学が共同で確立した「電力設備自動撮影技術」とは、ドローンが自動的に飛行ルートを計画し、撮影対象物である鉄塔・送電線などの設備に接近して精細な画像を取得する新たな技術です。「送電設備情報」、「最先端のセンサー技術及び制御技術」、「カメラ技術」、「画像処理技術」を併せ持ちます。

「電力設備自動撮影技術」の強みは、操縦者による手動操作のみではなく、「自動」という要素が組み込まれている部分にあります。送電線設備などの高所設備は大半が山間部に配置されており、目視によるドローン操作では、送電設備との離隔距離が把握しづらいです。また、ドローンが電線に過度に接近することで電磁界の影響を受け進行方向を見失うため、適切な距離を保つことが課題としてあります。

しかし、今回の技術では、飛行制御・回避制御及び高速な画像処理を同時に行うことを可能にして、ドローンの高精度かつ安定的な飛行を実現しています。撮影する電線に接近する「移動制御」と、障害物や磁界を回避する「回避制御」を並列に処理して合成することで接近します(図1)。

設備接近技術の概要

図1 設備接近技術の概要

また、常に機体の状態(正確な位置や高度、飛行状態等)をモニタリングできるように、中継ドローンを活用した見通し外無線通信が用いられています。中継ドローンが通信を転送することにより、目視できない見通し外飛行(ドローンと発着地点間に通信電波が届かない状態)でもモニタリングが可能となります。

さらに、画像処理を飛行時に行い、設備上に問題が検出されたとき、その位置と欠陥状況画像を記録することができます。撮影する電線に一定距離を保つ「移動制御」と電線との傾きを検知する「画像処理」を並列に処理して合成することで位置を調整します(図2)。

「電力設備自動撮影技術」を活用することで、点検業務の安全性向上と供に点検の質向上が大きく期待でき、危険な高所作業が軽減されます。この技術は今後、電力設備の撮影に限らず、衛星電波の届かない橋梁下や超高層ビルの外壁の自動撮影など幅広い用途に活用されることが期待できます。

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