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2020年度のFIT制度、改正FITに続く抜本見直し、地域活用(自家消費、地域一体型)の要素が取り入れられる見込み

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改正FIT法の成立から2年以上が経過し、再エネに関する状況も変化する中、再エネ特措法においては、2020度末までに、さらなるFIT制度の抜本見直しを行う旨が規定されています。これにより、今後のFIT認定に関して「地域活用要件(自家消費、地域一体型)」が求められるようになる見込みです。

FIT制度の抜本見直し

2012年から始まったFIT制度は、再エネ普及度・経済への影響等を加味し、国による議論が行われ、年度ごとに内容の調整が行われてきました。このFIT法において、抜本的な改定があったのは、2016年の第190回通常国会において成立した改正FIT法です。その後、2017年4月に施行された改正FITにより、「入札制度の導入」「複数年度の調達価格等の設定」「メンテナンス(O&M)義務化」等が導入されることとなりました。

この改正FIT法の成立から2年以上が経過し、再エネに関する状況も変化する中、再エネ特措法においては、2020度末までに、さらなるFIT制度の抜本見直しを行う旨が規定されています。

この規定を踏まえ、令和元年9月以降、再生可能エネルギー主力電源化制度改革小委員会において、①電源特性に応じた支援制度、②地域に根差した再エネ導入の促進、③再エネ主力時代の次世代電力ネットワークといった観点から、FIT制度の抜本見直しの検討が進められました。その後、令和元年12月に中間取りまとめに向けた審議が行われ、調達価格等算定委員会において、調達価格等の検討が行われることとなりました。

抜本的見直し①、地域活用要件(自家消費)の設定

需要地に近接して柔軟に設置できる電源(住宅用太陽光発電・小規模事業用太陽光発電等)や地域に賦存するエネルギー資源を活用できる電源(小規模地熱発電・小水力発電・バイオマス発電等)は、「地域活用電源」として、災害時のレジリエンス強化にも資するよう、需給一体型モデルの中で活用していくことが期待されています。そのため、地域活用要件を設定することが議論されています。

具体的には、自家消費に加え災害時の非常用電源として活用可能な「自家消費型の地域活用要件」と、災害時に電気・熱が地域において活用できるという「地域一体型の地域活用要件」について、検討が行われています。この内、小規模事業用太陽光発電(10-50kWの低圧)については、2020年度から「自家消費型の地域活用要件」を設定する方向で議論が整理されています。

具体的には今後、FIT認定時に必要な情報として、自家消費計画30%が求められることとなります。また、運転開始後においても、自家消費比率30%を基準として取締りが行われる見込みとなっています。

国によるヒアリングや機械的な計算によると、現在の住宅用太陽光発電の自家消費比率の想定値は30%となっており、実績も概ね30%となっています。この想定値を参考として、FIT認定時に自家消費計画30%が求められることとなります。

施工時期については、2020年4月以降の新規認定案件が対象となります。なお、2019年度の認定申請期限日後のFIT申請案件には、2020年度認定案件として地域活用要件が求められることとなります。

自家消費の確認方法

自家消費の確認に当たっては、ごくわずかな自家消費を行う設備が設置され、実質的に全量売電となることを防ぐ必要があります。このため、FIT認定時と運転開始後のそれぞれにおいて、次のとおり、自家消費の確認をすることとされています。

FIT認定時における自家消費の確認

FIT認定時に、自家消費比率30%以上の自家消費を行う「自家消費計画」の提出が求められることとなります。さらに、「自家消費計画」に基づく自家消費が可能な設備となっていることが、配線図等に基づき確認が行われます。

運転開始後における自家消費の確認

運転開始後においては、自家消費量が減少して実質的に全量売電となっている再エネ発電事業者が生じることを防ぐ必要があります。このため、運転開始後の自家消費の継続を制度的に担保するための措置が講じられています。具体的には、買取電力量に基づき、制度上想定している自家消費比率を構造的に満たし得ないと疑われる案件については、当該再エネ発電事業の具体的な状況を確認した上で、必要と認められる場合にはFIT認定の取消し等の厳格な措置が行われることとなります。

