食品廃棄について

2017年08月18日

所属:明治学院大学

インターン生:Y.Rさん

食品廃棄についての写真

私は高校三年生からスーパーでアルバイトをしています。仕事でゴミ捨てがあるのでいつもゴミ捨て場に行くのですがそこでは毎日大量の食品が廃棄されています。世界ではごはんを満足に食べられない人がいるなかこんなに食品を廃棄していいのか疑問に思っていました。そこで食品廃棄されたものはどうなっていくのか、またどうしたら減らしていくのか調べてみました。まずは、日本の食品排気量についてです。

スーパーなど小売業界の食品廃棄量について

日本では平成27年度の食品産業全体の食品廃棄物の年間発生量は20096千トンとなっています。そのうちの1275千トンはスーパーなどの食品小売業からで発生していて前年から0,4パーセント増えています。

食品廃棄物の年間発生量の内で本来食べられるのに廃棄されるもの、いわゆる食品ロスと呼ばれているものは数割を占めています。日本の食品ロスはコメの生産量に匹敵しており、リビア、コンゴ、リベリアの3か国分の食料仕向け量に当たります。これらの廃棄物は何かに使えないのでしょうか。日本では食品廃棄物の再利用を進めています。

廃棄物のリサイクルについて

日本では2001年に食品産業からでるごみを減らすために食品循環資源の再生利用を進めるために食品リサイクル法を制定しました。この法では各業界にごみの削減とリサイクルの目標値を設定しています。達成度が低ければ政府が勧告したり、業者名を公表したりする対策がされることになっています。では、再利用をすることに何のメリットがあるのでしょうか。

食品ごみの再生利用のメリット

日本では食品ごみの再利用するときほとんどが肥料、飼料になっています。こういった再利用をすることでゴミを燃やすよりも低いコストすみ、再利用が増えることでゴミの量も減らすことができるのがメリットです。ごみの最終処分場が減っていく中、ごみを減らす試みは重要だと考えます。

日本国内では再生利用を促進していますが他の国ではどのようなことをしているのでしょうか。法や目標、収集や処分の役割分担、食品再利用に関する施策の3点についてまとめました。

各国の食品廃棄物に関する法や目標、役割、食品廃棄物の再利用関連施策について

①イギリス

イギリスでは2003年に廃棄物及び排出権取引法が制定され、廃棄物の削減に関する国内法が整備されました。イギリスが離脱する予定となっているEUでは埋め立て削減目標を掲げておりその目標を達成するためにバイオマス化や堆肥化の促進により埋め立て処分が減少しています。

イギリスの食品廃棄物の処理やリサイクルの役割について食品廃棄物を含む都市廃棄物は地方自治体がその処理の全責任を負うとしていて都市廃棄物の処理と収集は直接収集する場合や業者に委託する場合であっても施設、設備の設置や分別、処理場の申請の許可まで広い範囲で権限と責任をもっています。

食品再利用に関する施策では再生可能エネルギー使用証明書、再生可能エネルギーの固定価格買取制度、再生可能熱利用インセンティブの適用により、バイオガス化、堆肥化を推進しています。また、埋め立てを抑制するため埋め立て税の導入や外食由来の食品廃棄物の回収助成金、生産や流通過程での発生を抑える対策やバイオマスを活用する施設のための基金を設置するなどの経済的援助もしています。

②ドイツ

ドイツでは循環経済、廃棄物法に変わり2012年に循環経済法が施行されました。この法は廃棄物の発生を抑制することを最優先に規定していて、食品廃棄物を新たに区分し資源としての利用を促進し2015年までに生ごみの完全分離を義務化しています。目標は2020年までに一般廃棄物のリサイクル率目標を65パーセントとしEUが掲げる50パーセントの目標値よりも高く設定されています。

ドイツの食品廃棄物の処理やリサイクルの役割分担について家庭系廃棄物は自治体や自治体が委託する廃棄物処理業者が処理を担っています。事業系廃棄物の処理は自ら処理することができないときは、公営処理業者への委託をする義務を負うことになっています。再生利用については例外として民間処理業者への委託をすることができるとしています。

食品リサイクルに関する施策では堆肥化を促進するために、連邦機関が堆肥化品質基準の設定、製品の品質検査などを行っています。またバイオガス利用を促進のためにバイオガス施設の設置に対し低い金利の融資を行う制度や補助金をだす経済的支援もしています。

