マイクロガスタービン

マイクロガスタービンとは

マイクロガスタービンは、ガスタービンを小型化したもので、15~300 kWのエネルギーを作ることができる発電機です。特徴としては、高速回転による小型化、再生サイクルを加えることで熱効率の向上を図っていることが挙げられます。

背景

マイクロガスタービン技術の基礎となるガスタービンは、古くから開発が進められていており、19世紀後半から進められていたと言われています。しかし、ガスタービンを開発する上で必要な、耐久性の高い素材が当時はなく、同時期から進められていた発電機より実用化が遅れ、1930年になって試作品ができました。

そして、航空機、船舶、自動車、鉄道、発電機など多くの分野への適用を目標に開発が進められ、航空機のエンジンとしていち早く適応されました。理由としては、ガスタービンは他の発電機と比較すると小型で軽量であったため、航空機には適したエンジンであったのです。

一方他分野への適応は、他のエンジンと比較して熱効率が低いということから、研究は低迷状態が続きました。しかし、1990年のアメリカ カリフォルニア州が制定した自動車の排気ガス規制により、窒素酸化物の排出が少ないガスタービンの自動車分野への適応が見直され、小型化したガスタービンの開発が進められるようになり、現在のマイクロガスタービンの誕生へとつながりました。

発電方法

マイクロガスタービンは、空気を圧縮するために圧縮機、発電機、タービン、燃焼器、再生サイクルから構成されます。発電の流れとしては、空気を圧縮器で圧縮し、高圧の空気を作ります。

そして、高圧の空気を用いて、燃料を燃やし、ガスタービンの羽根を回すことで、発電機で発電をします。そして再生サイクルでは、発電で使用した高温の排ガスを利用し、圧縮器で加圧された空気を温め、熱効率を向上させます。

また、現在ではコージェネレーションと呼ばれる、電気以外に熱などを取り出すシステムの搭載もされ、熱効率を向上させていることがあります。このシステムでは、高温の排ガスを利用し、水を蒸気や温水に変換し、無駄なくエネルギーを使用することができます。

他の発電機との差異

マイクロガスタービンは酸性雨や人体の呼吸器官に影響を及ぼす窒素酸化物の排出が少ないことが挙げられます。一般に、窒素酸化物は燃焼温度が高温であればあるほど発生量が大きく増大します。

例えばディーゼルエンジンは、断続的な燃焼をさせるため温度は非常に高く、窒素酸化物を多く排出しますが、マイクロガスタービンは、他のエンジンと比べ、低温で発電を行うため、窒素酸化物の発生量は少ないです。

また、構造がシンプルでメンテナンスも低頻度ということが挙げられます。悪い点としては、熱効率が他の熱機関より低いという問題があります。

用途

マイクロガスタービンは分散型電源としての適応性が高いです。分散型電源とは、規模の小さな発電システムのことで、大手の電力会社が送電の困難な離島や大規模に電気を使用する施設の自家発電や病院などの非常用電源に用いられる電源のことです。

マイクロガスタービンは、発電に特化した場合、熱効率が低いですが、前述のコージェネレーションを取り入れれば、エネルギーを有効に利用することができます。

そのため、電気の他に多くの熱を使用する施設では、分散型電源として、マイクロガスタービンの適応がしやすく、全体の熱効率も60~80%に向上することができます。

また、ディーゼルエンジンやガスエンジンを分散型電源として適応した場合と比べ、メンテンナンスや部品の取り換え頻度も低く、環境面に関してもマイクロガスタービンが優れています。

今後の展望

コージェネレーションの適応で、マイクロガスタービンの欠点である熱効率を向上することはできるため、寒冷地や離島での分散型電源として今後も使用されていくと考えられます。

また、SOFC(燃料電池の一種)とマイクロガスタービンを組み合わせた発電システムとして、一般に普及することも期待されています。この発電システムでは、燃料を燃焼させずに燃料電池部分で都市ガスから水素と一酸化酸素を取り出し、酸素と反応させ化学反応により発電を行います。

そして残った燃料を用いてマイクロガスタービンで発電をするというシステムです。このシステムにより、高熱効率、低炭素社会の実現へと寄与できます。