水素エネルギーキャリア (Hydrogen energy carrier)

水素エネルギーキャリアとは

気体のままでは貯蔵や長距離の輸送の効率が低い水素を、液体や水素化合物にして効率的に貯蔵・運搬する方法のことです。一般的に「エネルギーキャリア」と呼ばれます。

Hydrogen in gaseous form is difficult to transport or store. Hydrogen energy carriers allow the efficient transport and storage of the substance in large quantities as a liquid or a hydrogen compound.

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水素社会の実現を目指す中で、水素の製造・輸送・貯蔵は難易度が高く、現状の水素製造コストはガソリンの数倍となっているなど、技術的にもコスト的にも課題が多くあります。そこで日本では、産官学連携で研究開発から実証を進めていく「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)」の一つのテーマとして、エネルギーキャリアが組み込まれました。

CO₂フリー水素の製造から、液化水素、有機ハイドライド、アンモニアという3つのキャリアによる輸送・貯蔵、利用までの主要な技術開発を行います。

3つのエネルギーキャリアの中では、「液化アンモニア」の体積当たりの水素密度が最も大きく、常圧下で-33度、または常温で8.5気圧といった条件で液化します。このアンモニアの液化条件は、LPG(液化石油ガス)の液化条件とほぼ同じであるため、現在のLPGと同様のインフラ技術で輸送、貯蔵することが可能であるという点で注目されています。

「キーワードでわかる! 脱炭素と電力・エネルギー[中級編]」より