日本のゴミ問題について

2017年08月30日

所属:跡見学園女子大学

インターン生:K.Mさん

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私たちは日々、生活をする上で必ずゴミが出ます。家庭で当たり前のようにゴミが出て、収集所へ捨てに行きという事を繰り返していると思いますが、最終処分場があと10年で限度をむかえてしまうという現状を知っていますか?ここで少しでも多くの人が、日本のゴミ問題について考え、リサイクルに対する意識が上がればうれしいです。

日本のリサイクル事情

みなさんは4Rという言葉を知っていますか?これは、ゴミを減らすための具体的な方針、リフューズ(Refuse 断る)・リデュース(Reduse 減らす)・リユース(Reuse 再利用する)・リサイクル(Recycle 資源を再利用する)の頭文字を取ったものです。

日本における、2012年度のアルミ缶回収率は94.7%、ペットボトル回収率は90.4%というリサイクル率世界トップクラスですが、日本の焼却場数もダントツで世界1となっています(表1)。アメリカやカナダのように、広い国土面積を持つ国では、ゴミのほとんどを埋め立てています。しかし、国土が狭い日本は最終処分場にする場所が少ないため、燃えるものは燃やしてかさを減らすという方法を取っています。

日本 アメリカ フランス ドイツ スウェーデン イギリス
1243 351 188 154 28 55

表1 世界の焼却炉の数 出典:ネットワーク『地球村』

また、ゴミ焼却量もヨーロッパの環境先進国の10倍以上で、ダイオキシン排出量も世界一です。「燃やすとダイオキシン」、「埋めると土壌汚染」といった認識のもとヨーロッパの環境先進国では、厳しい規制があります。日本のように、これほど多くゴミを出し、燃やしている国はありません。(図1)

図1 出典:ネットワーク『地球村』

そのような現状の中、日本のリサイクル活動の例をいくつか挙げたいと思います。

①ペットボトル

ペットボトルは、ポリエチレンテレフタレートという樹脂が原料です。ポリエチレンテレフタレートは、石油から作られるテレフタル酸とエチレングリコールを原料にして、高温・高真空化で化学反応させて作られる樹脂になります。軽くて丈夫で柔軟性があり、軽度のへこみであれば自ら元に戻る性質を持っています。

ペットボトルは、様々な製品にリサイクルが可能で、衣料品・生活雑貨・学生服・傘など、ありとあらゆるリサイクルの手段があります。

先ほど述べたように、2012年日本におけるペットボトル回収率は90.4%であり、そのうち62%が国内においてリサイクルに回されて、その他は輸出されています。リサイクルに回されたものの、再資源率はおおむね80%であり、海外輸出分の再資源化量を推計し合計すると、リサイクル率は85%程度になります。スーパーや、コンビニの入り口にペットボトルの回収ボックスが置かれている所が近年増えてきています。このようにして、私たちでも簡単にリサイクル活動に貢献できます。

またイオンでは、ポイントが溜まる電子マネーWAONというものがあり、ペットボトル5本につき1WAONポイントが溜めることができるという取り組みもあります。

②家電製品

家電リサイクル法といって、エアコン・テレビ・冷蔵庫(冷凍庫)・洗濯機(衣類乾燥機)の4品目がこの法律の対象となっています。家電リサイクル法では、廃棄する場合はリサイクルが確実に実施されるよう実施済み家電を引き取り適正なリサイクルを行うものに引き渡し、リサイクルに関する料金の支払いに応じ、リサイクルを行う者がこの法律の目的を達成するために行う措置に協力しなければならない(家電リサイクル法第6条)と定められています。

回収された家電製品は、家電リサイクル工場に運ばれ、分解・破砕され、鉄、銅、アルミ、プラスチック、ガラスなどの原料として使用できる状態になるまで種類ごとに選別されていきます。そのあと、鉄、銅などを作る工場に原料として売られ、様々な製品に生まれ変わります。

