供給能力確保義務

供給能力確保義務とは

電力小売り全面自由化における電力の安定供給確保のために新しく規定された法のことです。空売り規制とも言います。

背景

安定して電気を供給するために、これまでは一般電気事業者に供給義務がありました。しかし、供給義務は一般電気事業者だけが電気を供給することを想定しており、電力小売りの全面自由化により参入した小売電気事業者は義務の対象とされていません。

そのため、これに代わる安定供給確保のための措置として2014年6月11日に改正電気事業法が成立し、新しく供給能力確保義務が規定されました。

供給能力確保義務の内容

以下は供給能力確保義務にあたる新法第二条の十二の全文です。

「二条の十二 小売電気事業者は、正当な理由がある場合を除き、その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を確保しなければならない。 2 経済産業大臣は、小売電気事業者がその小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を確保していないため、電気の使用者の利益を阻害し、又は阻害するおそれがあると認める ときは、小売電気事業者に対し、当該電気の需要に応ずるために必要な供給能力の確保その他の必要な措置をとるべきことを命ずることができる。」

上記における「その小売供給の相手方の電気の需要に応ずるために必要な供給能力を保持しなければならない。」では、実需給の段階での顧客需要の量に一定の予備力(電源の脱落や需要の上振れ等の備え)を加えた量の供給量の確保が必要とされます。

新電力の対応策

電力小売の全面自由化後における安定供給実現の観点から、新制度として計画値同時同量(H28.4~)が作られました。計画値同時同量では、提出した計画値にのっとった発電をすればよく、実需給段階の需要の変動に追随する必要がありません。

新電力では、すでに30分実同時同量制度に対応したシステムを導入していることから、当面は30分実同時同量と計画値同時同量の選択制となります。電力会社が送配電部門を法的乖離する2020年に全面的に計画値同時同量に移行する予定です。

その他安定供給に関する規制等

周波数維持義務

発電量と需要量のバランスを維持する義務のことです。周波数変動が大きいと、発電機の能力低下や発電機の連鎖的な停止が起きてしまいます。そのため供給する電気の品質確保や大停電の防止のため規定されています。

送配電網の建設、保守の義務付け

送配電の建設、保守を一般電気事業者に義務付けています。

最終保障供給義務

どこからも供給が受けられなくなることのないように、セーフティネットとして最終的な電気の供給実施を一般電気事業者が行う義務のことです。これにより万が一小売電気事業者が倒産した場合でも電気の供給を受けることができます。

離島ユニバーサルサービスの義務付け

離島でも他の地域と変わりのない料金水準で電気を供給(全体の負担により費用を平準化)することを義務とします。