法人向け 家庭向け

ライセンスを持たない電力小売参入、取り次ぎ・代理店・媒介制度

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

ライセンスを持たない電力小売参入、取り次ぎ・代理店・媒介制度の写真

電力小売の全面自由化に伴い、様々な業態の企業が参入すると想定されます。その中で、電力小売りのライセンスを取得していない企業が小売り事業に参入する類型と営業ルールについて概観します。

ライセンスを取得してない企業の電力小売参入

電力の小売りが全面自由化されると、様々な業態からの参入が想定されます。通常、電力の小売事業を遂行するにはライセンスの取得が必要ですが、事業参入したい企業の全てがライセンス取得に必要な要件を満たしているわけではありません。しかし、参入障壁を高くすることは、サービスの多様化等による社会全体の便益を阻害する恐れがあります。そのため、小売電気事業のライセンスを有しない場合であっても、小売供給契約の「代理店」、「取次ぎ」 又は「媒介」を行うことは、電気事業法上許容されます。

代理店販売

A社(小売電気事業者)が仕入れた電気をB社(代理企業)が独自の料金メニューとして販売することを、代理店販売といいます。B社はA社と代理契約を締結し、B社が持つ他のサービス(通信等)とのセット契約などを目的として、独自の料金メニューによる営業が可能となります。

電力の代理店について

出典:電力システム改革小委員会

取り次ぎ販売

A社(小売電気事業者)が仕入れた電気を、A社の定める料金によりB社(代理企業)が販売することを、取り次ぎ販売といいます。B社は電力小売事業者としてのライセンス申請を行う必要がなく、A社との契約に基づき取り次ぎを実施します。

電力の取次について

出典:電力システム改革小委員会

媒介販売

A社(小売電気事業者)が仕入れた電気を、B社(代理企業)が仲介役として需要家に販売します。B社は需要家とA社の間に立ち、お互いの要求をすり合わせ契約成立を目指します。

電力の媒介について

出典:電力システム改革小委員会

媒介・取次・代理業者の営業活動の在り方

代理・取次・媒介業者が営業活動を実施するうえでは、WEB広告、チラシ、テレビCMなどのマーケティングが考えられます。その中で、あたかも自己が電気の小売供給を行っていると誤解を与える営業活動は禁止となります。つまり、代理・取次・媒介業者が「自社の電気を供給している」旨の表示等を行うことは出来ません。需要家の誤解や混乱を招き、電気の使用者の利益保護に支障が生じるおそれがあるからです。そのため、代理・取次・媒介業者が営業活動をする際には、小売電気事業者の代わりに販売しているといった旨の説明義務が課されます。

この続きを読むには会員登録(無料)が必要です。

無料会員になると閲覧することができる情報はこちらです
電力の補助金

補助金情報

再エネや省エネ、蓄電池に関する補助金情報を一覧できます

統計情報

統計情報(Excel含)

エネルギー関連の統計情報をExcel等にてダウンロードできます

電力入札

入札情報

官公庁などが調達・売却する電力の入札情報を一覧できます

電力コラム

電力コラム

電力に関するコラムをすべて閲覧することができます

電力プレスリリース

プレスリリース掲載

電力・エネルギーに関するプレスリリースを掲載できます

電力資格

資格取得の支援

電験3種などの資格取得に関する経済支援制度を設けています

前の記事:電力自由化に向けた小売事業者の営業ルール

12
はてなブックマーク

執筆者情報

一般社団法人エネルギー情報センターの写真

一般社団法人エネルギー情報センター

新電力ネット運営事務局

EICは、①エネルギーに関する正しい情報を客観的にわかりやすく広くつたえること②ICTとエネルギーを融合させた新たなビジネスを創造すること、に関わる活動を通じて、安定したエネルギーの供給の一助になることを目的として設立された新電力ネットの運営団体。

企業・団体名 一般社団法人エネルギー情報センター
所在地 〒160-0022
東京都新宿区新宿2丁目9−22 多摩川新宿ビル3F
電話番号 03-6411-0859
会社HP http://eic-jp.org/
サービス・メディア等 https://www.facebook.com/eicjp
https://twitter.com/EICNET

