再エネのCO2削減価値をCtoCで取引する実証実験、ブロックチェーン活用
政策/動向 | 再エネ | IT | モビリティ | 技術/サービス | 金融 |
2018年05月07日
一般社団法人エネルギー情報センター

電力シェアリングは4月、環境省が公募した「平成30年度ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」に採択されたと発表しました。2018年6月から実証実験を開始し、再エネのCO2削減価値をCtoCで取引するビジネスモデルの確立を目指すとしています。
再エネのCO2削減価値をCtoCで取引
温室効果ガス(GHG)排出量を取引する仕組みは、例えば電力関連であればJクレジットやグリーン電力証書などがありますが、手続きが煩雑であるため普及しにくいことが課題とされていました。
特に、一般家庭における再生可能エネルギーの消費量は法人と比較して少なく、CO2削減価値を適切に評価することが困難です。住宅で自家消費している太陽光発電の環境価値をもとに、自治体などが集約してJクレジットを発行しているケースもありますが、CtoC規模での取引は現状では難しいといえます。
これらから、GHG取引は一定の規模の法人に限定されてしまう傾向がありました。こうした中、電力シェアリングは環境省が公募した「平成30年度ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2削減価値創出モデル事業」に採択されたと発表しました。
2018年6月から実証実験を開始し、再エネのCO2削減価値をCtoCで取引するビジネスモデルの確立を目指すとしています。なお、採択された事業は電力シェアリング提案の「自家消費される再エネCO2削減価値の地方部等におけるCtoC取引サプライチェーン検討事業」となります。
再エネ利用量を個人に紐づける
今回の事業は、再生可能エネルギー利用量を個人にひも付けて把握し、データ収集するソリューションをブロックチェーン技術と連携させるものとなります。これにより、各家庭で創出される再エネのCO2削減価値を【低コスト・容易・自由】にCtoCで取引することを可能にします。実験では、この仕組みに活用される技術の検証およびビジネスモデルの評価が行われます(図1)。

図1 「自消費される再エネCO2削減価値の地方部等におけるCtoC取引サプライチェーン検討事業」イメージ図
この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。
無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センター
EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。
企業・団体名 | 一般社団法人エネルギー情報センター |
---|---|
所在地 | 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F |
電話番号 | 03-6411-0859 |
会社HP | http://eic-jp.org/ |
サービス・メディア等 | https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET |
関連する記事はこちら
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年04月30日
【第2回】電気主任技術者の人材不足とは? 〜人材育成の最前線、業界と行政が進める具体策〜
電気主任技術者をめぐる人材不足の問題は、再生可能エネルギーやEVインフラの急拡大と相まって、ますます深刻さを増しています。 こうした状況に対し、国や業界団体は「人材育成・確保」と「制度改革」の両面から対策を進めており、現場ではすでに具体的な動きが始まっています。 第2回となる今回は、人材不足に対し、業界や行政がどのような対策を講じているのか、具体的な施策を、実例を交えながら、詳しくお伝えします。
一般社団法人エネルギー情報センター
2025年04月25日
蓄電池、給湯器などを活用したDRready対応の新たなビジネス創出、2029年度にはDR対応のヒートポンプ給湯器が導入見込み
日本においては再エネの急速な導入拡大に伴い、発電量過多によって電力の無駄が発生する時間帯が頻発することが課題となっています。そのための対策の一つとしてデマンドレスポンス(DR)が挙げられ、本記事では低圧分野における給湯器・蓄電池を活用した今後のDRの市場や可能性について見ていきます。
一般社団法人エネルギー情報センター
2024年11月16日
蓄電池×新テクノロジーについて第4回に渡ってお伝えしています。前回はドローンに使われている蓄電池についてお伝えしました。今回はIoTと電力・エネルギービジネスの密接な関係についてお伝えします。
一般社団法人エネルギー情報センター
2024年10月09日
蓄電池×新テクノロジーについて第4回に渡ってお伝えしています。前回はAI、IoTとエネルギー産業についてお伝えしました。今回はドローンに使われている蓄電池についてお伝えします。