第1回目の非化石価値取引、26社が参加し約定量は約500万kWh、価格は1.3円~4円/kWh

2018年05月23日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

第1回目の非化石価値取引、26社が参加し約定量は約500万kWh、価格は1.3円~4円/kWhの写真

5月18日、日本卸電力取引所(JEPX)は、「非化石価値」を取引する非化石価値取引市場において、第1回目の入札結果を発表しました。26社が参加し、最低価格は1.3円/kWh、最高価格は4円/kWhとなり、約500万kWhが約定しました。

第1回目の非化石価値取引、26社が参加

非化石価値取引市場は、CO2フリー電源の環境価値を、入札を通じて取引する市場のことです。①高度化法上の非化石電源調達目標の達成後押し、②需要家にとっての選択肢拡大、③固定価格買取り制度による国民負担の軽減、といった目的から創設されることとなりました。

非化石証書は「非化石価値」のほか、「ゼロエミ価値」、そして「環境表示価値」を有します。非化石価値は、高度化法の非化石電源比率算定時に計上できる価値です。ゼロエミ価値は、温対法上のCO2排出係数が0kg-CO2/kWhとなる価値となります。最後に環境表示価値は、小売電気事業者が需要家に対して付加価値を表示できる価値となります。

また、3月2日の「制度検討作業部会」にて「CDP質問書への報告について公式認定された」との説明があり、国際イニシアティブにも適用することができます。[関連記事]

この非化石証書について、入札受付が5月14日より5日間実施され、5月18日に日本卸電力取引所(JEPX)が第1回目の入札結果を発表しました。26社が参加し、最低価格は1.3円/kWh、最高価格は4円/kWhとなり、約500万kWhが約定することとなりました。

この第1回目は、2017年4月~12月に発電されたFIT電気が対象となったオークションとなります。資源エネルギー庁が4月に発表した資料によると、第1回目オークション(2017年4月~12月)にて市場投入される非化石証書量は約530億kWhとされていましたが、約500万kWhの約定に留まりました。これは、2017年度にCO2フリーの電気を販売していた小売事業者が限定的であったため、「購入側」の動きが活発ではなかったことが一因であると考えられます。

取引名 2017 年度非化石証書取引(通年)
2018年5月18日約定処理
約定量 5,155,738kWh
約定最高価格 4.00 円/kWh
約定最安価格 1.30 円/kWh
約定量加重平均価格 1.30 円/kWh
入札参加会員数 26
約定会員数 26

非化石価値取引市場 取引結果通知 出典:JEPX

非化石証書のメニュー類型

非化石証書のメニューは今後、「再エネ指定」と「指定無し」の二種類が創設される予定です。いずれも、非化石価値及びゼロエミ価値には差異がないものの、 環境表示価値に関して差異が発生します(図1)。具体的には、「再エネ指定」メニューの場合、再エネ由来の証書を購入していると訴求可能ですが、「指定無し」メニューの場合は不可能となります。

今回の第1回目で取引された非化石証書は「再エネ指定」メニューです。そのため、再エネ由来の証書を購入していると訴求可能です。

FIT電源に係る証書の全量は「再エネ指定」として販売することと整理されていますが、今回の1回目の入札も、FIT電源の非化石価値のみが入札対象となっています。なお、FIT電源由来以外の非化石証書が取引されるまでは、今後の第2回目以降も、市場で取引される証書の全量が「再エネ指定」となる見込みです。

非化石証書のメニュー

図1 非化石証書のメニュー 出典:経済産業省

設定されている最低価格から最高価格までの買い入札が約定

非化石価値取引市場は、マルチプライスオークション方式が採用されています。この方式では、売り手は成り行き価格のみの入札を行い、約定した場合、買い入札価格が約定価格となります(図2)。

買い入札価格には制限があり、1.3円/kWh以上4.0円/kWh以下とされています。今回、1.3円~4.0円/kWhのレンジで約定しているため、設定されている最低価格から最高価格までの買い入札があり、取引成立したこととなります。

なお、取引単位は1kWh単位と非常に細かく設定可能であり、価格も0.01円/kWh単位で設定できます。また、取引をするにはJEPX取引会員になる必要があり、約定したkWhあたり0.01円(税抜き)の手数料が発生します。

今後のオークションについては、年4回程度実施される予定です。第2回目は、2018年11月の実施が予定されています。

非化石価値取引市場のしくみ

図2 非化石価値取引市場のしくみ 出典:JEPX

今後の新しい市場開設等の動き

今回の非化石価値取引市場のスタートにより、「環境価値を持つ電力」の売買における選択肢が増えることとなりました。また、自然エネルギー由来の電力を調達するニーズも増えることで、情報が一般化し調達ハードルが下がっていくことが期待されます。[関連記事]

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

電力料金プラン

料金プラン(Excel含)

全国各地の料金プラン情報をExcelにてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマークGoogle+でシェア

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

2019年11月以降のFIT満了に向けた取り組み、経産省が売電事業者の受付開始の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年10月25日

新電力ネット運営事務局

2019年11月以降のFIT満了に向けた取り組み、経産省が売電事業者の受付開始

余剰電力買取制度が始まった直後である2009年11月に適用を受けた住宅用太陽光発電設備は、買取期間が10年間のため、2019年11月以降順次、買取期間が満了を迎えます。経済産業省は、こうした電源を買い取る「売電事業者」の登録受付を開始しています。

FIT適用の太陽光パネルに蓄電池を増設するビジネス、今後は可能となる見込みの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年10月18日

新電力ネット運営事務局

FIT適用の太陽光パネルに蓄電池を増設するビジネス、今後は可能となる見込み

10月15日、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会が開催されました。その中で、既認定案件による国民負担 の抑制に向けた対応について議論が行われました。

一般送配電事業者が開発を進める需給調整市場、事業者側で必要な対応とはの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年10月16日

新電力ネット運営事務局

一般送配電事業者が開発を進める需給調整市場、事業者側で必要な対応とは

現在、2021年4月の需給調整市場開設に向けて、一般送配電事業者を代表して東京電力PGおよび中部電力が共同で「需給調整市場システム」の開発を進めています。今回の記事では、「需給調整市場」について概要を整理します。

新電力の実態調査、4分の1以上が売上100億円以上、帝国データバンクが分析の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年09月11日

新電力ネット運営事務局

新電力の実態調査、4分の1以上が売上100億円以上、帝国データバンクが分析

帝国データバンクは9月、「登録小売電気事業者」に登録された全国508社(2018年8月9日時点)について、自社データベースである企業概要ファイル「COSMOS2」(147 万社収録)などを基に、都道府県別、設立時期、業種別、年売上高別、上場区分別等に集計・分析した結果を発表しました。

FIT制度、2018年度の認定期限、概ねの発電設備で2019年1月11日までの申請が必要の写真

一般社団法人エネルギー情報センター

2018年09月05日

新電力ネット運営事務局

FIT制度、2018年度の認定期限、概ねの発電設備で2019年1月11日までの申請が必要

資源エネルギー庁は8月31日、FIT制度における2018年度中の認定申請等にかかる期限日や、標準処理期間及び運用ルールの一部見直しを発表しました。申請時に接続同意書類の提出が必須になる等の変更が加えられます。