バイオマスで発電した電力は国が一定価格で買い取りを保障していてさらに廃棄物由来のバイオガス発電の買取は割高に設定し、推進していく取り組みがされています。

③フランス

フランスでは環境グルネル法第二法を制定し2012年1月から食品を中心とする有機性廃棄物及び廃食用油の排出事業者に分別回収と再生利用を義務を負わせています。

目標は国民1人あたりの家庭系廃棄物の2009年から2013年までに排出量を7パーセント削減、リサイクル率を2015年に45パーセントに増やすとしています。

食品廃棄物の処理やリサイクルの役割分担について再生利用を義務付けられる排出事業者を拡大し、リサイクル方法はバイオガス化や堆肥化が中心になっています。

食品の再利用に関する施策については廃棄物の削減や再生利用などの国家目標を設定し食品リサイクルを含む環境政策に関する法を制定していっています。またイギリスのような環境汚染活動税の埋め立て関係の引き上げていき、埋め立てを抑制する対策をし、焼却関係について税の新設をしてリサイクルを推進しています。

④スウェーデン

スウェーデンでは2005年に有機性廃棄物の埋め立てを禁止し、その結果食品廃棄物を含むバイオマス資源の堆肥化とバイオガス化が普及していきました。

また、新廃棄物計画2012-2017を策定し、2018年までに食品廃棄物の分別収集を徹底し、全食品廃棄物のリサイクル率9割以上にすることを目標としています。

食品廃棄物の処理、リサイクルの役割や分担について家庭系の一般廃棄物は地方自治体が収集と処理の責任を負い政府に処理計画の提出をするようにしています。また、事業系食品廃棄物は排出する事業者に責任を負いそれぞれの製品に対し数値目標、達成年度目標が定められています。

食品の再利用に関する施策について食品産業からの食品廃棄物など、分別された有機性廃棄物を原料とするメタン化やコンポス化の工場の生成物には品質を保証する証明書が発行されています。また分別された動物性廃棄物や食品産業からでた食品廃棄物から堆肥、バイオ生成物を生産する工場は品質を保証するマークを付けることができるようになっています。マークを付けることは、組織の評判、知名度、ブランドの向上につなげていくことができます。

スウェーデン南部クリファンスタッド市では市バス、スクールバス、公用車すべてがバイオガスで走っています。

⑤韓国

韓国では廃棄物管理法を制定し、食品廃棄物の排出を抑えるために、2012年から家庭や事業所から排出される食品廃棄物排出への従量課金制度が2010年に全面施行されました。

また飲食業界以外の事業系廃棄物排出者は自治体に対し廃棄したものの種類と量を申告する義務を負います。韓国の掲げる目標は廃棄物エネルギー化を推進するために、有機性バイオガスエネルギー利用量を2020年までに748万トンへの拡大させることです。

食品廃棄物の処理やリサイクルの役割分担について家庭系廃棄物や事業場生活系廃棄物は、自治体がその収集、処理の責任を負っています。また一日300キロ以上の廃棄物を排出する食品製造事業者は自らが処理するか、廃棄物処理業者に処理を委託することを義務付けています。

食品再利用に関する施策について韓国では食品廃棄物のエネルギー化を促進のため、食品廃棄物エネルギー化施設に対し2008年に1兆4480億ウォンを投入しています。2つ目韓国では食べのこしを抑制させるため食べ残した量を測り罰金を徴収しています。

また小さい食器の普及や食べきるとポイントを贈呈する制度を推進し、食べ残しを抑制していこうと試みがされています。三つ目は関係省庁で合同チームをつくり、家庭や飲食店からでる生ごみの削減対策を推進しています。四つ目は食品寄付活性化に関する法律を制定し、フードバンクへ食品を寄付したときは損金処理できる税制措置をつくっています。

⑥アメリカ

アメリカでは廃棄物に関する基本法となっている資源再生保全法を制定しています。この法は有害廃棄物について定義付け、有害廃棄物に関する各主体の義務を規定しています。食品廃棄物などの管理は州や地方自治体に委ねているために全米単位での目標は設定されていません。なので、アメリカのカルフォルニアについて調べました。

アメリカカルフォルニア州では廃棄物全体のリサイクル率を2020年までに75パーセントにする目標を設定しています。食品廃棄物の処理やリサイクルの役割分担についてアメリカでは環境保護庁が食品廃棄物の発生を抑制、フードバンクの活用、飼料化、資源の再生利用、肥料化を推進しています。

カルフォルニア州では、一般固形廃棄物の収集や処理について州が責任を負い、産業廃棄物については排出事業者が責任を負っています。アメリカの食品再生利用に関する施策について食品事業者が安全に食品の寄付ができるようにガイドラインをつくり、提供者に事故責任を問わないとする法律をさだめています。

カルフォルニア州では食品事業者のフードバンク活用に対し税制優遇措置をとっています。また、廃棄量、分類、素材、物質、施設での処理能力のデータを集め管理することでリサイクル率を把握しています。その他、食品廃棄物の堆肥化に関する調査、資金調達、教育などにも力をいれています。

