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研究・調査報告

東大、窒素ガスと水からの触媒的アンモニア合成反応を可視光エネルギーにより駆動することに成功

東大、窒素ガスと水からの触媒的アンモニア合成反応を可視光エネルギーにより駆動することに成功の概要写真
(発表日:2025年5月22日)

窒素ガスと水からの触媒的アンモニア合成反応を可視光エネルギーにより駆動することに成功!
――常温常圧の反応条件下でのグリーンアンモニア合成法のさきがけ――

【発表のポイント】
◆アンモニア合成触媒であるモリブデン錯体及び光誘起電子移動触媒であるイリジウム錯体を用い、常温常圧の温和な反応条件下、可視光を照射することで、窒素ガスと水から光触媒的にアンモニアを合成することに成功した。

◆本研究は、2種類の分子触媒、可視光エネルギー及び有機リン化合物を用いることにより窒素ガスを窒素(N)源、水分子をプロトン(H+)源とする触媒的アンモニア合成を達成した世界で初めての例である。

◆地球上に豊富に存在する窒素ガスと水からアンモニアを合成できる反応が、常温常圧の反応条件下、太陽光(再生可能エネルギー)の主成分である可視光により進行したことから、カーボンニュートラル化の達成に向けて注目されている「グリーンアンモニア合成法」の開発へつながることが期待される。

※参考画像は添付の関連資料を参照

【発表概要】
東京大学大学院工学系研究科の西林仁昭教授らによる研究グループは、アンモニア合成触媒(注1)であるモリブデン錯体と光誘起電子移動触媒(注2)であるイリジウム錯体の2種類の分子触媒、及び還元剤としてトリフェニルホスフィン(Ph3P)等の有機リン化合物(注3)を用いることで、太陽光の主成分である可視光照射下、常温常圧の「窒素ガス(N2)」と「水(H2O)」から「アンモニア(NH3)」(注4)を光触媒的に合成することに成功した。アンモニアは、肥料や化成品等、多様な産業活動を支える原料として広く利用されてきた。更に近年では、燃焼時に二酸化炭素を排出しない性質やわずかな加圧や冷却で容易に液化する性質から、水素ガス(H2)よりもエネルギー密度が高い状態で貯蔵・運搬が可能なエネルギーキャリア・燃料として活用することが世界中で検討されている。本反応は、地球上に豊富に存在する窒素ガスと水を反応の原料、再生可能エネルギーの筆頭である太陽光エネルギーを反応のエネルギー源として、アンモニアを触媒的に合成できた世界で初めての例である。本研究の成果は、カーボンニュートラル化の達成に向けた地球にやさしいアンモニア、いわゆる「グリーンアンモニア(注5)」の合成法開発に向けた重要なマイルストーンとなることが期待される。

本研究成果は、2025年5月22日(英国夏時間)に「Nature Communications」(オンライン速報版)で公開される予定である。

《本プレスリリースの詳細は、以下のURLをご確認ください。》
https://www.t.u-tokyo.ac.jp/press/pr2025-05-23-001
会社名 東京大学
所在地 東京都文京区本郷7丁目3−1
会社URL https://www.t.u-tokyo.ac.jp