ビールを原料として持続可能なガソリン代替品を製造、ブリストル大学発表

2017年12月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

ビールを原料として持続可能なガソリン代替品を製造、ブリストル大学発表の写真

12月6日、英国ブリストル大学はビールを原料として持続可能なガソリンを製造するための第一歩を踏み出したと発表しました。現在、米国においてガソリンにはエタノールが混合されるケースが多いですが、より適している燃料代替物はブタノールです。今回の研究により、工業規模でエタノールをブタノールに変換する手法の可能性が示されました。

ビールを原料にガソリン代替物であるブタノール製造

自動車などの輸送燃料は一般的にディーゼルやガソリンといった化石燃料が用いられますが、環境面への影響から、代替品の必要性が世界的に高まっています。

ガソリンの代替品として、世界で最も広く使用されている燃料の一つがバイオエタノールです。米国では、ガソリンは通常、エタノールを最大10%配合して販売されています。

ただ、エタノールはガソリンの理想的な代替品ではありません。エネルギー密度が低いほか、水と混じりやすいのでエンジンを腐食させるなどの問題があるからです。

エタノールよりも適している燃料代替物はブタノールです。高いエネルギー密度、適切なオクタン価、現在のエンジン技術との適合性のため、理想的なガソリン代替品です。ただし、持続可能な資源から作ることは困難とされています。そのため、ブリストル大学の科学者は、広く利用可能なエタノールをブタノールに変換する技術開発に数年間を費やしてきました。

ブリストル大学によるエタノールをブタノールに変換する手法は、純粋で乾燥したエタノールであれば、既に実験室の中では実証されています。しかし、この技術を実社会の運用に耐えるレベルとするには、純粋なエタノールではなく、多くの水分(約90%)と他の不純物を含むエタノールをブタノールに変換する必要があります。

今回、英国ブリストル大学はビールを原料として持続可能なガソリンを製造するための第一歩を踏み出したと発表しました。今回の研究により、工業規模でエタノールをブタノールに変換する手法の可能性が示されました。

研究チームを率いるDuncan Wass教授は、「アルコール飲料中にはエタノールが含まれており、ガソリン代替物としてブタノールに変換するエタノールと全く同一です。また、アルコール飲料は工業用エタノール生成において理想的なモデルとなります。私たちの技術をアルコール飲料に適用することで、ブタノールを工業規模で生産できるようになる可能性があります。アルコール飲料の中でも、特にビールは最高のモデルです。」と述べています。

触媒の耐水性向上などでコスト削減

触媒は、特定の化学反応に影響する働きをする物質です、化学反応の促進と制御等が可能となるため、すでに石油化学業界で広く使用されています。

エタノールをブタノールに変換する際にも触媒が必要です。触媒がビールなどのエタノール混合物をブタノールに変換することの発見が、今回の研究チームの主な成果となります。エタノール源としてラガービールを使用した場合、85%の選択率で29%のイソブタノールを生成しました(図1)。

これまでは、触媒の耐水性の問題のため、無水アルコール原料を使用する必要があり、バイオ燃料製造のコストを押し上げていました。しかし今回、水自体に対する触媒の耐性向上と、アルコキシドではなく水酸化物を利用することでコスト問題を改善しています。

Wass教授は、「実際には、産業規模でビールを使用するとなると、食用作物と競合することになるので、望ましくありません。しかし、ビールはブタノール変換技術を研究するための優れた資源となります。今後、化学的にビールに似ているものを生産し、発酵から燃料用のエタノールを得る方法を確率できる可能性があります。また、このアプローチのもう1つの利点は、多くの既存の石油化学プロセスに類似する形で進められるため、大規模生産プロセス構築に寄与することです。」と述べています。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

東工大×リコー×産総研、超省エネの原子時計を開発、自動運転などの実現に一歩前進の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年02月26日

新電力ネット運営事務局

東工大×リコー×産総研、超省エネの原子時計を開発、自動運転などの実現に一歩前進

東京工業大学、リコー、産業技術総合研究所の研究グループは、消費電力が極めて低い小型の原子時計を開発したと発表しました。周波数シンセサイザの消費電力を大幅に削減し、温度制御の効率を向上させることで、60mWという低消費電力と15cm3という極小サイズを実現しています。

世界最大の蓄電システム、1年間の稼働で45億円の節約、設置費用は75億円の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2019年01月09日

新電力ネット運営事務局

世界最大の蓄電システム、1年間の稼働で45億円の節約、設置費用は75億円

世界最大の蓄電池を管理するAureconが、そのパフォーマンスと市場への影響などを記したレポートを発表しました。一年間の運用により、約4000万ドルの節約につながったほか、電力インフラの信頼性の向上にも寄与したとしています。

日本で普及が進む高効率な1500V対応のメガソーラー、アイテスが点検機器を開発の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年12月27日

新電力ネット運営事務局

日本で普及が進む高効率な1500V対応のメガソーラー、アイテスが点検機器を開発

アイテスは、直流電圧1500Vに対応したインピーダンス測定器である「ソラメンテ-Z(SZ-1000)」を開発しました。高電圧な太陽光発電所(1500V)の故障ストリングを特定することが可能な製品となります。

日本初のバイオ燃料製造実証プラントが完成、2019年夏に次世代バイオディーゼル燃料供給開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年11月12日

新電力ネット運営事務局

日本初のバイオ燃料製造実証プラントが完成、2019年夏に次世代バイオディーゼル燃料供給開始

11月にユーグレナは、日本初のバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを2018年10月31日に竣工し、日本をバイオ燃料先進国にすることを目指す『GREEN OIL JAPAN(グリーンオイルジャパン)』を新たに宣言すると発表しました。

大気中の粒子で太陽光を直接遮断する温暖化対策、UCバークレーが農作物への影響を発表の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年10月24日

新電力ネット運営事務局

大気中の粒子で太陽光を直接遮断する温暖化対策、UCバークレーが農作物への影響を発表

カリフォルニア大学バークレー校の研究チームでは、硫酸塩エアロゾルを大気中に散布する温暖化対策において、全球の作物収量に与える影響を調べています。最近の報告によると、エアロゾル粒子による地球温暖化対策を行った場合、作物収穫量は増加も低下もしないとしています。