EP100

EP100とは

事業のエネルギー効率を倍増させることを目標に掲げる企業が参加する国際的な構想、一般的に国際企業イニシアティブと呼ばれるものの1つです。

イニシアティブ

「主導権」という意味で浸透している言葉ですが他にも意味があります。RE100やEP100などで使われるイニシアティブは、「主導権」ではなく「(問題解決するための)構想、戦略」または「(問題解決に向けた)新たな取り組み」です。

EP100で大切になるのがエネルギー生産性(energy productivity)です。このエネルギー生産性は、事業のエネルギー消費のうちの経済生産高の割合で、つまりは今利用しているエネルギーをどれだけ効率よく利用できるかということです。

エネルギー生産性(エネルギー効率)=経済生産高/エネルギー消費量

エネルギー生産性がなぜ大切なのかというと、節電のような電気の利用時間を減らすという考えではなく、エネルギーの効率的な利用を目的とし、それによって根本的にエネルギー消費の問題を解決できるからです。

2030年までに100の企業が二倍のエネルギー生産性を達成した場合、1億7千万トンの排気ガスを削減することができます。それは、3700万の車が一年で排出する量に匹敵します。

背景

国際エネルギー機関によれば、エネルギー効率の発展は40%の温室効果ガス排出削減を果たすといわれています。なかでも民間セクターは大きな営業利益を創出しながらも再生可能エネルギーへより早くシフトするためにとても重要な役割を持っているとされます。そんな中で"The Climate Group's"が2016に"Alliance to Save Energy"と共同で開始したのがEP100イニシアティブです。

参加条件

企業は3つの条件のうち1つ選ぶことができます。

(ア) 2倍のエネルギー効率を実現することを約束する。

(イ) エネルギーマネジメントシステムを利用することを約束する。(エネルギー効率の目標を達成するためにEnMS(energy management system)を10年以内に各施設で適用する。)

(ウ) 「ゼブ(Net Zero Energy Building)」を所有することを約束する。(「ゼブ」…建物で消費した分のエネルギー量と同等以上の量のエネルギーをその建物で作ることにより、実質エネルギー消費量が0にすることができる建物のことです。)

企業のメリット

ESG投資という言葉があるように投資家が企業の社会的貢献度に注目するようになる中で、EP100のようなイニシアティブに参加することは企業にとって有益なものになります。なぜなら、イニシアティブへの参加は世界的な投資判断基準となるからです。

加え、イギリスで設立された環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しているNGOのCDPは以下のようなメリットを挙げています。

  1. コスト削減:エネルギーの効率化はエネルギー自体の費用の制限にもつながり、脱炭素化の努力に関するコストの削減にも寄与します。
  2. イノベーションの加速:エネルギー生産性の向上は私たちの働き方に大きな影響を与え得る新技術の発展や革新につながります。
  3. 経済的利益の利用:EP100への加盟によって、より幅広い経済的利益を得ることができます。
  4. 排気ガス削減の実現:一次エネルギーの需要を減らし、エネルギー効率を促進させるテクノロジーで排気の削減が達成できます。
  5. 価値の想像:エネルギー生産性の向上は仕事や経済的価値の創造を意味する。

事例

世界各国の企業が参加しており、日本からはNTTや大和ハウスが参加しています。NTTは2017年のエネルギー効率を2025年までに二倍にすることを目標とし、大和ハウスは2015年をベースラインとし2040年を目標達成期限としています。

NTT

ICTを主要事業とするNTTグループはICTを含むITの性質上、事業を通して多くの電力を消費します。そんなNTTがエネルギーの利用効率を上げることによる環境への影響は大きいでしょう。EP100への電気通信事業者の加盟は世界で初めてでした。

大和ハウス

大和ハウスグループは環境長期ビジョンとして「Challenge ZERO 2055」を掲げており、2015年には2005年比でエネルギー効率二倍を達成し、さらにEP100に加盟することによりさらに2040年に2015年比でエネルギー効率二倍を目指しています。

H&M

H&Mグループはバリューチェーン全体のエネルギー効率を向上させる機会を認識し、工場やその従業員をエネルギー効率のためのプログラムに組み込みました。

工場ではLED電球に買えることで大きくエネルギー効率を向上させ、従業員には技術的なサポートやトレーニングを通して彼らを支えています。目標の二倍のエネルギー効率は2020年までとするほか、新技術への投資などいくつかのアプローチで貢献する計画です。

よく似たイニシアティブ

P100とよく比較されるイニシアティブとしてRE100とEV100があります。どちらもEP100と同様に事業活動によって生じる環境負荷を低減させるために設立された環境イニシアティブの1つです。

RE100とは事業に必要なエネルギーを100%再生可能エネルギーでまかなうことを目的としたもので、EV100とは事業で使用する車などの輸送手段を100%電気輸送に転換することを目標にしています。