「RE100メンバー会」発足、国際イニシアチブ「RE100」加盟の日本企業が結集し再エネ普及を推進
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2019年06月04日
一般社団法人エネルギー情報センター

日本国内のRE100加盟を支援する団体であるJCLPは「RE100メンバー会」を発⾜したと発表しました。「RE100メンバー会」は、RE100に加盟する日本企業が集まり、専⾨家や政策⽴案者等との対話を通じて、メンバー同⼠の協働や政策提⾔などを検討・実施するものとなります。
日本のRE100メンバーが結集した「RE100メンバー会」発足
近年は気候変動の影響が顕在化する中、国際社会は危機感を強め、政策の強化を進めています。パリ協定は「気温上昇を2℃未満に抑えるため、今世紀後半の温室効果ガスの実質ゼロを目指す」旨を明記し、大きな政策転換が進むというシグナルを世界へ発信しました。
その後、GHG最大の排出国である中国が排出量取引を開始し、世界各国で再生可能エネルギーの導入拡大が進んでいます。また、ディーゼル車とガソリン車の販売や石炭火力発電への規制強化が進むなど、「排出ゼロ」を見据えた政策強化が進んでいます。
脱炭素化の動きの中、化石燃料資産の多くが座礁資産化するリスクがあるとして、投資家らがポートフォリオの見直しを始めています。また、炭素価格付け政策等により、製品・サービスの競争力に新たな軸が加わるほか、消費者サイドでも、企業の気候変動対策への関心が高まりつつあります。
こうした脱炭素化を促す国際イニチアチブに「RE100」があります。RE100は、事業で使⽤する電⼒の再エネ100%化にコミットするものです。企業が結集することで、政策⽴案者および投資家に対してエネルギー移⾏を加速させるためのシグナルを送ることが期待されています。
現在、RE100には情報技術から⾃動⾞製造まで、フォーチュン・グローバル500企業を含む多様な分野の企業が加盟し、その売上合計は4兆5000億⽶ドルを超えるとされています。
RE100は、The Climate GroupがCDPとのパートナーシップのもとで主催しており、⽇本では2017年4⽉より⽇本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)が地域パートナーとして、⽇本企業の加盟を⽀援しています。
なお、CDPに署名をする機関投資家の数は年々増加しており、CDPの点数を高めることは、多くの機関投資家に良いアピールができる状況となりつつあります(図1)。

図1 CDP署名機関の推移 出典:東京都
こうした中、JCLPは「RE100メンバー会」を発⾜したと発表しました。「RE100メンバー会」は、RE100に加盟する日本企業が集まり、専⾨家や政策⽴案者等との対話を通じて、メンバー同⼠の協働や政策提⾔などを検討・実施するものとなります。
現在、RE100に加盟する⽇本企業19社の国内電⼒消費量は約13TWhで、⽇本の総電⼒消費量の約1.4%を占めます。JCLPは、「今後も再⽣可能エネルギーを求める企業が増えていくことに鑑み、RE100メンバー会では、⽇本における再⽣可能エネルギーの普及を推進すべく、需要家企業の声と力を結集し、様々な取組みを進めていく」としています。
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