プレスリリース|PRESS
研究・調査報告矢野経済研究所、定置用蓄電池(ESS)世界市場に関する調査結果を発表

定置用蓄電池(ESS)世界市場に関する調査を実施(2025年)
2033年の定置用蓄電池(ESS)世界出荷容量を735GWhと予測
〜カーボンニュートラル実現に向け再エネ発電設備導入が加速し、電力の安定供給や非常用電源の確保、余剰電力の有効活用に向け、ESS世界市場は成長見通し〜
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、2025年の定置用蓄電池(ESS)世界市場を調査し、設置先別及び需要分野別、電池種別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。
※グラフ資料は添付資料を参照
1. 市場概況
世界各国において、地球温暖化に伴う異常気象への対応策として、温室効果ガスの排出量削減が進められている。そのため、カーボンニュートラル実現に向けた脱石炭・脱原発の取り組みや、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の導入が拡大している。
再エネ発電設備には定置用蓄電池(Energy Storage System、以下 ESS)を併設することで、電力出力の平準化や最大負荷の管理が可能となり、電力品質の向上およびエネルギー利用効率の改善が期待される。また、再エネで発電された電力をESSに蓄電し、電力需要のピーク時間帯に活用することで、発電所や送配電インフラの利用率向上にも寄与する。さらに、電力網の老朽化や自然災害時における停電リスクへの対応としても、分散型電源としてのESS導入が進展し、電力安定供給への関心が高まっている。
2024年のESS世界市場規模はメーカー出荷容量ベースで293,992MWhであったと推計する。主要国において太陽光発電や風力発電といった再エネ発電設備の導入が拡大したことに加え、各国政府によるESS導入を促進する政策・支援制度の強化、さらには電力価格の高騰を背景とした自家発電・自家消費需要の増加が重なり、市場は大幅な成長を示した。
2025年もESSの導入は引き続き増加傾向にあり、用途別にみると電力系統関連および企業・業務用ESSが北米・中国・欧州を中心に需要を牽引している。米国では、再エネ導入が進むカリフォルニア州やテキサス州、ネバダ州などにおいて、大規模な電力系統関連ESSの導入が急速に進展している。欧州では、ドイツやイタリア、フランス、イギリスの4カ国が主要導入国として市場成長を牽引していく見通しである。
一方、家庭用ESS市場については、戸建て住宅中心の居住形態が多く、かつ電気料金が比較的高い欧州、北米、日本、オーストラリアなどの地域で、太陽光発電システムとの併用による導入が増加している。
このような背景から、2025年のESS世界市場規模は前年比127.9%の376,108MWhに達する見込みである。なお、設置先(需要分野)別では、電力系統関連ESSがメーカー出荷容量ベースで331,403MWhと全体の80%以上を占め、最も大きな比率になると見込む。
2. 将来展望
カーボンニュートラルの実現に向け、各国の再エネ発電設備導入が今後ますます加速する見通しで、電力品質の安定化や余剰電力の有効活用に向けて、引き続きESSの導入が増加するものと予測する。
蓄電池メーカー及びESSメーカーでは、材料技術の改良やシステム設計の最適化を通じて、製品の高性能化およびコスト削減に向けた技術開発が進められている。これにより、ESS導入の有効性が一層高まり、市場拡大が促進されることが期待される。
このようなことから、2033年のESS世界市場規模は、メーカー出荷容量ベースで735,473MWhに達するものと予測する。
《本プレスリリースの詳細は、以下のURLをご確認ください。》
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3871
| 会社名 | 株式会社矢野経済研究所 |
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| 所在地 | 東京都中野区本町2-46-2 中野坂上セントラルビル |
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| 会社URL | https://www.yano.co.jp |

















