ビールを原料として持続可能なガソリン代替品を製造、ブリストル大学発表
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12月6日、英国ブリストル大学はビールを原料として持続可能なガソリンを製造するための第一歩を踏み出したと発表しました。現在、米国においてガソリンにはエタノールが混合されるケースが多いですが、より適している燃料代替物はブタノールです。今回の研究により、工業規模でエタノールをブタノールに変換する手法の可能性が示されました。
ビールを原料にガソリン代替物であるブタノール製造
自動車などの輸送燃料は一般的にディーゼルやガソリンといった化石燃料が用いられますが、環境面への影響から、代替品の必要性が世界的に高まっています。
ガソリンの代替品として、世界で最も広く使用されている燃料の一つがバイオエタノールです。米国では、ガソリンは通常、エタノールを最大10%配合して販売されています。
ただ、エタノールはガソリンの理想的な代替品ではありません。エネルギー密度が低いほか、水と混じりやすいのでエンジンを腐食させるなどの問題があるからです。
エタノールよりも適している燃料代替物はブタノールです。高いエネルギー密度、適切なオクタン価、現在のエンジン技術との適合性のため、理想的なガソリン代替品です。ただし、持続可能な資源から作ることは困難とされています。そのため、ブリストル大学の科学者は、広く利用可能なエタノールをブタノールに変換する技術開発に数年間を費やしてきました。
ブリストル大学によるエタノールをブタノールに変換する手法は、純粋で乾燥したエタノールであれば、既に実験室の中では実証されています。しかし、この技術を実社会の運用に耐えるレベルとするには、純粋なエタノールではなく、多くの水分(約90%)と他の不純物を含むエタノールをブタノールに変換する必要があります。
今回、英国ブリストル大学はビールを原料として持続可能なガソリンを製造するための第一歩を踏み出したと発表しました。今回の研究により、工業規模でエタノールをブタノールに変換する手法の可能性が示されました。
研究チームを率いるDuncan Wass教授は、「アルコール飲料中にはエタノールが含まれており、ガソリン代替物としてブタノールに変換するエタノールと全く同一です。また、アルコール飲料は工業用エタノール生成において理想的なモデルとなります。私たちの技術をアルコール飲料に適用することで、ブタノールを工業規模で生産できるようになる可能性があります。アルコール飲料の中でも、特にビールは最高のモデルです。」と述べています。
触媒の耐水性向上などでコスト削減
触媒は、特定の化学反応に影響する働きをする物質です、化学反応の促進と制御等が可能となるため、すでに石油化学業界で広く使用されています。
エタノールをブタノールに変換する際にも触媒が必要です。触媒がビールなどのエタノール混合物をブタノールに変換することの発見が、今回の研究チームの主な成果となります。エタノール源としてラガービールを使用した場合、85%の選択率で29%のイソブタノールを生成しました(図1)。
これまでは、触媒の耐水性の問題のため、無水アルコール原料を使用する必要があり、バイオ燃料製造のコストを押し上げていました。しかし今回、水自体に対する触媒の耐性向上と、アルコキシドではなく水酸化物を利用することでコスト問題を改善しています。
Wass教授は、「実際には、産業規模でビールを使用するとなると、食用作物と競合することになるので、望ましくありません。しかし、ビールはブタノール変換技術を研究するための優れた資源となります。今後、化学的にビールに似ているものを生産し、発酵から燃料用のエタノールを得る方法を確率できる可能性があります。また、このアプローチのもう1つの利点は、多くの既存の石油化学プロセスに類似する形で進められるため、大規模生産プロセス構築に寄与することです。」と述べています。
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