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2025年の電力先物市場:取引高記録更新とヘッジ会計の進展

一般社団法人エネルギー情報センター

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2025年の電力先物市場:取引高記録更新とヘッジ会計の進展の写真

2025年2月、電力先物市場は過去最高の取引高を記録し、3月にはさらに更新。加えて、ヘッジ会計の適用が進展し、市場の透明性と安定性が向上しています。本コラムでは、最新の市場動向とその影響を解説します。

電力先物※1市場は、2019年の国内設立以来、着実に取引量を増やし続けています。その背景には、エネルギー市場の自由化や電力価格の変動リスクへの対応があり、特に近年では市場参加者の多様化が成長を後押ししています。

2025年2月の電力先物市場では、各商品の合計取引高が2024年度の最高記録を更新しました。さらに、東エリア・ベースロード※2電力先物の月末取組高(オープン・インタレスト)※3も過去最高を更新し、市場の活発な取引が続いています。2025年3月にはさらにその記録を上回り、東エリア・ベースロード電力先物の取組高は引き続き拡大傾向にあります。

また、市場のリスク管理強化を目的として、経済産業省と共同でヘッジ会計※4の適用に関する報告書が公表されました。これにより、企業の電力先物の活用が促進され、市場の透明性向上や安定性の確保につながることが期待されています。

※1 電力先物:将来の電力価格をあらかじめ決めて取引する金融商品で、価格変動リスクを抑えるために活用される。
※2 東エリア・ベースロード:東京電力エリアを対象とした電力先物の一種で、基本的な電力需要を安定供給するための取引単位。
※3 月末取組高(オープン・インタレスト):市場における未決済の先物契約の総数を指し、取引の活発さや市場の流動性を示す指標。
※4 ヘッジ会計:価格変動リスクを低減するために先物取引などを活用し、その会計処理を適用する手法。電力会社や事業者がリスク管理のために使用する。

2月のTOCOM電力先物市場の動向

2025年2月、東京商品取引所(TOCOM)の電力先物市場では、取引高が2024年度の最高記録を更新しました。特に、東エリア・ベースロード電力先物においては、月末の取組高が過去最高を更新し、市場の継続的な拡大が確認されました。

市場成長の背景には、市場参加者の多様化や電力価格の変動リスクへの対応強化が挙げられます。従来の電力事業者に加え、金融機関や商社、大量需要家が先物取引を積極的に活用することで、市場の流動性が向上し、取引の活性化につながっています。

さらに、2024年10月に三菱UFJ銀行が受託取引業者として参入したことで、市場の信用力が向上し、より多くの企業が電力先物をリスク管理手段として活用するようになりました。

TOCOM 電力先物 月次取引高グラフ(2025.2月末時点) 出典:JPX

3月の市場動向:歴代最高の1日取引量を記録

3月に入ってからも市場の活況は続き、2月の取引高をさらに更新しました。特に、3月13日の1日あたりの取引高は9780枚に達し、過去最高記録を大幅に更新しました(従来の最高記録は2022年5月13日の2891枚)。さらに、この日の取引電力量は711GWhと、2024年11月7日の153GWhを大きく上回る結果となりました。

また、2025年3月の月間取引高も2月の記録を超え、過去最高を更新し、市場の拡大が顕著になっています。この市場拡大の要因として、特に電力先物を積極的に取引する新電力が、他の取引所から東京商品取引所(TOCOM)へヘッジポジションを移行したことが影響したと考えられます。

※4 ヘッジポジション:価格変動リスクを軽減するために、先物市場で保有するリスク回避のための売買ポジション。

TOCOM 電力先物 月次取引高グラフ(2025.3.13時点) 出典:JPX

ヘッジ会計の適用に向けた進展:経済産業省とTOCOMの取り組み

電力先物市場の発展に伴い、ヘッジ会計の適用に関する議論が進められています。2024年7月、東京商品取引所(TOCOM)は経済産業省と連携し、「電力先物におけるヘッジ会計適用に向けた検討会」を設置しました。

この検討会には、電気事業者、公認会計士、学識経験者などが参加し、日本の会計基準における実務上の課題を調査し、適切な対応策を議論しました。その成果として、2025年2月に経済産業省と共同で報告書を取りまとめ、HPに掲載しました。

この報告書では、電力先物取引におけるヘッジ会計適用の実務上の課題や対応策が詳述されており、企業が電力先物をリスク管理手段として活用しやすくなることが期待されています。これにより、市場の透明性向上や電力価格変動リスクへの対応力の強化が進むと考えられます。

特に、ヘッジ会計の適用が進むことで、企業の財務管理が強化され、電力調達戦略の安定化が期待されます。これにより、企業が電力価格の変動に対してより柔軟に対応できる環境が整うことになります。

詳細はこちらからご覧いただけます。
https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/energy/electricity-futures/index.html#hedge

まとめ

2​​025年2月の電力先物市場は、過去最高の取引高を記録し、3月にはさらにその記録を塗り替え、市場の成長が急加速していることが明らかになりました。特に、新電力の積極的な市場参入やヘッジ会計の適用進展が市場拡大を後押ししています。
今後も市場の流動性向上や取引の安定化が進む可能性が高く、日本の電力先物市場の役割は一層重要になると考えられます。

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