千葉商科大学、メガソーラーなどの活用で日本初の「自然エネルギー100%大学」に、2020年度目標

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

千葉商科大学、メガソーラーなどの活用で日本初の「自然エネルギー100%大学」に、2020年度目標の写真

11月13日、千葉商科大学は、所有しているメガソーラー野田発電所等で発電するエネルギー量と、市川キャンパスにおいて消費しているエネルギー量を同量にする「自然エネルギー100%大学」を目指すと発表しました。同大学は日本の大学単体では日本一大きいメガソーラー発電所を所有しており、それを活用することで2018年度に「RE100大学」、2020年度に「自然エネルギー100%大学」を目指します。

大学と学生が協力して「自然エネルギー100%大学」を目指す

近年、気候変動問題に取り組むことは経済的に有益であり、社会に多様なメリットをもたらすことが実証されています。そのため、世界各国の企業や金融機関等が100%自然エネルギーに向けて動きはじめています。

千葉商科大学においては、2003年に千葉県内の大学として最も早く国際環境規格ISO14001を取得、その後2010年には1号館屋上に太陽光発電設備を設置し、そこで発電した電気で1号館内の一部消費エネルギーを賄っています。

2014年4月からは、千葉県野田市の約46,781m2の敷地において「千葉商科大学メガソーラー野田発電所」が稼働、売電事業を行っています。この約1万枚のパネルにより構成されるメガソーラーは、大学単体としては日本一の規模です(図1)。総工費約7億円、2014年度における発電実績は336万kWhで、これは同年度の学内電力消費量の77%に相当します。つまり、残りの23%をキャンパス内の省エネルギーと創エネルギーで賄うことができれば、自然エネルギー100%のエコキャンパスを実現することができます。

メガソーラー野田発電所

図1 メガソーラー野田発電所 出典:千葉商科大学

「持続可能な社会の実現」を研究テーマとする「政策情報学部 鮎川ゆりか教授」のゼミナールは、2014年度から自然エネルギー100%のエコキャンパスを実現する可能性を探っています。2015年7月には「ネット・ゼロ・エネルギー・キャンパス化」プロジェクトを発足しました。

このプロジェクトにおいて、鮎川ゼミを中心とする学生たちは、キャンパス内の全建物でエネルギーの無駄を調査しています。特殊な機器を使用して建物の温度、湿度を測定し「暑すぎ」「寒すぎ」を感じるかどうか、また、エネルギー効率を悪くするようなドアや窓がきちんと閉まらないところがあるか、使用されていない教室の照明や冷暖房のつけっぱなしはないかなど、省エネの余地を隈なく探していきました。

さらには、在学生を対象とした省エネ意識に関するアンケートや、ゼミ内で検討した省エネのアイデアに対して意見交換を行う少人数制のグループ討議を経て、調査結果の分析と考察が行われてきました。

省エネ・創エネについては、専門的な調査の上で設備の導入なども必要になってきます。そのため、専門性を持つ学外機関とともに、可能性調査を行うため補助金申請を行なっています。その結果、2015年6月に約1000万円の交付を獲得しています。補助金の申請者はサステナジー株式会社、テクノプランニング株式会社で、千葉商科大学は「賛同者」となります。

このように活動を続けてきた千葉商科大学は、所有しているメガソーラー野田発電所等で発電するエネルギー量と、市川キャンパスにおいて消費しているエネルギー量を同量にする「自然エネルギー100%大学」を目指すと発表しました。同大学は日本の大学単体では日本一大きいメガソーラー発電所を所有しており、それを活用することで2018年度に「RE100大学」、2020年度に「自然エネルギー100%大学」を目指します。

2018年度目標の「RE100大学」は、千葉商科大学が所有するメガソーラー野田発電所等の発電量と、千葉商科大学市川キャンパスの消費電力を同量にするものです。2020年度目標の「自然エネルギー100%大学」は、千葉商科大学が所有するメガソーラー野田発電所等の発電量と、千葉商科大学市川キャンパスの消費エネルギー(電力+ガス)を同量にするものです(図2)。

自然エネルギー100%大学のエネルギー利用内訳

図2 自然エネルギー100%大学のエネルギー利用内訳 出典:千葉商科大学

「自然エネルギー100%プラットフォーム」に国内の大学として初めて登録

千葉商科大学の宣言及び取り組みは、「自然エネルギー100%プラットフォーム」において、2017年11月13日付で国内の大学として初めて登録されました。「自然エネルギー100%プラットフォーム」は、自然エネルギー100%の実現を提唱する世界的なイニシアチブであり、CAN-Japanが運営しています。

千葉商科大学は、今回の取り組みを起点に、CUCエネルギー株式会社を設立しています(図3)。同社は地域に持続可能な恩恵をもたらす地産地消のエネルギービジネスを展開しており、千葉商科大学に対して省エネ機器のリース事業等を既に開始しています。

CUCエネルギーは、今後も千葉商科大学と連携しながら、地域の小売電気事業者として地域の自然エネルギーを売買する構想があるとしています。そのほか、省エネルギーに関する包括的なサービスを提供し、顧客の利益や地域経済の活性化、地域政策への提言、地球環境の保全に貢献する事業を展開する予定としています。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第2回】国内研究最前線 JT-60SAとLHDが描く日本の核融合ロードマップの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年11月24日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第2回】国内研究最前線 JT-60SAとLHDが描く日本の核融合ロードマップ

