森林破壊への取り組み

2018年09月07日

所属:跡見学園女子大学

インターン生:F.Mさん

森林破壊への取り組みの写真

皆さんは、森林破壊についてどう思っていますか?環境問題のひとつであって、よくない事であることは誰でも知っていると思います。しかし、実際に私たちの生活にどのように影響されているのかを知っている人は少ないと思います。そこで、森林の役割・森林破壊の原因・影響・現状などから私たちがすべき取り組みについて紹介していきます。

森林の役割

森林は私たち人間・動物とも関わりがあり、多くの環境問題に関わっています。そこで森林の役割について紹介していきます。

生物多様性保全:森林は樹木や草、コケなどの植物や、菌類、土壌微生物、昆虫、鳥、爬虫類、哺乳類など様々な生き物の生息・生育の場となっています。森林にはこのような生態系や生物種、遺伝子を保全する機能があります。

地球環境保全

森林は地球温暖化の原因となっているCO2の吸収・蓄積や、酸素の供給、蒸発散作用により、地球環境を調節する機能があります。

土砂災害防止/土壌保全

樹木や草本が地面を覆い、その根が土壌を押さえることにより、雨による表面土壌の流出や、土砂崩れ等が防止されます。また、落葉等が土壌に養分を供給し、さらに河川を通じて海へ栄養を供給しています。

水源涵養

森林土壌が降水を一時貯留し、河川へ流れ込む水量を平準化して洪水を緩和する機能があります。また、森林土壌の濾過により水質が浄化される機能もあります。

快適環境形成機能

森林は蒸発散作用により夏の気温を下げ、冬の気温を上昇させるなど気候を緩和・調節し、また防風や防音などの機能により快適な環境を形成します。

物質生産機能

木材や紙の原料、キノコや山菜などの食糧、薪や炭といった燃料、落ち葉を活用した肥料、さらに薬草や工芸材料(竹、蔓など)も利用されています。

森林破壊の原因

森林破壊の大まかな原因としては主に下記が挙げられます。

木材としての伐採

日本では戦後、高度経済成長に伴う木材需要に対応するため、大規模に天然林が伐採され、住宅の梁や柱、家具材などとして消費されています。こうして伐採された所にスギなどが大量に植林がなされました。

現在では安価な外材の輸入の増加とともに国産木材が売れなくなったことと林業就労者の収入減少が影響し、林業就労者の減少がおき、間伐や間引きなどの手入れの行き届いていない不成績造林地が増加して全国各地で問題になっています。

手入れの行き届いていない所では木々が密集した状態で日光が十分に当たらなく細い木ばかりになっています。

燃焼材木(薪炭材)としての利用

アフリカや中南米の熱帯地域では、木質燃料の比率が非常に高い状況にあり、薪炭材の利用が急増しているとの指摘があります。これらの地域では、貧困のためエネルギー源は安価な薪炭材に頼らざるを得ず、熱効率の悪い調理用カマドが使用されている等の事情から、人口の急増に伴って、家庭用エネルギー源としての薪炭利用が増加したとの見方もある一方、家庭用の薪炭については、枯木や枝木を採取することが主で、大木を伐採して薪炭材として利用することは少ないとの意見も存在します。

これら薪炭材をめぐる森林伐採の問題については、世界銀行の研究報告によると「世界で伐採される(建材も製紙用の伐採も全て含んだ)木材の6本に1本は、葉タバコを乾燥するために使用されている」とされています。

また、1998年には、世界公衆衛生協会連盟(WFPHA)の政策文書においても「森林破壊がタバコによる主要な害悪」の1つとして掲げられており、WHO(世界保健機関)からも「途上国でのタバコ栽培と森林破壊についてのカラー図版」が公開されています。なお、タバコの乾燥に使用される木の伐採の具体的な事例の1つとしては、タンザニアの森林破壊があります。

施設建設のための伐採

道路の敷設に関しては、森林が分断化されることで動物や昆虫などの移動が制限される、車に轢かれるなどの問題が起こっており、森林生態系への影響が懸念されています。

また、法面の緑化には外国からの生命力の強い植物の種子が用いられることが多く、在来植生を滅ぼしてしまう可能性があります。また宅地造成・建築物の設置・レジャー施設・インフラストラクチャー・送信所、送電線などの鉄塔・スカイライン・林道なども 建設されることが影響されています。

