法人向け 家庭向け

北海道電力によるエリアインバランスの誤算定、全国のインバランス料金にも影響が及ぶ

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

北海道電力によるエリアインバランスの誤算定、全国のインバランス料金にも影響が及ぶの写真

中部電力に引き続き、北海道電力も1月23日に誤算定によるエリアインバランス量(kWh)報告値への影響を経産省に報告しました。誤算定によるエリアインバランス量は合計で約3億58百万kWhとなります。また、今回の誤算定で全国各エリアのインバランス料金精算にも影響が及びます。

北海道電力、誤算定によるエリアインバランス量を経産省に報告

中部電力に引き続き、北海道電力は1月23日に誤算定によるエリアインバランス量(kWh)報告値への影響を経産省に報告しました。2017年1月12日に、北海道電力が経済産業省へインバランス誤算定を報告し、同日付で経済産業省から報告徴収を受領したことへの対応となります。今回の1月23日における報告の前、1月18日にも誤算定の概要、原因、再発防止策等について取りまとめ、経済産業省へ報告しています。

2016年4月から11月までの、誤算定がなかった場合のエリアインバランス量は合計で約1億97百万kWhの不足となります。また、誤算定によるエリアインバランス量は合計で約3億58百万kWhとなります(図1)。

誤算定によるエリアインバランス量(kWh)への影響

図1 誤算定によるエリアインバランス量(kWh)への影響 出典:北海道電力

なぜ誤算定したのか

エリアインバランスは、発電インバランス(発電実績 - 発電計画)と 需要インバランス(需要計画 - 需要実績)を加算したものです。このエリアインバランスの算定について、域外分の考慮漏れがあり、それが誤算定の原因だと考えられています(図2)。

北海道におけるエリアインバランスの誤算定例

図2 北海道におけるエリアインバランスの誤算定例 出典:北海道電力

今回、北海道のエリアおよび需要インバランスが正しく算定されていなかったことにより、現行のインバランス制度が開始された平成28年4月以降の調整項(α値)の算定に影響を及ぼすこととなります。調整項(α値)の算定に影響を及ぼしているため、調整項(α値)の補正が必要となります。つまり、北海道エリアのみならず、全国各エリアのインバランス料金精算にも影響が及ぶこととなります(図3)。

北海道電力のエリアインバランス誤算定による全国への影響イメージ

図3 北海道電力のエリアインバランス誤算定による全国への影響イメージ 出典:北海道電力

改善や再発防止に向けた取り組み、システム改修による対策などで対応

北海道電力は今回の件について、改善策と再発防止策を打ち出すことにより対応するとしています。まず、改善策としては「システム改修による対策」を実施するとしています。内容としては、託送業務システムの改修を実施し、エリアインバランス算定の定義を正しいものに見直すものです。

これまで、エリアインバランス算定プログラムの作成に際して、仕様の根拠となる書類等の確認が不十分であり、本来考慮すべき「域外分」の加減がシステムに反映されていなかったとしています。この託送業務システム改修は、平成29年3月末完了を目指すとのことです。なお、それまでの対策としては、暫定的に、手処理によりエリアインバランス によりエリアインバランス算定を実施します。

再発防止策としては、「システム構築におけるチェック体制の強化」を実施するとしています。まず、これまでの問題点として下記の2点を挙げています。

  1. 制度変更に関する情報収集の不足
  2. 仕様の確認が不十分

上記2点の問題点に対応するために、「システム構築におけるチェック体制の強化」として、下記3点の対応をとるとしています。

  1. 他の一般送配電事業者と連携した自社仕様の確認
  2. システム仕様検討箇所による確実な仕様確認
  3. 再発防止対策の水平展開を実施

電力の安定供給には影響なし

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

統計情報

統計情報(Excel含)

エネルギー関連の統計情報をExcel等にてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 〒160-0022
東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年02月11日

新電力ネット運営事務局

電力小売全面自由化から10年 数字が語る制度と市場の現実【第3回】なぜ私たちは、10年経っても「電気代の比較」で迷い続けるのか

電力小売全面自由化から10年が経過し、電気料金のメニューや契約形態は大きく多様化しました。 一方で、どの電気契約が有利なのかという問いは、いまも多くの現場で解消されないまま残っています。 見積書を並べ、単価を比較し、条件を読み込んでも、最後の判断に踏み切れない。こうした迷いは、単なる理解不足や情報不足として片づけにくいものになっています。 判断が難しくなる背景には、情報の量ではなく、比較に持ち込まれる情報の性質が揃わなくなったことがあります。 単価のように「点」で示せる情報と、価格変動や運用負荷のように時間軸を含む「線」の情報が、同じ比較枠の中で扱われやすくなっているためです。 本稿では、この混線がどこで起きているのかを整理します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年01月19日

新電力ネット運営事務局

2025年の電力先物市場:年間取引量4,583GWhで過去最高更新、年度物導入と中部エリア上場を控えた市場の変化

価格変動リスクへの対応を意識した取引行動が、実務レベルで具体化し始めた一年となりました。 制度面では年度物取引の導入、取引環境では流動性改善やコスト低減策が進み、企業側では中長期のヘッジ設計を見直す動きが重なりました。こうした複数の要因が同時に作用した結果、東京商品取引所(TOCOM)における電力先物の年間取引量は約4,583GWhと、前年比約5倍に拡大し、過去最高を更新しています。 中でも、東エリア・ベースロード電力先物が前年比約5倍、西エリア・ベースロード電力先物が前年比約3倍と伸長し、主要商品の取引が全体を押し上げた形となりました。加えて、2025年5月に取引を開始した年度物取引も、市場拡大を牽引する要素となっています。 本稿では、2025年通年の動向を中心に、市場拡大の背景と今後の論点を整理します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年01月19日

新電力ネット運営事務局

電力小売全面自由化から10年 数字が語る制度と市場の現実【第2回】10年で広がった、「経営の期待」と「現場の実務」の距離

「自由化から10年」という節目を迎え、制度の成果や市場の成熟度をめぐる議論が活発化しています。 現場の会話をたどると、同じキーワードでも立場により意味がずれます。 たとえば、経営の「コスト削減」は現場では「業務負荷の増加」、制度側の「安定供給」は供給現場では「柔軟性の制約」として現れます。 第2回では、こうした変化のなかで生じている立場ごとの認識のずれを整理し、経営・現場・供給事業者という三つの視点から、なぜ議論が噛み合わないのかを構造的に考察します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年12月31日

新電力ネット運営事務局

電力小売全面自由化から10年、数字が語る制度と市場の現実【第1回】数字の区切りに惑わされず、いまの制度と市場を見直す

「自由化から10年」という言葉が、各所で頻繁に取り上げられるようになりました。 しかし、制度の導入や市場設計の見直しが今も続いており、電力を取り巻く環境は「完成」に近づくどころか、なお変化の途上にあります。 本稿では、数字がもたらす完了感と、制度・市場の実態との間にあるずれを整理し、“節目”という言葉の意味をあらためて考えます。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年12月27日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第5回】社会実装と中長期シナリオ 2030年代のロードマップと日本の戦略

これまで4回にわたり、核融合という次世代エネルギーの可能性を、研究・技術・制度の観点からたどってきました。長らく“夢のエネルギー”と呼ばれてきた核融合は、いま確実に社会の現実へと歩みを進めています。 最終回となる今回は、社会実装に向けたロードマップと、日本が描くべき中長期戦略を考えます。 核融合が“希望の象徴”で終わらず、私たちの暮らしに息づくエネルギーとなるために、次の時代に向けた道筋を描きます。