プレスリリース|PRESS
研究・調査報告大林組、岩谷産業と共同で建物の空調エネルギーなどへ液化水素冷熱を利用する実証に着手
日本初、液化水素の冷熱を建物に利用する実証に着手
液化水素の新たな利用方法の創出をめざします
株式会社大林組(本社:東京都港区、社長:蓮輪賢治)は、岩谷産業株式会社(本社:大阪府・東京都、社長:間島寛)と共同で、国内有数の水素エネルギー研究開発拠点である岩谷産業の中央研究所・岩谷水素技術研究所において、建物の空調エネルギーなどへ液化水素冷熱を利用する日本初の実証に着手します。
*参考画像は添付の関連資料を参照
岩谷産業 中央研究所( https://www.obayashi.co.jp/works/detail/work_1712.html)・岩谷水素技術研究所 2013年4月竣工(設計・施工:大林組)
液化水素は水素ガスを-253℃という極低温にして液化させた状態であり、圧縮水素ガスに比べ密度が高く大量貯蔵や大量輸送に適していることから、輸送効率が求められる産業用途や水素ステーションなどに供給されています。液化水素を利用する際には、主に気化器(※1)を用いて常温のガスに戻しますが、-253℃の冷熱はそのまま大気に放散されています。この冷熱を無駄なく利用する技術開発は、設備機器などの冷却に必要なエネルギー削減を通じて、脱炭素社会の実現を後押しする重要な取り組みです。
このたび実証を開始する中央研究所・岩谷水素技術研究所は、カーボンニュートラル社会に向けた"見せる研究開発拠点"を構想しており、併設する水素ステーションに供給する液化水素から発生する冷熱を、空調用冷水、実験機器用冷却水用として氷蓄熱(※2)するなど、大林組はさまざまな冷熱活用手段と方法、用途を岩谷産業と共同開発し実証していきます。
大林組は中央研究所・岩谷水素技術研究所や水素ステーションの設計・施工に携わった実績に加え、水素による発電や温排熱の利用(※3)にも積極的に取り組んできました。
これらの知見を活かし、冷熱を建物に利用するためのシステム構築など、岩谷産業とパートナーシップを組み、環境やエネルギーの課題を解決する手段として期待される水素の利活用に向けて、多種多様な共同研究や実証を進めていきます。
※1 気化器
液化水素を空気と熱交換することで気化させる機器
※2 氷蓄熱
電力の需給調整用に空調用冷水で氷を作って蓄熱し、時間をずらして融解して冷房に利用するシステム
※3 水素による発電や温排熱の利用
・神戸市ポートアイランド
水素発電の地域実装に向けた技術開発と社会実装モデルに関する調査を開始(2021.8.17付)( https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20210817_1.html)
・トヨタ自動車株式会社本社工場内「水素発電パーク」
水素を活用した熱電併給システム向けスマートエネルギーマネージメントシステムを開発(2021.12.3付)( https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20211203_1.html)
・水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業(環境省委託事業)
福島県の浪江町にて国内初の水素供給ネットワーク最適化に向けた実証運用を開始(2022.4.12付)( https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20220412_1.html)
・冷熱活用システムに関する研究(国立大学法人大阪大学との共同研究)
以上
プレスリリースに記載している情報は、発表時のものです。
●関連情報
> 大林組のグリーンエネルギー事業「水素」( https://www.obayashi.co.jp/green_energy/project/hydrogen/)
リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。
参考画像
https://release.nikkei.co.jp/attach/639354/01_202209011738.jpg
会社名 | 株式会社大林組 |
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