酸性雨

工場や自動車から排出される大気汚染物質が、雲となり、それを含んだ強い酸性の雨を降らせる酸性雨が森林を枯らし、土壌も汚染され、砂漠化にしてしまいます。またそこに生息している生物も減少し、死滅してしまいます。

森林火災

農地開発のための火入れなどの火の不始末や落雷などが原因で、森林火災が発生し、森林が消失してしまいます。森林火災は泥炭や永久凍土がむき出しになることにより、土壌から炭素が排出されることも問題になっています。最近では、干ばつや猛暑などの異常気象による地球温暖化の影響で森林火災が起こっています。

非伝統的焼畑農法

焼畑は森林を焼き払い「環境によくない農法」というイメージが広がっています。しかし「焼畑」は古代やり世界的に行われてきた伝統的な農法で、その本来の手法は森林を焼き払い、短期間の農地として利用した後、自然の回復力で森林に戻すことを繰り返す農法で、自然と調和した「環境にやさしい農法」です。

焼畑民族にやって営まれている伝統的な焼畑農業は持続可能なもので、森林破壊の原因ではありません。一方で、国の政策によって移住してきた移民などが、自然のサイクルを無視して、収奪的な火入れ開墾を無計画に大規模に行っている現状もあります。こうした非伝統的な焼畑が原因のひとつとなっています。

森林破壊の影響

森林破壊の影響としては主に下記が挙げられます。

地球温暖化の進行

木は二酸化炭素を吸収し、酸素を排出してくれます。木がたくさんある森林を減らせば、温室効果ガスである二酸化炭素が増加して、結果気温の上昇などの地球温暖化を進行させてしまいます。また、暴風雨や突然の大雨、干ばつ、海面上昇といった異常気象が起きてしまう原因になります。森林は地球温暖化を和らぐ機能を持っています。

生態系の破壊

森林では様々な生物が複雑で微妙な関係を保って生態系を作り出しています。生態系自身が生き物のように、環境の変化に合わせて自ら安定化を図っています。しかし、森林伐採木々を支えにしていた動物や昆虫たちは住処を追われます。

また、「魚付き林」と呼ばれる河川の栄養源になる森林がなくなり地盤が緩むと河川は氾濫しやすくなり、水中の生態系をも破壊してしまうことになります。このまま温暖化が進めば、温かい地域にしか生息しなかった昆虫が寒い地域に生息するようになり、寒い地域でしか生きられない生き物は消えてしまうという可能性も高いのです。

世界の森林の現状

環境省のデータによれば世界の森林面積は約40.3億ヘクタールで、全陸地面積の約31%を占めています。地球上にある陸地の約3割が森林とされ、そこは水を貯め込む“自然のダム”とも言われています。

しかし、世界の森林は減少を続けており、毎年520万ヘクタールが減少しています(2000年から2010年までの平均)。現状のままいけば、100年後には地球上から森林(熱帯林)がなくなるといわれています。

特に、南アメリカ、アフリカなどの熱帯の森林を中心に、減少面積が大きくなっています。一方、中国やインド、ベトナムを中心とした温帯林では、森林面積が増加している国も見られ、森林面積の増加と減少には、地域的な偏りが見られます。

国別にみると、2000年から2010年までの間に森林の減少が大きかったのは、ブラジル、オーストラリア、インドネシア、ナイジェリアなどです。このうち、オーストラリアの減少は、2000年以降の深刻な干ばつや森林火災などが原因ですが、その他の国では農地への転用や薪の過剰採取などが原因です。

日本の森林の現状

昭和20年~30年には、日本では戦後の復興等のため、木材の需要が急増しました。しかし、戦争中の乱伐による森林の荒廃や自然災害等の理由で供給が十分に追いつかず、木材が不足し、高騰しました。

そのため昭和30年代から木材の需要を補うために、木材輸入の自由化が段階的にスタートし、昭和39年に木材輸入は全面自由化となりました。国産の木材の価格が高騰する一方で外国産の木材の輸入が本格的に始まりました。

外国産は国産に比べて安く、安定的に一度にまとまった量を供給できるというメリットがあるため、需要が高まり、輸入量が年々増大していきました。しかも、昭和40年代後半には変動為替制になり、1ドル=360円の時代は終わりました。その後、円高が進み、海外の製品がますます入手しやすくなりました。

これらの影響で、昭和55年頃をピークに国産の木材の価格は落ち続け、日本の林業経営は苦しくなっていきました。昭和30年には木材の自給率は90%以上ありましたが、今では20%まで落ち込んでいます。日本は国土面積の67%を森林が占める世界有数の森林大国です。しかしながら供給されている木材の80%は外国からの輸入に頼っているといういびつな現状になっています。