対策についての自分の考え

どの国も再利用についての政策について力を入れていますが食品廃棄物そのものを抑える政策は不十分だと私は思いました。もっと廃棄量を減らす努力を、食品を扱う企業に対しさせていかねばならないと思います。世界では人口がどんどん増え必要な食糧が多くなるなか、すべての人に安定して食糧を供給できるように無駄を省くように国際社会が一体となって取り組む必要があります。

ではどのような対策をすれば廃棄量を減らしていけるのか取り組みについて調べてみました。

廃棄量を減らす取り組み

一つにはフードバンクが行われています。フードバンクとは食品加工工場や卸売業、スーパー、農家などからまだ食べられるのに捨ててしまう食品を引き取り十分な食べ物を得ることができない人々へ渡す取り組みのことを言います。

これは募金のような寄付であり人の善意のうえで行われています。なので、この方法では限界があります。寄付する人たちも商売をしているので何かメリットがないことには興味を示さないからだと考えます。これからフードバンクをもっと広げていくには寄付するような人に対してもメリットがあるようにしていくことが必要になってくると思います。 二つ目の方法は捨てられてしまう食品をあつかったビジネスがあります。

ビジネスとして十分な収益を見込めるほうが良い結果につながります。このようなビジネスをイギリスのコミニュティーショップは捨てられる食品を有効活用し貧困層の生活改善を目指しています。この取り組みについて調べました。

コミニュティーショップとは簡単に言えば低所得者向けのスーパーマーケットです。お店の近隣に住んでいることと生活保護を受けるなど何らかの援助を受けている人が限定で利用できるようになっています。そこでは賞味期限が近いものや規格外の商品などが並んでいて、価格は買い物かごにたくさんいれても数百円の価格ですむような低価格になっています。

このビジネスはフードバンクと大きく違う点があります。それは緊急的な援助を目的としているわけではなく崖っぷちに立たされている人たちへの手助けを目的としているところです。そしてこのスーパーは低所得者を顧客としてきちんとしたサービスを展開しています。

食品ごみの削減へ私が考える工夫点

食品ごみそのものを減らすための制度やビジネスがありましたが私は廃棄物を排出するスーパー自身で工夫ができないか考えました。

ごみを出すことはその食品を売れなかったということなので、店側にとって一銭もお金が入っていません。食品ゴミを減らすことは店の利益の増加にもつながるはずだと考えます。

1つ目、店はこの時期、この時間に何が売れるのかまた細かく計算していくことが大事だと考えます。果物や野菜はすぐに劣化して売れないものになってしまう商品なので他の商品よりもさらに細かく考える必要があります。計算では棚卸のデータが役立つと思います。どの店でもだいたい毎月棚卸をしてどれだけ売れたかデータをとっていると思います。そういったデータを生かすべきです。

2つめ、価格設定にも注意していく必要があると思います。例えば発注を失敗して大量に商品が余っている場合などにはそれらが全部廃棄にならないように安く価格を設定し売っていくことが廃棄量もへり店側に少しでもお金が入りさらにこの店は安いと思わせリピーターを獲得できるなど良いことがたくさんあると思います。

食料廃棄について調べた感想

私はイギリスのコミュニティーショップのようなビジネスが広がってほしいと思います。日本では近年子供の貧困や年金削減で貯金もなく困っている高齢者や子供たちがたくさんいます。そういう人たちの生活の手助けになるのではないでしょうか。このビジネスは食品廃棄の問題と日本の抱えている貧困問題どちらも対策できて利益をうめる良いビジネスではないでしょうか。

日本はウサギで列強はカメという表現を聞いたことがあります。日本は後ろからついていくばかりでカメを追い抜くことはできません。そろそろこのような姿勢を変えて挑戦し他の国を追い抜いていくことが大事ではないでじょうか。たとえ失敗してもそこから得るものはたくさんありますし思わぬ副産物が得られるかもしません。だから是非挑戦してほしいです。

また、食料廃棄そのものの量を減らす努力は環境負荷を抑えることにもつながると考えています。例えばチョコレートなど一見、環境負荷と関係のないと思われるようなものでも流通や加工などで環境負荷がかかっています。その上日本は食料自給率が低いため輸入することが多い国です。輸入するのに使う船や航空機では二酸化炭素を排出し、輸入する国の水資源を利用することにもなります。だから、無駄なものを減らしていくことは環境負荷を抑えることにつながり、食料廃棄の問題への対策、貿易収支の黒字化の一石三鳥になると思いました。

今回は企業側のみを見ていきましたが廃棄の半分は家庭によるものであるのが現状です。食べ残しや無計画な買い物をしないようにしていくよう消費者も注意していかなければなりません。今後は食料が無駄に廃棄される量がゼロになっていってほしいです。