③ガラス瓶

ガラス瓶は、細かく砕いたカレット(ガラス製品を破砕した状態のガラス屑)と、ケイ砂、石灰石、ソーダー灰、から作られています。ガラス瓶はゴミとして捨てられると、「びんtoびん」のリサイクルで、何度も新しい瓶になります。

瓶には、何度も使えるリターナブル瓶と、一度しか使われないワンウェイ瓶があります、リターナブル瓶は洗浄して再利用され、ワンウェイ瓶は色別に分けて細かく砕きリサイクルされます。

瓶を成分である、カレットの中でも、無色と茶色は新しい瓶の原料として多く利用され、瓶以外では、住宅の断熱材・アスファルト舗装・カラー塗装・タイルなどにリサイクルされます。カレット工場で、細かく砕かれて新しいガラス瓶の原料やその他の用途に再利用されます。

空き瓶を砕いて作るカレットを、新しい瓶の原料として利用することにより、大切な天然資源を節約でき、さらに原料を溶かす時間が短縮され、省エネルギーにもなります。このように、資源ごみは世の中の色々な場所で再利用されています。

スーパーでの取り組み

元々、レジ袋が誕生したのは1965年頃といわれていますが、1972年に四国の会社が現在のような手提げのついたレジ袋の特許を取りました。今では、世界中に使われているレジ袋は日本で作り出されたものです。1970年代には丈夫で水漏れもせず、軽くて使いやすい上に、コストも安いレジ袋は大量に使われるようになりました。

こうして、棚から買いたいモノを取り出し、まとめてレジで支払い、袋に入れてもらう、という買い物スタイルが定着しました。1980年代以降、コンビニの広がりもあって、ガム1個買ってもレジ袋の入れてもらうのが当然という状況になったのです。

それが近年、スーパーなどでレジ袋の削減の取り組みを行っている所が多くあります。買い物にくるお客様にたいして、レジ袋削減やマイバック持参を呼び掛けたり、レジ袋の有料化をしています。レジ袋削減の方式を用いることによって大幅にレジ袋を削減することができました。

日本で排出されるゴミの量

ゴミは、消費社会から生じる一般廃棄物と生産過程での産業廃棄物に分類されます。私たちが、日常生活において作り出すゴミは事業系のゴミとともに一般廃棄物です。日本の一般物量の年次変化を見てみると、総排出量と1人1日あたりの排出量は、いずれも昭和30年代の高度成長期から昭和49年の石油危機直前にかけて急増しました。

昭和40年には1人当たり0.7kgであったゴミの排出量は、昭和50年代は1kgに達しました。平成に入ると1.1kgとなり、年間で1家庭から1~2トンのゴミが出ており、ほぼ横ばいに推移しています。さらに、工場や事業所等から出る産業廃棄物は平成8年度で約4億2600万トンであり、このような大量の廃棄物を処理するために、多くの時間と経費をかけなければなりません。

都市部でのゴミの量が多い理由

地域別に見た場合、都市部ほどゴミの量は多くなっています。都市化の進展に伴って、都市の活動が高密度に営まれること、生活水準が向上していること等からゴミの量が増加すると伴に、質的にも多様化が進み、ゴミの処理・処分が大きな課題となっています。

また、東京の繁華街でのゴミ収集は明るくなってからの朝方に回収するので、夜中にカラスがゴミを狙って荒らしてしまうという問題もあります。

なぜここまでにゴミが増えたのか

ゴミが増えた原因として、まずは使い捨て商品がとても増えたことが大きいです。コンビニやスーパーなどで売っている食品はほとんど、プラスチックの容器に入っています。これらは、家に着いて冷蔵庫に入れたり、料理をするときにはもう必要のないゴミになってしまいます。

またペーパータオルや紙おむつなども一度使ったらゴミになってしまいます。使い切りの商品は便利であったり、生活雑貨や文房具など安く買える反面、ものを大切にせず、最後まで使いきることなくゴミとして捨ててしまうことがあります。

