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研究・調査報告

NEDO、グリーンイノベーション基金事業「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」に着手

NEDO、グリーンイノベーション基金事業「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」に着手の概要写真
(発表日:2024年2月15日)

グリーンイノベーション基金事業「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」に着手
—カーボンニュートラル型廃棄物処理システムへの転換による炭素循環の実現を目指す—

NEDOは、グリーンイノベーション基金事業の一環として、「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」プロジェクト(以下、本事業、予算総額445億円)に着手します。

本事業では、廃棄物の焼却や埋め立て処分による二酸化炭素(CO2)やメタンなどの大気放出量を最小化し、廃棄物中の炭素を安定的・効率的に回収して温室効果ガス(GHG)排出量実質ゼロを目指します。また、バイオマス由来の炭素を資源として産業に循環・供給する「カーボンニュートラル型炭素循環システム」実現のための開発・実証を行い、社会実装モデルの創出を目指します。

1.グリーンイノベーション基金事業について

日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までにGHGの排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業部門の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業(以下、本基金事業)を立ち上げました。本基金事業はグリーン成長戦略(※1)で実行計画を策定している重点分野を支援対象としています。また、令和4年度第2次補正予算により3000億円が積み増しされており、令和5年度当初予算により4564億円が積み増しされました。

なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくために、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト(※2)」を公開しています。

2.本プロジェクトの背景

本基金事業では、「資源循環関連産業」を支援対象としています。

環境省の「廃棄物・資源循環分野における2050年温室効果ガス排出実質ゼロに向けた中長期シナリオ(案)(※3)」では、複数の想定シナリオに基づいて将来のGHG排出量や廃棄物処理量の見通しが示されており、3R(リデュース、リユース、リサイクル)+熱回収を最大限促進し、廃棄物処理施設の広域化・集約化を進めたとしても、熱処理(焼却・熱分解)による相当な量の廃棄物の処理が引き続き必要であり、メタン発酵などによる生ごみの有効処理が必要であると示されています。また、資源循環の重要性の高まりを受けて、3Rや素材の転換が一層促進されることで、廃棄物はバイオマス由来が支配的となっていくことが想定されています。従来、CO2を大気放出する焼却などが中心だった廃棄物・資源循環分野は、同分野からのGHGの排出量を削減し、カーボンニュートラルを目指すとともに、産業界全体へのバイオマス由来炭素の主要な供給源として、処理システムを大きく変革していく必要があります。しかし、廃棄物は地域、季節、天候によって量や性状(成分、熱量、含水率など)が常に変動するため、安定的・効率的に炭素の回収・利用ができず、他分野における炭素回収の技術などをそのまま活用することが困難です。

これらの課題を解決し社会実装につなげるため、NEDOは環境省が策定した研究開発・社会実装計画(※4)に基づき、このたび本基金事業の一環として「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現(※5)」プロジェクトの公募を行い、4テーマを採択しました。

*以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach/668425/01_202402151335.pdf
会社名 NEDO 国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
所在地 〒212-8554
神奈川県川崎市幸区大宮町1310番 ミューザ川崎セントラルタワー
電話番号
メールアドレス
会社URL https://www.nedo.go.jp/