国際エネルギー機関

国際エネルギー機関(IEA)とは

国際エネルギー機関(International Energy Agency)通称IEAとは、石油、ガス、石炭の需給、再生可能エネルギー技術、電力市場、エネルギー効率など、エネルギーに関する幅広い問題を調査し、エネルギーの信頼性、求めやすい価格、持続可能性を高める政策に貢献している機関です。

2019年現在、IEAには、日本を含む30ヶ国のメンバー国と、8ヵ国のアソシエーション国が参加しています。IEAの参加要件は、経済協力開発機構(OECD)加盟国であることを絶対条件とし、他5つの要件があります。

OECDとは

混乱状態にあった第二次世界大戦後の欧州各国を救済すべきと、マーシャル国務長官の提案により、欧州16ヶ国で欧州経済協力機構(OEEC)が発足し、欧州経済の復興に伴いOEEC加盟国に米国とカナダが加わり、OECDに至りました。

IEA参加の絶対条件であるOECD加盟国は、先進国間の自由な意見交換と情報交換を通して、経済成長、貿易自由化、途上国支援に貢献するという三代目的があります。

IEA参加要件

  1. 前年の当該国の石油純輸入量の90日分である、備蓄基準を満たしていること
  2. 国内の石油消費量を最大で10%まで削減する需要抑制プログラムが存在すること
  3. 調整された緊急時対応措置(CERM)を運用する法律と組織が国ごとに存在すること
  4. 国の管轄下にあるすべての石油会社が要求に応じて情報を報告することを保証する法律と措置
  5. 世界的な石油供給の混乱に応じて開始された、「IEA集団行動」への貢献が可能であること

以下の条件で参加を満たし、IEA運営委員会が認め、参加を許可された国が30カ国あります。なお、参加要件は満たさず、相互に合意した条件でアソシエーション国としてIEAに参加している国が8ヵ国あります。

IEA加盟国

2019年8月9日時点

IEAが掲げる4つの目標:

国際エネルギー機関は主な目標が4つあります。①まず一つ目は、「エネルギーの安全保障の確保」です。全ての燃料とエネルギー源に対し、多様性、効率、柔軟性、信頼性を確保できるよう、取り組みを行なっています。

②次に掲げる目標は「経済成長」です。経済成長を促進させるため、自由市場を支援し、エネルギーの貧困を無くすことです。

③三つ目の目標は「環境保護」であり、特に、地球温暖化と大気汚染問題を解決するにあたって、エネルギーの生産と使用が環境にかける負担を無くす政策の分析をすることです。

④最後の目標は「世界的なエンゲージメント」です。環境問題とエネルギー共有への解決策を導きだすために、特に新興経済国であるパートナー国と密接に協力をすることです。

IEAの設立

当初のIEA

1973年の第4次中東戦争でアラブ産油国が石油輸出を停止しました。これにより、原油価格が高騰し、第1次石油危機を引き起こしました。この際に、OECDは当時の米国務長官であるキッシンジャーの提唱を受け、1974年にOECDの枠内に自律的な機関としてIEAが設立されました。

当初は石油の供給における混乱に対する集団的対応を実現させることを計画としており、設立したのは、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、ドイツ、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国の、17ヶ国です。

現代のIEA

当初の計画を基盤に、現代のIEAはエネルギーに関する情報を世界的に提供しており、環境とエネルギーに関する問題に対して、多様なプログラムを作成し、実施しています。

さらに、各国々のGDP、エネルギー生産量、電力消費量、二酸化炭素排出量など、1990年から2016年度まで計測されたものをグラフにまとめ、ウェブサイトなどに載せることで、一般の方も世界のエネルギーに関する情報を得ることができます。

日本にとってのIEA

日本はIEA諸活動に積極的に参加しており、2018年度のIEAの正規職員176名のうち10名が邦人職員です。また、日本にとってのIEAの意義は大きく、様々な点で日本のエネルギーの安全を保証しているのです。

例えば、供給途絶の際、日本は石油供給の大半を外国に依存しているため、大混乱を招く可能性があります。しかし、IEAの緊急時対応システムにより、混乱を招く可能性が大幅に低くなります。さらに、IEAはエネルギー政策全般に関して高い国際評価を得ており、日本のエネルギー政策を考えるうえの、知識ベースで重要視されています。