また、食べ残しの問題も、原因の大きな一つです。食べ物の意識の欠落から、食べ残しを平気でする人が増えたこと、弁当・総菜のなどの需要が増し、それに伴って賞味期限切れの廃棄される食材が増えたこと、賞味期限消費期限表示頼りで、自分の五感で食品の状態を見極める能力が欠落した人が増えた結果、まだ食べられるのに捨てられる食べ物の量が増えたことなども要因の一つです。

不法投棄

不法投棄とは、法律(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)に反して、決められた処分場以外に廃棄物を投棄することです。現在は、ゴミの出し方について厳しいルールが定められています。ゴミを捨てる際にお金がかかる場合もあります。そのお金を払いたくないがために、守るべきルールを守らず、他人に迷惑をかけている人がいます。

「ちょっとくらいなら」と、ゴミを不法に捨ててしまうことがあるかもしれませんが、不法投棄には罰則が設けられており、場合によっては逮捕されてしまうことがあります。通常の不法投棄をした場合、この場合「5年以下の懲役・1千万円以下の罰金または併科」(平成29年度時点)が設けられています。

これ個人が、廃棄物処分場として決められていない場所に廃棄物を捨てる場合です。また、未遂の場合も処罰の対象となります。また、自宅敷地内に不法にゴミを投棄されてしまうケースも多くあります。

これからのゴミ問題について

ゴミは人間の生きている限り、増え続けるものです。それを何とかして減らさなければ、一面ゴミで覆われてしまいます。ゴミで覆われれば、人間にとって有害なガスが生じ、満足に呼吸もできなくなってしまいます。また、ゴミに収集運搬の費用が増え、焼却施設も大きな規模のものが必要となり、大きな処分場も必要となります。つまり、ゴミを処理する費用が必要となります。

リサイクルに関する法律は、多くありますが、家庭内でもできる簡単なリサイクルはあります。行政や企業が行っているような規模の大きいリサイクルでなくとも、単に牛乳パックを使ってペン立てを作るといった簡単なものでも十分にリサイクルになっています。

そうしてリサイクルされたのも、いずれかはゴミになってしまいますが、代用されたものを買わなくて済むことにより、その分ゴミは少なくなります。このようなリサイクルは一つを見ればほんの僅かな効果しかありませんが、大勢が行えば大きな効果が出てくるし、少しでもリサイクルをしようという心構えは、とても重要なことです。

スマートゴミ箱

スマートゴミ箱とは、太陽光発電を有し、そのエネルギーによる通信機能を搭載したCO2を排出しない環境配慮型ゴミ箱です。IoT技術を活用し、携帯電話網を通じてゴミの蓄積状況などをリアルタイムで発信する機能により、収集頻度や人員配置、ゴミ箱配置の最適化など収集作業を効率化し、コスト削減を目指しているものです。

既に海外では、導入されている所も多く米国のニューヨークのタイムズスクエアや、ノースカリフォルニア市、ジョージタウン大学など、合計20を超える自治体や大学などです。

日本でも2016年に長崎県佐世保市のハウステンボスリゾート内に設置し、実証検証が行われました。また2017年5月に行われた実験で、ゴミ回収・リサイクルの課題解決に向け東京の表参道の2か所にも設置導入されました。

海外での取り組み

海外の例を挙げると、スウェーデンでは廃棄物を利用してエネルギーに変えることに成功しています。その結果、埋立地に行くゴミは全体の4%です。元々、」ゴミの排出量が少ないという事もありますが、エネルギーにするゴミが足りない状況で、年間80万トンの廃棄物を他国から輸入しています。

すでに、ノルウェーはスウェーデンに廃棄物の回収をしてもらうために支払いをしていて、将来的には埋立地に頼るしかないブルガリア・ルーマニア・イタリアなどからゴミの輸入も考えているそうです。

ゴミの管理という点では、スウェーデンは世界の先頭に立つ数少ない国の一つで廃棄物から生み出したエネルギーにより25万戸へ供給されています。このように、国と国が協力し合って、地球環境の改善に取り組めば、かなり改善されるのではないでしょうか。