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研究・調査報告

富士経済、リチウムイオン二次電池の世界市場調査結果を発表

富士経済、リチウムイオン二次電池の世界市場調査結果を発表の概要写真
(発表:2022年05月16日)

リチウムイオン二次電池の世界市場を調査
—2025年市場予測(2020年比)—

■リチウムイオン二次電池 12兆3,315億円(84.1%増)
 変わらず市場をけん引するxEV用は9兆円超まで拡大
 伸び率高いESS/UPS/BTS用は1兆円突破

■リチウム二次電池(コイン) 1,696億円(2.7倍)
 ワイヤレスイヤホンの普及、補聴器向けでの一次電池からのシフトにより、拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 清口 正夫)は、環境保護の観点からxEVが普及し、それに伴い拡大するリチウムイオン二次電池の世界市場を調査した。その結果を「2022 電池関連市場実態総調査<上巻・電池セル市場編>」( https://www.fuji-keizai.co.jp/report/detail.html?code=172106838)にまとめた。

この調査では、リチウムイオン二次電池をはじめとする二次電池と一次電池の市場、主要応用製品5品目における電池需要を捉えた。

<注目市場>
■リチウムイオン二次電池(LIB)の世界市場
※表資料は添付の関連資料を参照
LIBは二次電池の中で最もエネルギー密度が高く、小型化や高出力化に対応できる電池として、ニッケル水素電池や鉛蓄電池などから需要がシフトしている。EV最大の生産地・需要地である中国を中心とするEV需要の増加によりxEV用が伸びていることから、2021年の市場は前年比57.0%増の10兆5,126億円が見込まれる。

2025年の市場は12兆3,315億円が予測される。EVの開発計画が多数あり、自動車メーカーによるEVの販売目標の上方修正もみられることから、今後もxEV用が市場をけん引すると予想される。また、ESS/UPS/BTS用も二桁増を続け、2025年には1兆円突破が予測される。

[xEV用]
Teslaをはじめとする自動車メーカーのEV生産の拡大、環境規制と導入インセンティブによるEVの販売増加により、2021年の市場は前年比84.2%増が見込まれる。特に、中国における補助金政策の延長や、トラック・バスやタクシーなどの公共用車両でのEV導入がけん引している。また、フードデリバリーサービスでの利用が急増しているE−Bike/Scooterでは、需要の中心である中国で国家標準が改定され、バッテリーを含む車両重量が55kg以下と定められたことで、鉛蓄電池より重量が軽いLIBへシフトしている。
EVの開発計画も多数あり、自動車メーカーによるEVの販売目標の上方修正がみられることから、今後も市場は拡大していき、2025年の市場は2020年比2.1倍の9兆3,890億円が予測される。

[小型民生用(シリンダ型/角型/ラミネート型)]
2020年は、巣ごもり需要から電動工具や園芸工具が伸び、テレワークの普及からノートPC向けが伸びたことで、市場が拡大した。2021年はシリンダ型で前年に大きく伸びた反動がみられたが、2022年以降は再び拡大が予想される。
電池種別では、シリンダ型は電動工具や園芸工具、電動アシスト自転車などのモーターを駆動させるパワー用途が伸びている。また、コンシューマ・エレクトロニクス製品では、モバイルバッテリーやワイヤレスイヤホンでの需要も好調である。ラミネート型はコンシューマ・エレクトロニクス製品が中心で、スマートフォンやワイヤレスイヤホン向けが伸びており、ワイヤレスイヤホン向けでは小型化が進展している。角型はラミネート型へのシフトがみられる。

[ESS(電力貯蔵システム)/UPS(無停電電源装置)/BTS(無線基地局)用]
LIBは競合となる鉛蓄電池と比較すると長寿命であり、省スペース化が可能である。現時点では、UPSやBTSでは鉛蓄電池が主流であるが、ESSでは入出力特性に優れるLIBの採用が進んでいる。太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギー発電の増加により、家庭での発電電力の自家消費、発電事業者による系統安定化など幅広い用途で導入されており、市場は米国、中国、欧州での需要がけん引している。

米国ではカリフォルニア州で新築住宅での太陽光発電システムの設置が義務化されたことや、カリフォルニア州以外でも電力安定化や再生可能エネルギーの変動吸収などを目的とした発電事業者によるESS設置が義務付けられたことから、需要増加が期待される。また、中国では、BTSでも環境配慮・廃棄の観点から鉛蓄電池からLIBへの置き換えが加速している。欧州では、原子力発電所の閉鎖が予定されるドイツで家庭用電気料金が上昇しており、家庭用ESSが伸びているほか、イギリスでは家庭で5,000kW以下のESSを導入すると売電できる制度が2020年に開始され、今後の伸びが期待される。
米国、中国、欧州でESSの設置が進むことでESS/UPS/BTS用LIBの市場は拡大を続け、2025年には1兆円を突破すると予測される。

※以下は添付リリースを参照
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
表資料
https://release.nikkei.co.jp/attach/632332/01_202205161652.JPG

添付リリース
https://release.nikkei.co.jp/attach/632332/02_202205161652.pdf
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