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研究・調査報告

東北大、リチウムイオン電池電極からの金属溶出を可視化する技術を開発

東北大、リチウムイオン電池電極からの金属溶出を可視化する技術を開発の概要写真
(発表日:2025年2月14日)

リチウムイオン電池電極からの金属溶出を可視化する技術を開発

二次電池の長寿命化と安全性向上への貢献に期待

【発表のポイント】
●磁気共鳴断層撮影法(MRI)(注1)を用いて、リチウムイオン電池(注2)の充放電のその場観察に成功しました。
●リチウムイオン電池正極からの遷移金属イオン溶出をMRIで可視化しました。
●マンガン酸リチウム(LiMn2O4:LMO)正極からのMnイオン(Mn2+)溶出の機構を解明しました。
●遷移金属イオンの溶出を抑える新規電解液の特性を実証しました。

【概要】
リチウムイオン電池(LIB2)は、スマートフォンや電気自動車(EV)などに幅広く利用されていますが、経年劣化による交換費用や劣化電池の安全性への危惧が大きな社会問題となっています。電池劣化の要因は幾つかありますが、その一つとして電池材料の分解と溶出の可能性が指摘されています。東北大学多元物質科学研究所のヘラー ニチヤ(Hellar Nithya)学術研究員らのグループは、MRIを用いて、リチウムイオン電池の正極材料であるLMOからマンガンイオンが電解液中に溶出する様子をリアルタイムで可視化する手法を開発し、電池の充放電時にマンガン(Mn)が溶出する電圧や場所や溶出挙動を視覚的かつ定量的に測定することに成功しました。この技術を用いて、ドイツ・ミュンスター大学のミュンスター電気化学エネルギー技術研究所(MEET:Munster Electrochemical Energy Technology(◇))で開発された新しい電解液を分析し、LMO正極からMnイオンの溶出が殆ど起こらないことを実証しました。この技術は、Mn以外の遷移金属やリチウム硫黄電池の硫黄の溶出にも応用できるため、リチウムイオン電池の長寿命化や安全性向上に役立つことが期待されます。

◇「Munster Electrochemical Energy Technology」の正式表記は添付の関連資料を参照

本成果は、2025年2月13日に、材料科学分野の専門誌、Communications Materialsに掲載されました。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

「Munster Electrochemical Energy Technology」の正式表記
https://release.nikkei.co.jp/attach/686901/01_202502141155.pdf

《本プレスリリースの詳細は、以下のURLをご確認ください。》
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/02/press20250214-01-mri.html

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