風力・地熱発電の環境アセスメント期間半減、NEDOが迅速化ガイドを公表

2018年04月13日

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

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NEDOは3月、風力発電施設と地熱発電施設を対象とした、環境アセスメント期間の半減に役立つ「環境アセスメント迅速化手法のガイド」を公表しました。ガイドでは「前倒環境調査」という方法を提示しており、現況調査等に先行または同事変列で配慮書手続などを実施することで、期間短縮を実現するものです。

「前倒環境調査」により環境アセスメント期間を短縮

一定規模以上の風力発電設備と地熱発電設備を建設・増設する際には、環境アセスメントを実施することが環境影響評価法により定められています。日本においては、風力発電所、地熱発電所では、出力1万kW以上が「第1種事業」とされ、環境アセスメントの手続を必ず行う必要があります。出力7500kW~1万kWは「第2種事業」と定められ、手続を行うかどうかは個別に判断されることとなります。

しかしながら、その手続きには4年程度と長い期間を要します。そのため、風力発電と地熱発電の更なる普及のためには、アセスメントの質を落とさずに手続期間を短縮することが求められています。

そのためNEDOは、風力発電施設と地熱発電施設を対象とした、環境アセスメント期間の半減に役立つ「環境アセスメント迅速化手法のガイド」を公表しました。ガイドでは「前倒環境調査」という方法を提示しており、現況調査等に先行または同事変列で配慮書手続などを実施することで、期間短縮を実現するものです。

今回のガイドは、NEDOが2014年度から実施している「環境アセスメント調査早期実証事業」で得られた知見が活用されています(2018年2月末にすべての実証事業が終了)。環境アセスメントの質を落とさず手続期間が短縮され、風力発電と地熱発電の導入が円滑化されることが期待されます。

一般的な工程と「前倒環境調査」の比較

環境影響評価法に基づく一般的な工程では、方法書手続による手法に基づき、現況調査が実施されます。そして、環境影響の予測・評価等を行って準備書を作成し、準備書手続が行われる流れとなります。

一方で、NEDOが迅速化の手法として提示する「前倒環境調査」とは、方法書手続等に先行又は同時並行で現況調査等を実施する手法です。多くの作業を並列的に進めていくため、環境アセスメントの期間を短縮できると期待できます(図1)。一方、前倒環境調査は、期間短縮のメリットがありますが、調査等の手戻りのリスクを伴います。どこまでリスクを許容するかは、環境影響評価の実施主体である事業者の総合的判断に委ねられます。

環境アセスメント手続期間の半減工程イメージ

図1 環境アセスメント手続期間の半減工程イメージ 出典:NEDO

風力発電、一般的な工程では環境影響評価に3~4年

陸上風力発電の一般的な事業工程では、ます2年程度をかけて事業性調査(風況調査等)が実施されます。その結果、事業化となった場合には、3~4年程度の環境影響評価が行われます。そして、1年程度の各種許認可等の手続き、2年程度の設置工事を経て、運転開始に至ります(図2)。

環境影響評価法に基づく手続き期間は、特に迅速化を図っていない一般的な工程では3~4年程度を要するものと想定されます。

環境影響評価は、一般的に事業化判断後に行われます。そのため、事業化判断後に、環境影響評価手続きが長期間となることは、市場環境の変化、規制・制度の変化、事業者の費用負担等、事業化へのリスクを増大させます。

大型風力発電運転開始までの一般的なプロセス

図2 大型風力発電運転開始までの一般的なプロセス 出典:NEDO

地熱発電、一般的な工程では風力と同様、環境影響評価に3~4年

地熱発電所の一般的な事業工程では、地元理解を得た上で、2年程度をかけて調査(掘削調査等)が行われた後、3年程度をかけて探査(調査井掘削等)が実施されます。これらの手順により、資源量や経済性等が評価され、事業化の判断が行われます。

その後、3~4年程度の環境影響評価手順が実施された後、3~4年程度の開発及び設置工事を経て、運転開始に至ります(図3)。

地熱発電の事業特性の1つとして、運転開始までのリードタイムが長いことが挙げられますが、環境影響評価に要する時間を短縮することで、事業負担の軽減などが期待できます。

地熱発電の環境影響評価の所要期間(一般工程)

図3 地熱発電の環境影響評価の所要期間(一般工程) 出典:NEDO

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