日本での取り組み

世界の国々の中でも、国土に閉める森や山の割合が高い日本では、昔から人間が自然と共存するために作り上げた里山があります。これは、コンクリートや壁で仕切るのではなく、人間の暮す空間がこの先にあること、動物が自然に暮す空間がその先にあることをお互い理解して共有することで自然に生まれた仕組みです。

里山は、その先にある生態系や森林のシステムを守りながら、人間の生活空間にも必要な栄養や雨をもたらし、さらに自然現象から守ってくれます。コンクリートや壁には耐久年数がありますし、動物や自然の生き物には理解しにくい境界線ですが、里山には耐久年数はありません。今、森林破壊の対策として、この画期的な里山の仕組みを復活させる活動が進められています。 

世界での取り組み

1992年、国連環境開発会議(UNCED、地球サミット)で、「アジェンダ21(森林減少対策等)」が採択されて以来、ずっと森林に関する国際的な対話が続けられてきました。アジェンダ21に基づいて、森林経営が持続可能であるかを評価する基準や指標などが世界各地のグループごとに進められ、生物多様性、森林生態系、木材生産力、炭素蓄積などさまざまな基準が設けられています。

途上国の森林を守るための資金・技術協力や、国際機関を通じた支援も盛んに行われています。日本もJICA(独立行政法人国際協力機構)を通じて、森林・林業の専門家の派遣や機材の供与、資金援助などを実施。また、NGOによる海外植林、砂漠化防止や熱帯林再生プロジェクトへの支援も行っています。

私たちがすべき取り組み

日本や世界での取り組みを紹介してきましたが、では私たち個人でどのような取り組みをしていくべきかを紹介していきます。

4R運動

「もったいない」という言葉が環境保全につながる言葉としてもっともふさわしいものとされ、世界中で広めようという働きが行われています。ケニアの副環境大臣でもあるワンガリ氏は「4R運動」、通称「もったない運動」を推進し、日本でも講義をしています。日本人が忘れていた心を日本人に伝えています。

Refuse(リフューズ)=断る

ラップ・発砲トレー・買い物袋など、最近のスーパーでは、過剰に、何十にも重ねた包装が多いです。こういった過剰包装になるものを購入しないことや、いらないのであれば、断ることも大切なことす。最近では、そういった店も多くなっているので利用してください。

Reduce(リデュース)=減らす

現在、ごみ袋も購入する時代になり、ごみを減量化するようになりつつあります。詰め替え商品も多く販売されています。ごみをしっかり仕分けし、なおかつ、ごみの減量をすることは、これからの私たちにとって大切なことです。ごみになるものは買わず、ごみになりにくいものをうまく利用していくことがごみ減量化につながっていくのです。

Reuse(リユース)=再利用

今までは、古くなったら新しいものを購入するということが、一般的な時代でしたが、現代は、修理して使えるものは、何度も使うことが大切になっています。新しい商品が次々と販売されているだけに、新しいものをほしいという気持ちは、わからなくもないですが、先のことを考えて、何度も繰り返して利用できるようなものを購入するようにしていきましょう。

Recycle(リサイクル)=再資源化

資源を何度も使うことは、いまや当たり前の時代になっています。このリサイクルをするためには、私たち一人一人の協力が必要です。ごみをしっかり分別すること、それが、ごみを有効利用することにつながっていくのです。頭ではわかっていたとしても、なかなかごみ分別ができていない現代人。もっと資源の有効活用についてしっかり学んでいきましょう。具体的には、以下のことすると良いでしょう!

  1. 割り箸を使わずに自分の箸を持参する。
  2. 買い物かごを持参する。
  3. 紙コップなど使い捨てを減らす。
  4. たかくても再生品、リサイクル品を買う。
  5. 新聞、雑誌、書籍の浪費をやめる。
  6. 包装や本のカバーを断る。
  7. 資料のやり取りを減らす。
  8. 無駄なコピーをやめる。
  9. 植林、間伐、草刈りなどの森林保全活動に参加する。

まとめ

森林破壊は他の環境問題によって引き起こり、また他の環境問題を引き起こさせるものであることがわかりました。森林は私たちと身近なものではないが、簡単な取り組みで森林破壊を防ぐための一歩となります。これから、色々と取り組んでいきたいです。