関連する記事はこちら

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年02月11日

新電力ネット運営事務局

電力小売全面自由化から10年 数字が語る制度と市場の現実【第3回】なぜ私たちは、10年経っても「電気代の比較」で迷い続けるのか

電力小売全面自由化から10年が経過し、電気料金のメニューや契約形態は大きく多様化しました。 一方で、どの電気契約が有利なのかという問いは、いまも多くの現場で解消されないまま残っています。 見積書を並べ、単価を比較し、条件を読み込んでも、最後の判断に踏み切れない。こうした迷いは、単なる理解不足や情報不足として片づけにくいものになっています。 判断が難しくなる背景には、情報の量ではなく、比較に持ち込まれる情報の性質が揃わなくなったことがあります。 単価のように「点」で示せる情報と、価格変動や運用負荷のように時間軸を含む「線」の情報が、同じ比較枠の中で扱われやすくなっているためです。 本稿では、この混線がどこで起きているのかを整理します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年01月19日

新電力ネット運営事務局

2025年の電力先物市場:年間取引量4,583GWhで過去最高更新、年度物導入と中部エリア上場を控えた市場の変化

価格変動リスクへの対応を意識した取引行動が、実務レベルで具体化し始めた一年となりました。 制度面では年度物取引の導入、取引環境では流動性改善やコスト低減策が進み、企業側では中長期のヘッジ設計を見直す動きが重なりました。こうした複数の要因が同時に作用した結果、東京商品取引所(TOCOM)における電力先物の年間取引量は約4,583GWhと、前年比約5倍に拡大し、過去最高を更新しています。 中でも、東エリア・ベースロード電力先物が前年比約5倍、西エリア・ベースロード電力先物が前年比約3倍と伸長し、主要商品の取引が全体を押し上げた形となりました。加えて、2025年5月に取引を開始した年度物取引も、市場拡大を牽引する要素となっています。 本稿では、2025年通年の動向を中心に、市場拡大の背景と今後の論点を整理します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2026年01月19日

新電力ネット運営事務局

電力小売全面自由化から10年 数字が語る制度と市場の現実【第2回】10年で広がった、「経営の期待」と「現場の実務」の距離

「自由化から10年」という節目を迎え、制度の成果や市場の成熟度をめぐる議論が活発化しています。 現場の会話をたどると、同じキーワードでも立場により意味がずれます。 たとえば、経営の「コスト削減」は現場では「業務負荷の増加」、制度側の「安定供給」は供給現場では「柔軟性の制約」として現れます。 第2回では、こうした変化のなかで生じている立場ごとの認識のずれを整理し、経営・現場・供給事業者という三つの視点から、なぜ議論が噛み合わないのかを構造的に考察します。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年12月31日

新電力ネット運営事務局

電力小売全面自由化から10年、数字が語る制度と市場の現実【第1回】数字の区切りに惑わされず、いまの制度と市場を見直す

「自由化から10年」という言葉が、各所で頻繁に取り上げられるようになりました。 しかし、制度の導入や市場設計の見直しが今も続いており、電力を取り巻く環境は「完成」に近づくどころか、なお変化の途上にあります。 本稿では、数字がもたらす完了感と、制度・市場の実態との間にあるずれを整理し、“節目”という言葉の意味をあらためて考えます。

一般社団法人エネルギー情報センター

2025年12月27日

新電力ネット運営事務局

政府も注目する次世代エネルギー  核融合の仕組みと可能性 【第5回】社会実装と中長期シナリオ 2030年代のロードマップと日本の戦略

これまで4回にわたり、核融合という次世代エネルギーの可能性を、研究・技術・制度の観点からたどってきました。長らく“夢のエネルギー”と呼ばれてきた核融合は、いま確実に社会の現実へと歩みを進めています。 最終回となる今回は、社会実装に向けたロードマップと、日本が描くべき中長期戦略を考えます。 核融合が“希望の象徴”で終わらず、私たちの暮らしに息づくエネルギーとなるために、次の時代に向けた道筋を描きます。