抜本的見直し②、「地域活用要件(地域一体型)」の設定

今後のFIT認定において、小規模地熱発電・小水力発電・バイオマス発電といった地域一体型発電については、「地域活用要件」が求められることになる見込みです。「地域活用要件」は、「災害時(停電時)の電気・熱の活用」、「地域マイクログリッド 」、「地方自治体が主体的に取り組む案件」といったことが必要とされ、施行時期は2022年4月になることが想定されています。

2020年度、2021年度のFIT認定案件については、「推奨事項」として地域活用を求めるものと位置付けられます。また、2022年4月までの間にて、地域活用を行う案件の公表・推奨の在り方が検討されることとなります。

なお、地熱発電について、少なくとも2022年度に地域活用電源となり得る(地域活用要件がFIT支援の要件となり得る)可能性がある規模は、2000kW 未満と想定されています。同様に、中小水力発電については1000kW未満、バイオマス発電については10000kW 未満とされています。

営農型太陽光発電は災害時の活用が可能であればFIT認定

営農型太陽光発電は、「農林水産行政の分野における厳格な要件確認」を条件に、自家消費を行わない案件であっても、災害時の活用が可能であれば、「地域活用要件」を満たすものとして認められます。このため、営農型太陽光発電については、自家消費なしでもFIT認定が行われるものと考えられます。

農林水産省は、特に営農が適切に継続される蓋然性が高い場合や、荒廃農地の再生利用の促進が期待できる場合等については、10年間の農地転用を認めています。こうした10年間の農地転用が認められ得る案件は、地域活用要件を満たすこととなり、「農林水産行政の分野における厳格な要件確認」を得たものとされます。

また、災害時のブラックスタート(停電時に外部電源なしで発電を再開すること)が可能であることを前提とした上で、給電用コンセントを有し、災害時の利活用が可能であることが求められます。

太陽光発電の入札範囲、今後は250kW以上に

2017年4月の再エネ特措法改正により入札制が導入されて以降、事業用太陽光発電については、これまでに合計5回の入札が実施されています。その入札対象範囲については、最終的には事業用太陽光発電の全てを入札対象範囲としていくこととしており、具体的な規模は、競争環境の成立状況を検討した上で決定されてきました。

これまで「2000kW以上」、「500kW以上」と段階的に拡大してきた入札対象範囲は、2020年度も引き続き拡大することとなりました。具体的には、2020年度の事業用太陽光発電の入札対象範囲は「250kW以上」となりました。

2020年度の調達価格、2019年度からの変更点

太陽光発電については、入札制度が250kW以上に拡大されたほか、全ての規模において調達価格の低減が実施され、2020年度は10kW未満が21円、10kW以上50kW未満が13円+税、50kW以上250kW未満が12円+税と設定されます。また、10kW以上50kW未満には、2020年度から自家消費型の地域活用要件が設定されます。ただし、営農型太陽光発電については「農林水産行政の分野における厳格な要件確認」を満たす場合、自家消費なしでもFIT認定が行われるものとされます。

風力発電については、着床式洋上風力発電(再エネ海域利用法適用案件)について、入札制に移行し、調達期間は20年間と設定されます。

地熱、水力発電については、2019年度より変更はない見込みとなっております。

バイオマス発電について、「主産物・副産物を原料とするメタン発酵バイオガス発電」については、2019年度の段階では具体的なコストデータが得られるまでの当面の間、FIT 制度の新規認定を行わないこととされていました。2020年度の議論においては、仮に調達価格39 円で事業を実施した場合、小規模案件(50kW)の想定 IRR は▲2%程度、大規模案件(30,000kW)の想定 IRRは10%程度となりました。

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