石油発電

石油発電とは

石油発電は火力発電の1種であり、石油を燃やすことによって蒸気を発生させその蒸気によって蒸気タービンを回転させて電力を発生させる発電法です。

背景

1750年にコークスを原料とする製鉄炉が発明され、その後の機械工業の急速な発展などにより石炭の大量生産、大量消費が行われて石炭の時代が訪れました。この後、第二次世界大戦がはじまると、石油は液体であるため石炭よりも輸送や貯蔵に適しており、時代は石炭から石油へ移り変わっていきました。しかし、石油は埋蔵量が限られている上、環境への配慮もあり新エネルギーへの転換が進められました。

石油発電の特徴

石油は単価が高く、産出地域に中東が多いためその不安定な情勢に価格が左右されやすいという特徴を持っています。石油は月間電力使用量を300kwh/軒とした場合、約5000KLの内航船1隻から約7,3万軒の電力をまかなうことが可能です。

石炭とLNGとの比較

石炭は石油に比べて埋蔵量が多く単価も安いが他の2つと比べて特に排気ガスの量が多いという特徴があります。LNGは石油、石炭に比べて排気ガスの排出量が少ないことが特徴であり、単価は石油よりは安いが石炭よりは高いです。

石油発電の影響

第二次世界大戦後、発電だけでなく石油化学製品の大量生産などの影響により1973年と1979年にオイルショックが発生し、石油という一つのエネルギー資源に頼り過ぎたことが問題になりました。

また地球温暖化などの環境問題も指摘され、太陽光発電風力発電といった再生可能なクリーンエネルギーの開発が進められました。しかし、現在に至るまでこれらの新エネルギーはまだ日本経済を支えるまでには至っていません。

将来の展望と懸念

現在日本では、原子力発電での発電をほとんどやめLNGや石油での発電が全体の約半分を占めています。さらに、シェールガスやシェールオイルなどによる化石燃料供給量が増えているので石油発電によるコストは減少しています。しかし、今後化石燃料は枯渇する可能性があり、再生可能エネルギーによる代替が望まれています。

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