常時バックアップ

常時バックアップとは

常時バックアップとは、「適切な電力取引についての指針」に基づき、新規参入者が旧一般電気事業者に継続的に電力の卸供給を受けることです。例えば、新電力会社が需要者に電力を売ろうとした場合、もともとのベースロード電源の供給量が足りないときに常時バックアップを受けることができます。

全体の常時バックアップの供給量については、新規参入者の需要拡大量の一定割合で、特高圧電力と高圧電力が3割、低圧電力が1割程度の確保されるような配慮を旧一般電気事業者が行う事が適当とされています。

常時バックアップの現状

2000年から、電力小売り部分自由化が開始したことにより、新規参入者が電力小売市場に参入しています。この新規参入者が電力を調達する手法の一つとして、常時バックアップがあります。

常時バックアップの契約は現行の電気事業法の枠外で、法律上の担保はありません。ただし、経済産業省と公正取引委員会が共同で作成した「適正な電力取引についての指針」に差し控えるべき行為などが記されています。

例えば、仮に一般電気事業者が新電力に対して、常時バックアップを拒否したり、正当な理由もなく供給量を制限したり、不当に高い料金を設定したりすると、「電気事業法および独占禁止法上で問題視する可能性が高い」としています。

常時バックアップの今後

常時バックアップは今後、卸市場の活性化とともに、自由な卸取引に代替されていくべきものであるとされています。そのため、新電力が常時バックアップに依存せずとも電源調達が行いやすくなるよう、卸電力市場の活性化などが期待されています。

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