地上に“小さな太陽”をつくるという挑戦が、いま日本の研究現場で確実に動き始めています。 第1回では、核融合がどのようにエネルギーを生み出すのか、その基本原理や世界的な動向について整理しました。今回はその続編として、日本が持つ二つの主要研究拠点、「JT-60SA(大規模トカマク型装置)」と「LHD(ヘリカル方式の大型装置)」に焦点を当て、国内で進む最前線の取り組みを詳しく解説します。 どちらも世界トップクラスの規模と技術を誇り、2030年代の発電実証を目指す日本の核融合開発に欠かせない“橋渡し役”として国際的にも注目されています。

政府も注目する次世代エネルギー、核融合の仕組みと可能性  【第1回】核融合“超入門” 地上に「小さな太陽」をつくる挑戦の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年11月13日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー、核融合の仕組みと可能性 【第1回】核融合“超入門” 地上に「小さな太陽」をつくる挑戦

地上に“小さな太陽”をつくる、そんな壮大な計画が世界各地で進んでいます。 核融合とは、太陽の内部で起きているように、軽い原子が結びついてエネルギーを生み出す反応のことです。燃料は海水から取り出せる水素の一種で、CO₂をほとんど出さず、石油や天然ガスよりもはるかに効率的にエネルギーを取り出すことができます。 かつては「夢の発電」と呼ばれてきましたが、近年は技術の進歩により、研究段階から実用化を見据える段階へと進化しています。 2025年6月当時は、高市早苗経済安全保障担当大臣のもと、政府が核融合推進を本格的に強化しました。 同月に改定された「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」では、研究開発から産業化までを一貫して支援する体制が打ち出されています。 今回はその第1回として、核融合の基本的な仕組みや核分裂との違い、主要な研究方式をわかりやすく解説します。

日本発!次世代ペロブスカイト太陽電池:フレキシブル発電が都市を変える 実装課題と産業戦略【第3回】社会実装シナリオと市場インパクト — 建築外皮・街路インフラ・モビリティ等の導入像/系統・蓄電(BESS)との組み合わせ/エネ安保・脱炭素効果の定量化と政策提言の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年10月31日

新電力ネット運営事務局

日本発!次世代ペロブスカイト太陽電池:フレキシブル発電が都市を変える 実装課題と産業戦略【第3回】社会実装シナリオと市場インパクト — 建築外皮・街路インフラ・モビリティ等の導入像/系統・蓄電(BESS)との組み合わせ/エネ安保・脱炭素効果の定量化と政策提言

第一回ではペロブスカイト太陽電池の特性と政策背景を、第二回では実装課題・量産・標準化の現状をお伝えしました。 最終回となる本稿では、社会実装の具体像を描きます。建築外皮、街路インフラ、モビリティといった“都市空間そのもの”に発電機能を組み込むシナリオを軸に、系統・蓄電(BESS)との統合運用や、エネルギー安全保障・脱炭素への貢献を数値的な側面から読み解きます。 さらに、制度設計・金融支援・標準化の動向を踏まえ、日本が形成しつつある「都市型エネルギーエコシステム」​​の全体像を明らかにします。

日本発!次世代ペロブスカイト太陽電池:フレキシブル発電が都市を変える 実装課題と産業戦略【第2回】 — 耐久性・封止・量産(ロールtoロール、封止樹脂の要諦)/コスト学習曲線と標準化(NEDO等)/素材・装置のサプライチェーン再構築の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年10月29日

新電力ネット運営事務局

日本発!次世代ペロブスカイト太陽電池:フレキシブル発電が都市を変える 実装課題と産業戦略【第2回】 — 耐久性・封止・量産(ロールtoロール、封止樹脂の要諦)/コスト学習曲線と標準化(NEDO等)/素材・装置のサプライチェーン再構築

前編では、ペロブスカイト太陽電池の特性と政策的背景、そして中国・欧州を中心とした世界動向を整理しました。 中編となる今回は、社会実装の要となる耐久性・封止・量産プロセスを中心に、産業戦略の現在地を掘り下げます。ペロブスカイト太陽電池が“都市インフラとしての電源”へ進化するために、どのような技術と制度基盤が求められているのかを整理します。特に日本が得意とする材料科学と製造装置技術の融合が、世界的な量産競争の中でどのように差別化を生み出しているのかを探ります。

中小企業が入れるRE100/CDP/SBTの互換ともいえるエコアクション21、GHGプロトコルに準じた「アドバンスト」を策定の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年10月27日

主任研究員 森正旭

中小企業が入れるRE100/CDP/SBTの互換ともいえるエコアクション21、GHGプロトコルに準じた「アドバンスト」を策定

GHGプロトコルに準じた「エコアクション21アドバンスト」が2026年度から開始される見込みです。アドバンストを利用する企業は電力会社の排出係数も加味して環境経営を推進しやすくなるほか、各電力会社側にとっても、環境配慮の経営やプランのマーケティングの幅が広がることが期待されます。

 5日間でわかる 系統用蓄電池ビジネス